偉大なドイツの哲学者ショーペンハウエルが、言いました。 「針鼠の夫婦が、寒い夜に、お互いに温め合おうと身を寄せ合った。ところが身を寄せ合えば、寄せ合うほど、自分の針が相手を傷つけてしまう。」 有名な「針鼠の夫婦論」です。 人間も、同じです。結婚前の交際期間中は、お互いに距離を置いています。愛を語っても、体を寄せ合っても、楽しい場面だけの付き合いですから、掃除や洗濯、食事が原因で喧嘩になることはありません。ましてやゴミをどっちが捨てるかなんてことも、問題になりません。ところが結婚すると、そんな小さなことのひとつひとつが、大きく問題化してきます。身を寄せ合えば寄せ合うほど、お互いの針が相手を傷つけるゆえんです。 結婚前に、飼い主さんが聞きました。 「嫁入り道具の布団は、シングルにしますか、ダブルにしますか。」 僕は、当時ショーペンハウエルの言葉を知らなかったので、「もちろんダブルにしなさい。夫婦とは、身を寄せ合って生きて行くものだ。」と答えました。 結果は大失敗でした。僕のいびきと寝言は飼い主さんを寝かせず、飼い主さんは寒い夜、掛け布団を全部取ってしまって、僕に風邪をひかせたのです。 結婚前に、この偉大な哲学者の言葉を知っておけばと、後で反省しました。 |