男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/02/07 6:19:50|小説「妖精の歌」
妖精の歌−11−
妖精の歌−11−

 ビールを飲み干すと、今度は日本酒にします。魚の造り物が出され、お酒と和風料理がピッタリと合います。お喋りをしている美鈴の頬がほんのりピンクに色づき、とても艶っぽく見えます。
「わたし、すぐに赤くなるでしょう。」
「ほんのり赤くなっているのが、とても魅力的だよ。」
「いやだ、恥ずかしいわ。」
日本酒は、酔いを早めるようです。この頃になると、美鈴も私も出会ったときの固さがすっかり溶けてきていました。
「今日は、ゆっくりできるの?」
気になっていた私が、美鈴に聞きます。
「ええ、中野にホテルを取っています。」
「じゃあ、ゆっくりして行っていいんだね。」
美鈴は、黙って頷きます。
「じゃあ、そのホテルの近くで飲み直さない?」
「いいわ。」
 私達は小料理屋を出て、タクシーに乗り中野に行き、一旦美鈴の泊まるホテルに行ってチェックインを済ませて、近くのスナックに入ります。
 土曜日のスナックは、空いていました。カウンターの中には初老のバーテンダーがいて、店には他に一組の客がいるだけでした。私達は、ウイスキーの水割りを頼み、ゆっくりと飲みます。
 しばらく飲んでいると、有線放送の音楽が流れてきます。
「踊ろうか。」
私が言います。美鈴は、黙って小さく頷きます。私は美鈴の手を引いてフロアに立ち、背中を抱くとゆっくりとステップを踏んでいきます。美鈴は頭を私の胸に預け、私は美鈴の背中に回した手で優しく力を入れて、二人はいつしか愛の世界の入り口に入り込んでいました。
 胸を合わせると、ワンピースの上から彼女の乳房に触れます。美鈴は、ビクッと身体を振るわせます。私は、彼女が既に昂っているのを感じました。
「ホテルに行こう!」
 私は、美鈴の耳元で小さくささやきました。美鈴も、私の肩に寄せた頭で小さく頷きました。
                ―続く―







2025/02/06 5:21:38|小説「妖精の歌」
妖精の歌−10−
妖精の歌−10−

 美鈴は、淡いブルーのワンピースを着ていて、前よりずっとずっときれいに見えました。
「やあ、会いたかったよ。」
「お元気そうですね。」
 私は、すぐに美鈴の手を取って、以前行ったことのあるちょっと品のいい小料理屋に連れて行きました。
「とてもきれいになったね。」
「あら、そんなこと。」
 美鈴は恥ずかしそうにそう言って俯きました。その仕草で私は、美鈴も、私のことを好きになってくれているんだということを確信しました。
「さあ、何を飲む?」
「私は、何でもいいです。あなたは?」
「私はビールにしよう。」
「じゃあ、私も。」
 美鈴は遠慮深そうにそう言います。料理をいくつか頼んで、ビールを飲みますが、最初に会ったときより二人とも無口で静かな雰囲気でした。
 ビールが出され、お互いにジョッキを持って乾杯します。
「講習、お疲れさま!」
私が、少し元気を取り戻して言います。
「久し振りの出会いに乾杯!」
美鈴も、笑顔でそう言ってくれます。
二人は揃ってビールを飲みます。
 お酒は、人の心を開放的にします。確かに私もお酒は好きなのですが、それは嗜好として好きというより、お酒の持つ雰囲気が好きなのです。仲間と楽しく飲む酒、一人嫌な思いを慰めるために飲むお酒、いろいろありますが、やはり一番いいお酒は美鈴のように好きになった人と楽しく飲むお酒です。美鈴は飲みながら今日の講習の話や、この前に会ったときから後にあったことなどを楽しそうに話してくれます。その話し方が、本当に生き生きとしていました。
 私は、笑顔で黙って聞き手に徹します。美鈴のお喋りを聞いているだけで楽しいのです。
 そのうちに料理が出されます。この小料理屋の料理は、新鮮な材料と料理にちょっとした工夫がされているので、けっこうおいしいのです。
「これ、とてもおいしいわ。」
 美鈴が、山菜の和え物に箸を付けながら言います。出汁を上手に使っているのでしょう、確かにおいしいのです。
               ―続く―







2025/02/05 3:38:56|小説「妖精の歌」
妖精の歌−09−
妖精の歌−09−

 それから数日、私は仕事も手につかないくらいでした。仕事中もボーッしていて、部下から「どうかしましたか」と聞かれるほどでしたし、車で走っていてぶつかりそうになったこともありました。毎日家に帰れば美鈴にメールを書きました。ところが、今までだと何でも書けたのですが、会ってからは書く内容に困るようになりました。
 会いたい、と思う気持ちは募るばかりですが、それを書くのも何か心に咎めるような気がしましたし、好きだと繰り返し書くのもいかにも不自然なような気がするのです。美鈴のことを大好きであることには違いないのですが、好きになれがなるほど、上手に書きたい、うまく表現したいという気持ちが強くなります。すると途端にキーボードに向かう手が重くなってしまうのです。回数は増えるものの、メールの文章は短いものになっていました。
 一方、美鈴からも毎日のようにメールは届いていましたが、それは生き生きとした文章でした。日々の楽しかったこととか、保育園であったことなどが簡単であるけど素直な表現で、端的に書かれています。
 文章を書くにも、性格やその人の心の状態が大きく影響するようです。自分でも、美鈴に会う前の方が自分の気持ちを正直に表現できたように思います。
 美鈴と会ってから何度も、また会いたいと思いますが、そう休暇ばかり取っているわけにもいきませんし、休日もなかなか都合がつきません。結婚前の息子を持ち、家庭に荒波を立てるわけにもいきません。私にとって、じっとパソコンに向かって美鈴からのメールを読み、また美鈴にメールを書いているときだけが一番幸せな時間でした。
 しかし一ケ月もすると、会いたいと思う気持ちがどうしても強まり、いよいよ居ても立ってもいられない気持ちになります。ある日のメールの最後に、私はとうとう「どうしても、また会いたい。」と書き加えました。
 美鈴からもすぐに返事が来て、「今度の土曜日、講習会があって東京に出て行くから、そのときに会いましょう。」と言ってくれました。美鈴から希望を与えられた私に、再び明るい日々が戻って来ました。日々の行動が活発になり、ちょっとしたことでも笑顔でいられるようになりました。
 男が女を、あるいは女が男を好きになることは、本当に不思議なことです。普通、町で出会っても何の感情も持たない男女が、好きになったということで、相手のすることが気になり、会えないだけで胸が苦しくなってしまうのです。
 美鈴が出て来る日がやって来ました。昼間は講習があるので、美鈴と会えるのは夕方です。私は昔の仲間が出て来て宴会があるからと言って家を出、美鈴と会う約束の新宿に出掛けて行きました。
                ―続く―







2025/02/04 5:07:08|小説「妖精の歌」
妖精の歌−08−
妖精の歌−08−

 美鈴と私は、一緒にベッドに倒れ込んで、そのまましっかりと抱き合ってキスをしました。激しいキスとともに、私は手で乳房を撫で、全身を愛撫します。私の手が秘密の部分に到達したとき、美鈴は体をビクリと震わせました。
 それでも秘密の部分への愛撫を緩めないでいると、美鈴は次第に全身を硬直させていきます。
 しばらく続けていると、「アーーーッ!」という喘ぎとともに、美鈴は最初の絶頂に達していました。それからすぐに彼女の全身の力が抜けて、グッタリとしていました。キスを続けながらもしばらく休んで、私はもう一度愛撫を繰り返します。今度はゆっくりと美鈴が燃えていきます。頃合いをみて美鈴とひとつになろうと試みるのですが、美鈴のそこはまだ十分に開発されておらず、私の物をスムースに受け入れてくれません。私は焦らずゆっくりと美鈴の中に入って行くことにしました。
 ちょっと無理をすると痛そうなので、いったん引き、またゆっくりと入っていきます。美鈴の潤いを上手に利用しながら、やっとのことでひとつになったとき、私は既に最高の快感に昇っていました。
 私は、ゆっくり、ゆっくりと動いていきました。美鈴の部分は、私の物をきっちりと締め付けてくれています。それがどんなに大きな快感を私に与えてくれたことでしょう。私は、数分もしないうちに絶頂に達して、思わず自分の迸りを美鈴のお腹に放っていました。
 こんなことは、ここ数年来、否、数十年来ないことでした。妻との間のセックスは義理程度にはしていましたが、そこからは決してそんな大きな快感を得ることはありません。青年時代のような興奮を覚えたのは、本当に何年ぶりのことだったでしょう。
 しばらく休んで、もう一度二人は体を交えます。このとき、やっとゆっくりと美鈴を愛撫し、普通に時間をかけたセックスをすることができました。このまま泊まって行きたい、そう思いましたが、美鈴も私も明日は仕事です。二人はモーテルを出て、駅に向かいました。
 駅で美鈴の車を降りるとき、私は、美鈴に言いました。
「また、会いたい。」
美鈴は、黙ったまま頷いていました。
 見送りに来た美鈴は、ホームに立って私を見送りました。彼女は笑顔ながらも、別れを惜しむように目に泪を浮かべていました。
 帰りの新幹線の中、私は美鈴のことで頭がいっぱいでした。窓からの景色を眺めていましたが、何も記憶に残っていません。今までメールのやり取りだけの付き合いだったのですが、実際に会い、しかも体を交えた今、私はすっかり美鈴の虜になっていました。
               ―続く―







2025/02/03 4:46:05|小説「妖精の歌」
妖精の歌−07−
妖精の歌−07−

 モーテルのガレージに入れた車を降りると、私が美鈴の手を引いて部屋に向かいました。部屋に入ると、すぐに美鈴を抱きしめてキスをしました。遊園地での身体の触れ合いで、二人とも十分に気持ちは昂っていたのです・美鈴のキスは少しぎこちなかったのですが、私が上手にリードするとすぐに唇と唇がピッタリと合い、お互いに強く吸い合います。
 私が舌を差し入れて、美鈴の口の中を混ぜ、舌を絡ませるようにすると、美鈴の口から喘ぎ声が聞こえます。二人は、全身をピッタリとくっつけていました。
「さあ、まずシャワーを浴びよう。今日は、疲れただろう。」
 そう言うと、美鈴のブラウスのボタンを外します。美鈴は、キスのせいか、半ば意識を失ったように立ちつくしています。ゆっくりとボタンを外してブラウスを脱がせると、今度はジーンズのホックを外して下ろしていきます。
 ブラジャーとパンティーだけの姿の美鈴が目に入ると、そのまま裸にするのが勿体ないような気になり、もう一度抱きしめてキスをします。美鈴をすっかり裸にすると、自分も着ている物を脱ぎ、美鈴の手を引いて浴室に誘います。
 私は、先に入って、シャワーのお湯の温度を調節し、適温になってから美鈴をシャワーのところに来させて、お湯をかけます。肩から胸、背中へとお湯をかけていきます。美鈴は、少し恥ずかしそうにしながらも、私のなすがままにさせてくれていました。
私はシャワーの蛇口を壁にかけて石けんを取ると、美鈴を座らせ、タオルに塗って背中を流します。背中を強くゴシゴシと擦ると、美鈴は背中を伸ばすようにして気持ち良さそうにしています。美鈴が気持ち良さそうにしてくれていることで、私はますます元気良く背中を流します。
 一通り背中を流したところで、悪戯心が湧きます。石けんで泡だらけの手を前に回して、美鈴のふくよかな胸に触ります。美鈴は一瞬、私の両手を掴みましたが、すぐに力を緩めます。それに勇気を得たように、私はゆっくりと美鈴のちょっとボリュームがあってしかも形良い乳房を撫でていきます。そして乳首を指先で摘むようにすると、美鈴が頭を仰け反らせて「アー!」と声を出します。
 私は、彼女の声を封じるようにキスをします。私は美鈴の後ろからゆっくりと乳房を揉み、背中にキスの雨を降らせます。美鈴は、次第に強く感じ始めてくれます。私は、美鈴を自分の方に向かせると、もう一度唇にキスをします。物覚えのいい美鈴は、今度は上手に情熱的なキスを返してくれました。
 二人はしっかりと抱き合い、情熱の炎を燃やしていきます。私は美鈴を立たせて、タオルで体を拭くと、手を引いて浴室を出ます。浴室を出たところで、美鈴を抱き上げベッドに運びました。
                     ―続く―