男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/02/12 5:14:01|小説「妖精の歌」
妖精の歌−16−
妖精の歌−16−

 お互いに乾杯して、夕食です。伊豆の新鮮な魚は、それはおいしいものでした。美味しい魚にはなれている美鈴も舌鼓を打っています。ビールが空になると、日本酒に変えます。美鈴が、私の猪口にお酒を注いでくれるのですが、浴衣の袖口から二の腕の白さがとても色っぽく見えます。そんな素敵な美鈴を、私は笑顔で眺めています。
 2時間ほど時間をかけてゆっくりとお酒を飲み、最後に食事をします。美鈴が、私の茶碗にご飯をついでくれます。食事を済ませたところで、私が海辺を散歩してみないかと誘いました。二人はホテルを出てすぐ下の海岸に降り立ちます。海辺は小さな砂浜があり、その後ろの岩場になっていて松が覆い被さるように繁っています。
 私達は小さな砂浜にお互いに背中に手を回して立ち、潮騒の音を聞いています。沖には、漁船の漁り火が見えています。柔らかい潮風が、二人を優しく撫でていきます。
 美鈴が、私の肩に頭を預けます。私達は、そうしているだけでとても幸せでした。やがてゆっくりと美鈴を引き寄せ、キスをします。柔らかい美鈴の唇に触れたとき、私には潮騒の音からも、沖の漁り火からも隔絶した二人だけの世界に入り込んでいました。
 部屋に戻り、潮を洗い落とすために二人でシャワーを浴びます。私は、美鈴の体を洗い、自分もお湯を浴びると、裸の美鈴をタオルでくるんで抱き上げ、そのままベッドに運び、強く抱き締めながら唇を重ねます。それから美鈴の体をゆっくりと愛撫して行きます。全身にキスの雨を降らせ、手で乳房、脇腹、脚と丹念に撫でていきます。いったん美鈴の全身を愛撫したところで、今度は美鈴が体を起こして横になった私の体を愛撫してくれます。唇にキスをしてから、胸、お腹へと徐々に唇を這わせ、手では私の物を優しく包んで、上下にしごくように動かします。私の物は、あっという間に固く大きくなっていました。
 私は我慢できずに体を起こし、美鈴の上にのしかかるようにしてひとつになります。美鈴の部分もすっかり潤っていて、私は激しく動きます。二人はあっという間に最初の絶頂を迎えていました。激しい愛の交わりで美鈴の濡れた額にほつれ毛が数本くっついていて、それがとても艶めかしく見えます。私は、そんな美鈴の額に思わずキスをしていました。
 その夜、私達は何度愛し合ったことでしょう。私は美鈴の魅力と、その若さにつられて何度も元気になり、美鈴の魅惑的な体に挑んでいました。何度かの愛の交わりが終わって、しばらくお互いの身体を愛撫し合っていましたが、やがていつしか二人とも深い眠りに落ちていました。
                ―続く―







2025/02/11 6:58:16|小説「妖精の歌」
妖精の歌−15−
妖精の歌−15−

 私は、一号線を上って行き、沼津から右に折れ南に下って行きます。そのまま修善寺道路を下って下田街道に差し掛かります。
 天城峠に差し掛かるとき、浄蓮の滝に寄りました。石川さゆりの唄「天城越え」にあるこの滝は、さほど大きくはないのですが、唄から女の情念を連想させます。私達はそれぞれの想いを胸に秘めながら、しばしの間、じっと流れ落ちる滝に見入っていました。
 やがて再び車を走らせ、下田の町で遅い昼食を取り、石廊崎に寄って灯台からの景色を楽しみます。そのままマーガレット・ラインを走り、西伊豆にと入って行きます。西伊豆は、東伊豆とは随分景色が違って、ローカル色豊かな景色になってきます。同じ伊豆でも、こうも雰囲気が違うものかと驚かされます。
 私達がその日泊まる予定の堂ヶ島温泉に着いたときには、初夏の太陽はまだ西の海のかなり高いところにありました。 私達は、早速ホテルにチェックインします。
名前を書くとき、私は自分の名前を書き、その横の欄に美鈴と書き添えておきました。
 早速、部屋に入ります。窓からは波も静かな相模湾が見えています。私達は窓辺に寄り添って立ち、海を見つめます。遠くに貨物船が、近くにはこれから漁に向かうのであろう漁船が数隻沖に向かって走っています。この静かな光景が、私達の幸せの象徴のようでもありました。
 私は、美鈴をそっと抱き寄せ、その可愛い唇にキスをします。時間がたっぷりあります。私達は、しばらく抱擁とキスを続けていました。それから浴衣に着替えて、それぞれ温泉に入ります。ホテルの最上階にある温泉からは、西に沈もうとする真っ赤な夕陽が海の上を越えて浴室を照らしていました。私は、美鈴といっしょに来た幸せを十分に噛みしめていました。
 温泉から出ると、夕食までに少し時間があります。私達は、窓辺の椅子に向かい合って座りくつろぎます。私が冷蔵庫からビールを取り出し、二人のグラスに注ぎ、ひとつを美鈴に渡します。
「お風呂上がりの美鈴さん、とてもきれいだよ。」
「あらっ、お化粧もしていないのに。」
「その方が素敵だよ。とてもきれいだ。」
そんな会話を交わしながら、ビールを飲みます。
 仲居が部屋をノックして、夕食の時間になったことを告げます。私達は、レストランに行き、窓辺の席に座ります。
 料理が運ばれると、美鈴が、「今日も一日お疲れさまでした。さあ、どうぞ。」と言ってビールを取り、私のグラスに注いでくれます。
「ありがとう。」
 私がビール瓶を取り、美鈴のグラスに注ぎました。
                ―続く―







2025/02/10 20:56:48|小説「妖精の歌」
妖精の歌−14−
妖精の歌−14−

 私は、切々とした想いをメールで美鈴に伝えます。しかしなかなか上手に表現できません。それで思い余って、小説形式で書いて美鈴に送り続けていました。
 その後も私はどうすれば美鈴に会えるだろうかと、考え続けていました。そんなある日、妻が、今度海外旅行に行きたいと言いました。友達と一緒に香港に行くと言うのです。
  私は、すぐにそのことを美鈴に伝え、そのときに会えないだろうかと相談しました。
早速、美鈴から返事が来て、何とか都合をつけたいと書いてありました。それはまだ一月先のことですが、私の胸は躍っていました。このときから、私の気持ちは再び明るくなっていました。
 人間は、本当に不思議です。美鈴を知る前は、こんなに感情の起伏を覚えたことはありませんでした。この年齢になって、物事に無感動になってしまうのは自然のことかもしれません。しかし、美鈴という女性を知ってからは、小さなことで喜んだり、あるいは悲しんだりして、まるで少年のような気持ちです。会えないとなると寂しく、会えるとわかると楽しい気持ちになるのです。私のそんな気持ちは、日々の生活態度にも表れるようで、社員の女の子達からよく「課長、何かあったのですか。」と聞かれたりしました。それでも家庭においては、なるべく態度には表さないようにしていました。
 約束の日、私は二人でどこに行こうかといろいろ思案をします。勿論、美鈴にも、どこがいいだろうかと相談します。相談の結果、結局、二人は週末に一泊で西伊豆に行くことにしました。私が中央高速を走って美鈴を迎え、そこから一緒に伊豆に向かうのです。
 約束の土曜日が来ました。私は遠足の日の幼稚園児のように、朝早く目を覚ましました。日が出たばかりでまだ十分に早いのですが、少しでも美鈴の近くに行っておきたい、そんな気持ちから車を走らせます。東名高速を降りて、美鈴と出会う約束の新富士駅に着いたときは、まだ1時間も前でした。私は、そこで車を停め、中で一寝入りして時間を待ちます。約束の時間10時ピッタリに美鈴はやって来ました。遠くから美鈴を見つけた私は、クラクションを鳴らして合図します。すぐに気がついた美鈴は、大きく手を振りながら走ってやって来ました。
「やあ!おはよう。」
「お待ちになりまして?」
「うん、ちょっと早く着いてね。」
 一か月振りの再会に、二人ともとても嬉しい気持ちを抑えられません。美鈴が、スカートの裾を翻しながら車に乗り込みました。
                     ―続く―







2025/02/09 5:22:47|小説「妖精の歌」
妖精の歌−13−
妖精の歌−13−

 私がベッドに座って冷蔵庫から取り出したビールを飲んでいると、バスタオルを纏った美鈴が出て来て、私の横に腰掛けます。私は、もうひとつのグラスを美鈴に渡してビールを注ぎました。
 二人でビールを飲み干してグラスを置くと、私は美鈴の手を取り引き寄せます。美鈴の身体が、勢い良く私の腕の中に飛び込んできます。私はしっかりと美鈴を抱き、キスをします。熱い抱擁と口づけは、いつしか激しい愛撫から、愛の行為へと進んで行きました。
 その夜の短い時間の間に、私は二度も美鈴と激しい愛の行為を繰り返していました。二度目が終わった後でしばらくまどろんで、ふと時計を見ると11時を回っています。このまま一緒に一夜を過ごしたいという強烈な欲望に駆られますが、もしそうなると家に帰って一波乱あるでしょう。私は美鈴と別れなければならないようなことはしたくない、そんな想いから敢えて言いました。
「もう、帰らなくては。」
 美鈴は、ちょっと寂しそうな顔をしましたが、私の想いを悟ったのでしょう、軽く頷きました。私は、ベッドから出ようとする美鈴を押し止め、一人ベッドから出て衣服を身に着けます。そしてベッドの美鈴にキスをすると、「また、会おう。」と言って部屋を出て行きました。
 帰りの電車の中、この次にどうすればまた美鈴と会えるだろう、そのことばかりを考えていました。翌日から、あのとき私が美鈴をそのままホテルに置いて来たことで深い後悔の念に悩まされていました。別れ際の美鈴の寂しそうな顔を見たとき、一緒に一晩過ごすべきだったと思うのです。
 しかし、一方で、あれで良かったんだという気持ちもありました。もしそのまま泊まれば、嘘の下手な私はきっと妻に責められ疑われてしまうでしょう。そうなると、美鈴と会うことすらできなくなってしまいます。
二度目に会ってから、益々、私の美鈴に対する思いは益々深まって来ました。切ないというか、会っていないことに対する不安感というか、とにかくじっとしていられない心境なのです。
 美鈴もまた、そんな思いをメールで書いて寄越しましたし、時々、歌にして送ってくれました。

 紫陽花の 心変わりを恐れつつ 雨は止めども 想いはやまず
                      
 この歌は、美鈴が仙台に旅しているときに送ってくれたものですが、美鈴の気持ちが見事に、しかも素直に表現されています。こんな歌が、私の美鈴に対する思いを更に深いものにしていました。
              ―続く―







2025/02/08 5:42:24|小説「妖精の歌」
妖精の歌−12−
妖精の歌−12−

 私はグラスのウイスキーを飲み干すと、美鈴の肩を抱くようにして店を出ました。二人は手を繋いで、彼女が泊まっているホテルに向かいます。美鈴がフロントでキーを受け取っている間、私はエレベーターの前で待っています。
彼女の部屋は最上階の8階、窓辺に寄ると新宿の灯りがきれいに見えます。
窓辺に駆け寄った美鈴がカーテンを開け、「ねえ、とてもきれい。来てみて!」と、嬉しそうに叫びます。私も美鈴の横に立って、夜景に見とれます。私は美鈴の肩を抱き、美鈴も私の肩に頭を寄せてじっと外を眺めていました。
 私は、美鈴への想いが次第に抑制できなくなり、肩を抱いている手に力を入れて私の方に向けさせると、そっと抱き寄せてキスをします。最初、軽く触れていた唇と唇が次第に強く合わされ、濃厚なキスへと変わる頃には、お互いしっかりと抱き締めあっていました。
「汗を流そう。」
 私が言い、美鈴の背中に手を回すとワンピースのボタンを外します。ワンピースがふわりと床に落ちます。白い胸が私の目を刺激します。私は、胸の谷間に思わずキスをしました。美鈴が下着をとっている間に私も着ている物を脱ぎ、いっしょに浴室へと入ります。
 浴槽にお湯を張っている間、私は美鈴を椅子に座らせて、背中を流します。
「今日は、疲れたんだろう。」
 そう言いながら、背中をゴシゴシと洗っていきます。美鈴は、気持ちよさそうにしています。後ろから見る美鈴のうなじは、白くてとても色っぽく私の目を刺激します。私は思わず、そこに口づけをします。
しばらく背中を流していると、美鈴が「今度は、私が流してあげるわ。」と言い、私から泡のついたタオルを取り、背中に回ります。美鈴は上手に私の背中を流してくれます。力はないけど、優しく丁寧に洗ってくれています。そのうちにお湯が溜まり、二人は石鹸を落としていっしょに浴槽に入ります。私が先に入り、美鈴が入って来ると彼女を引き寄せ、膝の上に座らせるようにしました。
 私は後ろから美鈴を抱きしめるようにして、うなじや背中にキスを繰り返し、手で乳房を優しく撫でます。美鈴は次第に感じて来ているようでした。そんな様子に私も興奮を覚え私の物がピクピクと美鈴のお尻を突き上げるようにしていました。
 お湯のせいか、美鈴の魅力のせいか、私は熱さでのぼせそうになり、浴槽から出て身体を拭きます。先に私が浴槽から出て、美鈴が出て来るのを待ちました。
              ―続く―