男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/01/29 4:52:35|小説「妖精の歌」
妖精の歌−01−
妖精の歌−01−
 
 その日は、朝から雨でした。間もなく梅雨入り宣言がされてもおかしくない時期のことです。前からメール交換をしていた美鈴から、和歌が届きました。そこには、こう書かれていました。

「空泳ぐ 雲に変わりて ふわふわと 君住む町に 辿り着けたら」

 まだ30歳にもならない美鈴と、50歳になろうとしている私のメール交換が続いているのも考えてみれば不思議なことです。メールフレンド紹介コーナーで知り合って、交換するメールの内容でお互いのフィーリングがピッタリ合って、こうして1年も続いているのです。私の方からは趣味で書いているエッセイを、美鈴からは日々のでき事や、ときおり和歌や俳句を送ってくれていました。人と人の心が結ばれるのに、年齢は関係ないようにも思います。最初はインスピレーションで近づいたとしても、その後お互いが理解し合おうとすれば、人間関係は深まって来るのです。この句を読んで、私の胸がなぜか騒ぎました。それは不思議な感情でした。大きく胸が騒ぐのです。それは句に感動したというより、句の内容、句から伝わって来る美鈴の心に感動し、恋心のようなものが急に芽生えたのでした。
 人と人の心が年齢差を超えるものであっても不思議はないのですが、それが男と女の間であったとすると事情は違って来ます。50歳、もう世の中のことを概ね知り尽くし、何があっても驚くこともなく、また感動する気持ちさえ失い掛けている年齢なのに、こんな胸騒ぎがする、それは自分にとっても信じられないような現象でした。
 そのときから、私はいても立ってもいられないような気持ちになっていました。美鈴はどんな人だろう、保育園で保母さんをしているというから優しくて子供好きなのだろうし、メールの内容からしてもきっと頭のいい人に違いないなどと考えますが、実際に会ったこともなければ写真さえ見たことがありません。
私は、空想が膨らむとともに、「一度でいいから会ってみたい。」と思うようになりました。
 思い込むと、居ても立ってもいられなくなるのが私の性格です。しかし、一方で躊躇がありました。私と美鈴の年齢差、しかも私は結婚しており、それに美鈴を女として意識しているという引け目です。もし会いたいなどというメールを送って美鈴に嫌われたらどうしようという気持ちもあり、しばらく私は悶々とした日々を送りました。そういう心の中の障害が大きければ大きいほど、会いたいという気持ちは募ります。
何日かそんな苦悶の日々を送り、とうとう自分の感情に勝てず、「美鈴さんに会いたい。」というメールを送りました。
                     ―続く―







2025/01/28 13:11:51|その他
ユダヤ人
 今日は、第二次世界大戦終了時にユダヤ人が強制収容所から解放された日で、ドイツでもその記念行事が行われていると報じています。
 ナチスによる悲劇は到底許すことはできませんが、しかしユダヤ人が悲劇の民族かと言えば、決してそうではなかったと思います。
 彼等は、古代ローマの時代からローマ人に打ち解けようとせず、ユダヤ教を固守していました。その後、世界に広がって行きましたが、そこでも商魂逞しく蓄財に励みました。地元に打ち解けようとせず、金儲けに走ったのです。今では、アメリカのロビー界に食い込んで、金の力を背景にイスラエルに有利なようにアメリカの政治を動かしています。
 ユダヤ人は、大戦後長い間住んでいたパレスチナの人々をその地から追い払って、イスラエルを建国しました。
 国際社会において正義が何かは難しい問題ですが、僕は決してユダヤ人を好きになれません。







2025/01/28 4:31:49|エッセイ
誤解
 六本木に勤務していた頃のことです。ある日の夕方、美人事務官のM子さんがオフィスの僕のところにやって来て、2人で話をしていました。そのときの彼女の表情は真剣で、ちょっと憂いを含んでいて、どっちかと言うと思い詰めているような感じでした。
 彼女が帰って行った後で、我々の様子を見ていた連中が言いました。
「課長、彼女の表情を見ましたか。彼女は、きっと課長のことを思い詰めているんですよ。課長も罪なことをしますねえ。」
 M子さんは独身です。僕も、その気になりました。
「ああ、罪なことをした。自分は女性に関心を持っているとは言え、妻子ある身である。彼女にそんな思いをさせてはいけない。」そう思いながら、悩みました。
 数日後、彼女に会ったときに、彼女の方から言いました。
「先日は、ごめんなさい。せっかく課長にお会いしながら、あんな憂鬱な顔をしていたなんて。私、あのとき親不知が疼いて痛くて仕方がなかったんです。」
 どうやら虫歯が疼いて我慢できない状態だったらしく、憂いを含んだ顔も、物思いに沈んだ表情も、みんな虫歯のせいだったのです。
 女性、特に美人の場合は、ちょっとした表情の変化でも、しばしば男に誤解を与えますので、気を付けましょう。







2025/01/26 7:41:18|その他
罪な泥棒
 宮崎市内に住むT子さんは、一人暮らしでリサイクル・ショップを経営していました。
 みんなで飲んでいるとき、彼女が言いました。
「わたし、泥棒に入られたの。二度も入られて、頭に来たわよ。」
泥棒に入られて被害が大きくて大変だったのだと思いました。
 すると彼女が続けました。
「古着なんかまた仕入れれば良いのだから盗られてもいいの。何が頭に来たって、泥棒は寝ているわたしには見向きもしないで枕を跨ぐようにして通り過ぎちゃったのよ。一人暮らしのこんないい女が寝ているのに、それを無視して跨いで通り過ぎるなんて冗談じゃないわよ。悔しいって、この上ないわ。」
話しながら、真剣に怒っています。
 この泥棒は、商品を盗んだうえに彼女のプライドまで傷つけてしまったのです。本当に罪な泥棒ですよねえ。







2025/01/25 13:33:00|男の手料理
肉豆腐
 山から下りて来て、今日も昼飲みです。アテは肉豆腐で、昨日畑で採って来た白菜をたっぷり入れました。白菜だけが贅沢な肉豆腐ですが、何となく心を豊かにしてくれます。
 飲んでいるのは、焼酎の中では一番好きな「霧島」です。