男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2026/06/21 2:32:56|小説「春の行方」
春の行方−35−
春の行方−35−

 翌日のみんなの出発時刻は朝の10時である。仁川の空港に見送って行ったが、それから佳津枝が来るまでに5時間もある。光太郎は、それまでの時間をどうすることもなく空港内の店を見て回ったり、食事をしながらひたすら佳津枝が来るのを待っていた。
 佳津枝の乗っている便の到着を告げるアナウンスがあった。到着ロビーで出迎える。
 佳津枝はノースリーブのシャツにジーンズ姿だった。光太郎の姿を見付けると、大きく手を振った。二人は、これから泊まるホテルにタクシーで向かった。二人共韓国語はダメなので、運転手に地図の入ったホテルの案内書を見せた。タクシーの中でも、佳津枝はやや興奮気味で、話し続けていた。
 ホテルでチェックインを済ませると、部屋に入ってキスを交わす。抱擁の中、佳津枝の乳房の膨らみが光太郎を刺激した。光太郎が佳津枝をベッドに押し倒そうとすると、「待って、シャワーを浴びてから。」と言った。一緒にシャワーを浴び、愛の時間を過ごした。
 夏の日もすっかり沈んで、外は暗くなっている。光太郎は、佳津枝を夜の明洞の町に連れて行った。行き先は、昨日の居酒屋である。韓国酒と韓国料理に佳津枝も舌鼓を打っている。異国でのことだと思うと、いつも佳津枝のマンションで飲んでいるのとは違った雰囲気である。
 隣に座った青年が韓国語で佳津枝に話し掛けて来た。佳津枝がキョトンとしていると、今度は英語で話し掛けて来る。どこから来たのかとか、韓国は初めてかなどと聞いている。佳津枝は、笑顔で話に応じていた。更に、市内を案内しようかなどと言っている。光太郎は、嫉妬のようなものを覚えていた。その感情が刺激になったのか、光太郎はホテルに帰ると、再び佳津枝に挑んで行った。
 翌日は、ソウル市内の観光である。光太郎は、昨日まで見て来たところを案内して歩いた。まずは、市内が見渡せるソウルタワーに上り、その後で景福宮、博物館、李王朝の位牌の祀られた宋廟(チョンミョ)などを見て歩き、午後には南大門の市場に行った。ここは、日本で言えばアメ横のような雰囲気の町である。食材や、ブランド物に見立てられたバッグなどを売っている。
「おねえさん、これ本物の偽物。安いよ。」などと声を掛けて来る。佳津枝は楽しそうにその様子を見ていたが、さすがに豚の頭が並べられている店の前に来ると気味悪そうにしていた。
 南大門の後は、仁寺洞(インサドン)の町を歩く。ここは骨董品や美術品などを売っている店が並んでいて、佳津枝は興味深そうに見ていた。そしてお土産にするのだと言って、小さな人形を買っていた。
 この日の夕食はレストランでとったが、メニューはやはり韓国料理である。光太郎は焼肉を、佳津枝は鶏料理であるサンゲタンにした。ビールを飲みながらの韓国料理は美味しい。佳津枝は、本当に楽しそうにしていた。
 3日目は、午前中に明洞の町を散策して過ごし、午後からはスーパーでキムチやお菓子などのみやげを買いに行った。
 観光地を歩き回るのも楽しいが、こうしてゆっくり過ごすのも異国の旅の楽しみである。佳津枝はしばしば光太郎のと腕を組んで歩いていた。
 4日目は帰国である。楽しい時間の過ぎるのは早い。飛行機に乗っても、佳津枝は楽しかったを繰り返していた。
 帰りの飛行機の中、佳津枝が言った。
「また、外国に行きたいわね。」
「そうだね。」
光太郎が答えた。
               −続く−







2026/06/20 12:56:27|男の手料理
きのこ蕎麦
 雨の中の山歩きから帰って来ての今日の昼食は、きのこ蕎麦でした。
 関東風に醤油味を濃いめにして、昨日山で採って来た平茸をたっぷりと載せました。







2026/06/20 5:27:19|小説「春の行方」
春の行方−34−
春の行方−34−

 お盆の休みが始まると、その日に成田からソウルに向けて出発した。メンバーは5人、山野、大室、光太郎と男が3人、女は久恵と新入社員の陽子である。
 陽子は、海外旅行は初めてらしく、空港に着いたときからはしゃいでいた。いつものおどけた調子である。
 飛行機が成田を出発すると、2時間ちょっとでソウルに着き、現地のガイドの案内でホテルに向かう。
 ホテルは、明洞(みょんどん)の町の近くにあった。部屋は2室、男3人と、女2人がそれぞれ1部屋ずつである。部屋に荷物を置いて落ち着くと、夕刻である。早速飲みに行こうということになった。
 明洞の町は繁華街である。飲み屋が並んでいて、若者がたくさん歩いている。ちょうど原宿の町を歩いているような雰囲気だった。居酒屋のような店に入ると、キムチのにおいがする。 5人は、ビールや韓国のお酒などをそれぞれ注文すると、早速突き出しのキムチを肴に乾杯をした。
 韓国は、食の国である。出てくる食べ物は日本人の口に合っているし、お酒も美味しい。店は、既に韓国の若者で一杯になっている。隣に座った韓国の若者が、久恵や陽子に英語で話し掛けて来る。
 久恵は上手に相手をしているが、陽子の方は笑顔で話しながらも、言っている内容はとんちんかんなものだった。韓国の若者に親しそうに話している女二人に、日本の男達は憮然として酒を飲んでいた。
 その店で2時間ほど飲んでから、5人は店を出て明洞の通りを歩いた。通りは若者達で溢れかえっていて歩くのもままならないほどだった。見るもの全てが珍しかったが、光太郎は3日後に佳津枝が来たらどこに連れて行こうかと観察を怠らなかった。
 翌日はソウル市内を観光した。その翌日は李王朝の宮殿である景福宮(キョンボックン)や博物館、宋廟などを観光した。聞けば秀吉の朝鮮出兵のおりに宋廟も焼かれており、この頃からこの国は日本の犠牲者だったのである。夜は、南山のソウルタワーに登る。この塔から見えるソウルの夜景は素晴らしかった。光太郎は、佳津枝と二人で登れば、どんなに喜ぶだろうかと思っていた。
 その翌日は、板門店に行くことになっている。板門店は、南北朝鮮の唯一の交渉の場、今でも北と南は休戦状態なのであり、戦争が終ったわけではないのである。「何事があっても自己責任です。」の書類にサインをさせられて、5人は緊張の中で板門店に入った。さすがに久恵も陽子も神妙な顔をしていた。今まで陽気にはしゃいでいた陽子でさえ静かである。
 明日は帰国の日、ソウルの町に帰って来ると、5人は再度明洞の町に繰り出した。お代わり自由のキムチだけで飲むものもいれば、サンゲタンや焼肉などを食べている者もいる。食の国韓国の夜を思い切り楽しんでいた。
 飲んでいるとき、久恵が光太郎に言った。
「明日は、どうするの。私達の後で帰るんでしょう?」
「うん、みんなを見送ってからしばらくしてから福岡の方に帰るよ。」
「そう、気をつけてネ。」
「うん、久恵さんもね。浜松に帰るんだよね。」
「ええ、そうよ。またウナギでも買って来るわ。」
「じゃあ、僕はまた蒲鉾かなあ。」
 そんな話をしている二人は、大室がじっと目を向けていることに気がつかなかった。
          −続く−







2026/06/19 12:32:24|その他
平茸尽くし

 今朝の茶臼山トレッキングの途中で平茸を見付けたので、採って来ました。
 家に帰ってから早速使いました。平茸をオリーブオイルで炒めておき、昼食の温素麺(にゅう麵)に乗せ、そのまま酒のつまみにしました。
 昨日までは釣って来たキス尽くし、今日は山の平茸尽くし、海の恵み、山の恵みがありがたい田舎生活です。

@ 自生の平茸です。

A 温素麺に、平茸を載せました。

B 酒のアテも、平茸のオリーブオイル炒めです。







2026/06/19 5:06:08|小説「春の行方」
春の行方−33−
春の行方−33−

 久恵は話を続けた。
「でも、それからの三永君は、おとなしかった。脱いだシャツとズボンをキチンと折り畳むと、そのまま床にゴロンと寝てしまったわ。だから、何もなかった。心配しなくて良いのよ。でも、私にとっては残念なような気もするけど。」
「そうか。そうだったのか・・・・・」
 光太郎は、半分ホッとしたような、半分残念なような気がしていた。以前から思っていたのだが、今日話して見て、まんざら久恵も自分に気がないでもないことが確認できる。そんな久恵と二人きりでいながら、何でもなかったのは残念である。でもお陰で、佳津枝を裏切らなかったという安堵感もあった。
 一恵と身体の関係がありながら佳津枝を裏切らないということについては、矛盾もあるだろう。しかし、光太郎の立場に立ってみれば、心まで移した場合が真の愛情である。愛情抜きの肉体関係は必ずしも佳津枝を裏切ったとは言えないと思っていた。
「それを聞いて、三永君の感想は?」
 ニヤニヤしながら久恵が聞いた。
「そうか、寝るときにはちゃんと着ている物を畳むように母親から躾けられていたからなあ。」
 光太郎は、ホッとしながらそう言った。
 そのときから、二人で飲みに行くときは、池袋の「ふるさと」に決まっていた。大抵は寮の仲間と一緒に駅前の居酒屋でワイワイ飲むのだが、たまには久恵と二人で飲みたいときがある。そんなときはメールで誘い合って飲みに行くのだが、光太郎は営業で週日は予定が立たないことが多いので、週末に行くことになり、2月に一回くらいの割でしか行けなかった。
 入社3年目の夏休み前のこと、寮の仲間で飲んでいるときに、先輩の山野が韓国に行かないかと提案した。何人かが「いいね。」と言い、その中には大室も久恵もいた。3泊4日のツアーで安いのがあるようだった。
 光太郎は、今回も返事を躊躇した。すぐに思い浮かぶのは佳津枝のことである。
 佳津枝からは、毎日のようにメールが来ていた。その中には、夏休みに逢えることを楽しみにしているようなことが書いてある。その都度、自分も帰ることを楽しみにしているような返事を出していたから、韓国旅行に行くので帰れないと言えば佳津枝は失望するだろう。また光太郎の悩みの日々が続くことになった。
 光太郎は考えた。夏休みは、土日を入れれば9日になる。旅行は4日である。旅行が終って、ソウルから福岡空港に帰れば故郷まで近い。3日は故郷に滞在できることになる。
 光太郎は、佳津枝に仲間と韓国に行くことになりそうだとメールを送った。すると佳津枝から、自分も行きたいと言って来た。再び、光太郎は考えた。寮の仲間と一緒に佳津枝を連れて行くことはできない。では韓国で落ち合うというのはどうだろう。早速、光太郎はそのことをメールで提案した。佳津枝からは、すぐに賛成の返事が帰って来た。
 光太郎は、早速、計画を立てた。最初に、寮の仲間とソウルに行き、ツアーが終るとそのままソウルに滞在して佳津枝を待ち、合流するともう一度ソウルを観光し福岡空港に戻る計画である。
 光太郎は、山野に「自分も行きたいが、帰りは別行動にしたい。」と言った。その方が、故郷に近いことを理由にした。
 計画を作ると、早速、パスポートの取得などの準備にかかった。
            −続く−







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