朧月夜−10− 頃合いを見計らって、私は友紀の上になり、ひとつになった。今度は元気良く、結ばれることができた。私は元気を失わないように、大きく動きを続ける。友紀も、すぐに悦びの状態になり、腰を迎えるように動いてくれた。一度元気になると、こんどはお酒がいい方に作用して長続きする。元気な状態のまま、私はいつまでもいつまでも動いていた。そのことで友紀の官能はいよいよ高いところまで上り詰めて行った。 何十分が過ぎたのだろう、私は疲れも覚えず腰の律動を繰り返していた。やがて二人のリズムが一致して、その動きが大きくなったとき、大きな快楽とともに、同時に絶頂を迎えた。私はぐったりとして、友紀の身体に自分の身体を重ねた。しばらくそうしたままでいて、やがて元の静かさを取り戻す。 「ありがとう。とても、良かったよ。」 終わった後で、私が友紀にキスをしながら言う。 「私も。こんなに激しかったあなたは初めてだわ。」 友紀も、満足そうにそう言った。 その日、私は友紀のところに泊まった。私の腕の中の友紀も、満足そうな顔をして、静かに寝息を立てていた。 その後も、私は週に2回くらいの割合で友紀を訪ねていた。友紀もすっかり私に打ち解けてくれていたし、私も、次第にお金では割り切れない感情を持つようになっていた。 しかし、会う場所は友紀のマンションに限っていた。町では人目に付くおそれがあって、それは友紀のためにも、私のためにも良くないことから、外では会わないという約束になっていたのである。 ある日、私は友紀に電話をしないまま、マンションを訪れた。その日は行かない予定だったのだが、仕事の帰り際、急に、無性に友紀に会いたくなったのである。チャイムを鳴らして、玄関に入ると、女物の靴があった。大きさから見ても、友紀のものではない。しまったと思ったが、今更、帰る訳にもいかない。 「ごめんなさい。お客さんなのよ。学生時代の後輩で、この春卒業する予定なの。遠慮する必要はないわ。いっしょに話をしていったらいいわ。」 友紀が申し訳なさそうに言う。そのまま居間に入ると、若い女学生風の女の子が座っていた。 「私の彼なの。」 友紀が、私を紹介した。 ―続く― |