男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/01/25 5:32:26|エッセイ
別れ話の理由
 人は、涙話に弱いものです。詐欺師なども、しばしば自分の悲劇を訴えて金を引き出そうとします。
 KもYも、当時30代半ばで、居酒屋「隼」の客でした。あるとき、Yが、奥さんと離婚の危機に瀕していると、涙ながらに僕に語りました。僕は、同情しながら黙って話を聞いていました。しばらく話をして、彼等は先に店を出て行きました。
 それから30分ほどして、僕も店を出ました。通りに出てみると、2人が次々と町を歩いている女の子達に声を掛けてナンパしているではありませんか。こんな調子では、奥さんに別れ話を持ち出されても当然です。
 それ以降、何度か彼等に会いましたが、僕は彼等の話を真面目に聞かないことにしました。







2025/01/23 5:45:42|エッセイ
恋心
 婦人自衛官で人妻のI2尉が、言いました。
「私には、おばあちゃんがいました。おばあちゃんは、数年前に亡くなりましたが、亡くなる1年ほど前に、一人のおじいさんが娘さんと一緒におばあちゃんを訪ねて来ました。わざわざ兵庫県から熊本県の人吉まで来たのだといいます。
 おばあちゃんは、まだ若くして夫を失いました。そのとき、一人の男の人が、まだ若かったおばあちゃんに、結婚を申し込みました。おばあちゃんは、子供のこともあったので、その申し出を断りました。
 それから50年後に、おばあちゃんを訪ねて来たのは、そのとき結婚を申し込んだ人だったのです。本当の恋なんて、そんなことを言うのでしょうか。」
 僕は、その話を聞いて深く感勤しました。軽い恋の横行する今の世の中、長い間自分の思いを貫いたおじいさんの恋に生きる姿に感勤したのです。
 恋心は、幾つになっても失いたくないものです。







2025/01/22 3:23:25|エッセイ
ボーイハント
 昭和46年、まだ学生の1年生だった頃の夏のある日、大分から出て来た同期生と一緒に横須賀の海に遊びに行きました。夏の海岸は、海水浴客で賑わっています。当時は、ビキニの水着が流行っていて、随分と目の保養になったものです。
 二人でしばらく目の保養をしていると、むこうからスタイルの良いビキニの美人が僕達のすぐ前にやって来て、折り畳んであったゴムボートを広げ、足踏みポンプのホースを繋いで、ポンプを踏み始めました。ところがポンプが故障しているのか、ボートは一向に膨らむ気配がありません。彼女は、そんなことには一向に気にする様子もなく、ポンプを踏み続けています。
 30分も踏み続けていた頃、若い男がやって来て、彼女に声をかけました。そして何か話して、ゴムボートとポンプのホースをちょこちょこっと触ったと思うとすぐにボートは膨らみました。ボートが膨らむと、二人は海へは入らず、ボートを抱えてどこへともなく立ち去りました。
 田舎から出て来たばかりの僕達は、口をポカンと開けて、その様子を見ていました。







2025/01/22 3:21:24|エッセイ
ラブレター
 文章を書くのは難しいです。同じようなテーマの小説を読んでいても、読みやすいのと、読んでいて疲れるのがあります。
 学生の頃、同じ部屋にいた後輩のM君が僕のところにやって来て、1枚の紙を見せながら「手紙を書いているのですが、この文章のどっちが良いでしょうか?」と聞きました。
 見ると2つの文章が書いてありました。
ひとつには「雨の中、君が風邪をひかなかった心配です。」とあり、もうもうひとつには「雨の中、君に風邪をひかせなかったか心配です。」とありました。
 聞けば、先日雨の中でデートをして、彼女へのお礼文だと言います。僕は、後者の方が君の主体性があっていいよと答えました。
 彼は、そのことは百も承知で僕に聞いたのだと思いました。彼は、彼女もいなくていつも寂しそうにしている先輩の僕に、プライドを傷つけないように恋のテクニックを教えようとしていたのでした。







2025/01/20 6:24:52|エッセイ
大寒
 今日は、二十四節気のひとつ大寒です。
 暦には、「寒さの絶頂期で、極寒の辛苦に悩まされるが、ふきのとうが出始め春の足音が聞こえそうな季節」とありました。
 そうは言いながらも、比較的暖かい朝です。畑のふきのとうでも見て来ますかねえ。
 月曜日、良い一日をお過ごしください。