妖精の歌−17−
初夏にもかかわらず、東を山に遮られた西伊豆の夜明けは遅く、目が覚めたときには外はまだ薄暗く、カーテンが僅かに明るくなっているだけでした。気がつくと、美鈴が私の腕に頭を乗せ、寄り添うようにして静かな寝息をたてています。私は美鈴の目を覚まさせないようにしながら、その横顔に見入っています。 美鈴は、無邪気で素直でとても可愛い寝顔をしています。私は思わずその頬にキスをしたくなりますが、起こしてはいけないと思い止まります。しばらくの間、私は身動きもせず、じっと美鈴の寝顔を見ていました。 どのくらいたったでしょう、美鈴が僅かに体を動かしたかと思うと、そのつぶらな瞳をパッチリと開けました。 「おはよう。」と私が言うと、瞬間、キョトンとした顔をしています。私はすぐにその唇にキスをします。美鈴は、「ウッ」と言って驚いた様子でしたが、すぐに今の立場がわかったようで、私の背中に手を回して強く抱き締め、キスを返してくれます。彼女の柔らかい身体が私の体に密着します。 その快い感触に、私はすぐに元気になります。自分の体を美鈴の体に重ねて、強い抱擁とキスを続けます。唇を、美鈴の唇から頬、耳へと移し、ゆっくりと首筋から豊かな胸へと丁寧に愛撫していくと、寝起きの美鈴の体が次第に官能の世界に入っていきます。美鈴の口から悦びの声が漏れ始めます。朝の静寂の中美鈴の声は私の官能を余計に呼び覚ましました。 一晩ゆっくりと寝てすっかり元気になっている私は、若い美鈴の体にゆっくりと入って行き、その後は長い間激しい愛の行為を繰り返していました。 愛の行為の後で、私達は朝の温泉に入り、朝食です。このとき美鈴は薄くお化粧をして、一段ときれいになっています。軽い疲れの後の素敵な美鈴との朝食、私はいつになく食欲があり、ご飯のお代わりをします。美鈴が優しい手つきで私の茶碗にご飯をついでくれます。 朝食が終わって、しばらくの時間部屋でくつろいで、出発です。帰り道、道端の土産物屋に立ち寄ったり、花を売っている店に寄ったりします。そのまま元の道に戻り、修善寺道路を北上して行きます。昼時になるのですが、朝がゆっくりだったのでお腹はあまり空いていません。沼津に入ったころになると1時過ぎになり、レストランに入って軽くスパゲッティで昼食です。 その後、1時間ほど走って美鈴を家に送り届けます。私は、美鈴を抱き締めその唇にキスをして車から降ろしました。 私が再び車を発進させてバックミラーを見ると、美鈴はいつまでも大きく手を振っていました。 ―続く― |