男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2021/04/17 5:03:11|小説「遅かった春」
遅かった春−22−
遅かった春−22−
 
 光治は、通信教育の道を選んだ。仕事が始まった時、通学できる保証がないからである。教材が送られて来ると、よく勉強をした。沙千恵が仕事から帰って来ても、テーブルに広げた教科書を広げていることがあったし、夜、沙千恵が寝た後にも勉強していることが多い。
 ある日の昼休み、沙千恵の携帯に光治からのメールが入った。内容は、「就職が決まった。詳しいことは帰って来てから話す。」というものだった。
沙千恵は、残業を断って、急いで帰宅した。光治は、仕事先は、アパートからそう遠くない電子部品を作っている小さな町工場で、最初に仕事を覚えるのが大変だが、今は景気も良いのだと言った。翌日、沙千恵は仕事の帰りにスーパーに寄って買い物をし、ささやかながらご馳走を作って就職が決まったお祝いをした。
 仕事が始まると、光治は忙しくなった。残業も多かったし、仕事も通信教育の勉強もしなければならない。沙千恵が一人で先にベッドに入ることが多かった。セックスの悦びを知った沙千恵には、それが不満に思えることもあったが、自分との結婚のために頑張っているのだと思うと寝室に誘うのを我慢した。 寝ながら沙千恵は考えた。光治が高校で今までに取った単位を証明して貰っても、通信教育に最低あと2年はかかる。そうすると自分は35歳になってしまう。それまで待てるだろうか。結婚しても、光治の勉強は続けられる・・・・・
しかし、いつも一生懸命勉強をしている光治を見ると、なかなかそれを言うきっかけがなかなか掴めない。
 沙千恵は、加代子に相談してみることにした。
「ねえ、私、光治と結婚した方がいいと思うんだけど、どう思う?」
今の状況を話した後で、沙千恵は加代子に聞いた。ここはいつもの居酒屋である。
「そうねえ、お姉さんももう33歳だものねえ。ご両親だって、焦っているんじゃない。」
「そうなのよ。最近でこそあまり言わなくなったけど、心の中ではそうに違いないのよ。」
「籍だけでも入れちゃえば。そうすればご両親だって安心するわ。」
「そうねえ。」
「ところで、彼と同棲していること、両親には話してあるの?」
「いえ、まだ何も・・・・・」
「じゃあ、早く言っておいた方がいいわよ。付き合っている人がいるくらいのことはね。ご両親だって心の準備が必要だわ。」
「そうね。」
「いきなり同棲しているなんて言ったら、お父さん卒倒するかも知れないわよ。」
「そうねえ・・・・・」
 次の日、沙千恵は両親に手紙を書いた。電話で話していろいろ聞かれるより、手紙の方が良いと思ったからである。同棲していることは書かず、好きな人がいて結婚を意識しながら交際しているのだと書いた。
 3日後、母親から電話があった。そんな人が見つかって良かった、お父さんもあなたがなかなか結婚しないので心配していたのだなどと言い、どんな人だとか、歳はいくつだとか聞いたが、沙千恵はまだ結婚すると決めたわけではないからと返事をはぐらかせていた。その後で、母親が行った。
「お父さんが、一度あなたのアパートに行きたいんですって。そのときに、あなたからいろいろ話を聞きたいって言っていたわ。」
沙千恵は、瞬間、何と返事をして良いかわからなかった。
                   −続く−







2021/04/16 5:16:56|小説「遅かった春」
遅かった春−21−
遅かった春−21−
 
 沙千恵が言った。
「私、あんたを好きよ。」
「俺だって、寂しかったんだ。沙千恵が、誰かと遊んでいるんじゃないと気になって仕方がなかったんだよ。」
「妬いていたの。今日は、加代子と飲んでいたのよ。OLの後輩なの。でも、嬉しい。あんたが妬いてくれるなんて。」
そう言うと、寝ている光治に抱きついてキスをした。
光治も、沙千恵を抱き寄せると、荒々しくパジャマを脱がせた。沙千恵は、光治のなすがままにさせた。沙千恵を裸にすると、光治はその身体に挑んで行った。
 終ると、沙千恵が「あっちで一緒に寝ましょう。」と言って、二人はベッドに入り、手を握り合って寝た。 翌日、二人は光治用の携帯電話を買いに行った。
 沙千恵は、昨日加代子に光治と結婚しても良いと思っていると言ったことについて考えていた。光治は優しい。ずっと一人でアパート暮らしをしていた沙千恵にとって、光治は大きな癒しだったし、今やいなくてはならない存在にさえ思える。しかし結婚には、2つの障害がある。光治が定職を持っていないことと、8歳も年下であることである。これを両親に話したら何と言うか、答えは明らかのような気がした。
 男の兄弟はあるが、女の子は一人である。父親は、沙千恵を可愛がってくれた。33歳になる今も独身でいることは気を病んでいるようだったが、まだ良い結婚をするものだと期待しているようである。そんな父親に8歳年下の無職の彼と結婚したいなどとは、とても言い出せない。年の差はどうしようもないが、就職の方は何とかしなければならない。
 ある日、沙千恵が言った。
「ねえ、私達、ずっとこのままでいるわけにもいかないわね。」
「・・・・・」
光治は、出て行けと言われるのではないかと思い、返事ができなかった。
「結婚しましょうよ。」
「えっ!」
「あなただって、私を好いてくれているんでしょう。」
「うん、そりゃ、そうだけど。」
「だったら、いいんじゃない。」
「うん、でも・・・・・」
「でも、何なの?」
「俺、そんな勇気がないよ。」
「どういうこと?」
「おれ、高校中退だし、仕事もないし・・・・・」
「高校だったら、定時制だって、通信教育だってあるわ。仕事は探さなくちゃいけないけどね。」
「う〜ん・・・・・」
「ネッ、結婚しましょうよ。私、あなたと暮らすようになって、本当に幸せなのよ。」
「うん。俺、やってみるよ。うまく行ったら、結婚しよう。」
その返事を聞くと、沙千恵は光治に抱きついた。
                  −続く−







2021/04/15 5:40:34|小説「遅かった春」
遅かった春−20−
遅かった春−20−
 
 「そうね、結婚しても良いと思っているの。」
ちょっと考えた後で、沙千恵は言った。
「実は、今、同棲しているのよ。」
「エッ、それで毎日帰りが早かったのね。いつ、どこで知り合ったの?」
「もうひと月ほど前になるわ。アパートの近くの飲み屋さんでよ。」
さすがに自分の家に空き巣に入った男だなどだとは言えなかった。
その後も加代子は根掘り葉掘り聞いた。沙千恵は、今まで加代子の話ばかり聞かされていたので、このときとばかりにセックスのテクニックや、最近になって女の悦びを知ったことなどを話した。しかし、光治についての詳しいことだけは話さなかった。
 1時間もすると、沙千恵が落ち着かなくなった。今頃は、光治が待っているはずである。
「帰りましょう。彼が待っているの。」
そわそわしていた沙千恵がやっと言った。
 アパートに帰ると、光治が夕食を作って待っていた。
「ごめん、ごめん。遅くなって。」
「残業だったの?」
「いえ、友達に誘われて、断われなくてちょっと飲んで来たの。」
「なんだ、そうか・・・・」
途端に光治の顔が不機嫌になった。光治がこんな不機嫌な顔をしたのは初めてだった。その顔を見た沙千恵はムッとして言った。
「私にだって都合があるわ。」
「朝、一言言えば良いのに。」
「だって、急に誘われたのよ。」
「明日にしてくれって言えば良いじゃないか。」
「今まで、何回も断って来たのよ。そう何度も何度も断れないわよ。」
そう言うと、沙千恵は夕食も食べずにシャワールームに入って行った。
「ご飯は食べないのかい。」
シャワーから出て来たとき光治が言ったが、沙千恵は「いらない、食べて来た。」と言って真っすぐ寝室に入って、ピシャリと襖を閉めた。
 光治は、自分の分を食べると、テーブルを片付けて、押入れから布団を引っ張りだすとダイニングの床に寝た。沙千恵も光治も眠れなかった。お互いが、相手の息づかいと聞き、寝返りを打つ音を聞いていた。1時間ほどそうしていたが、沙千恵はベッドから出ると光治のところに行った。
「ごめん、私が悪かったわ。」
光治は拗ねたように後ろを向いた。
「あなたに連絡しなければと思ったけど、方法がなかったのよ。」
「・・・・・」
「せっかく夕食を作って待ててくれたのに。」
「ねえ、怒っているの?」
「俺、ずっと心配しながら待っていたんだよ。」
「だから、ごめん。」
やっと光治が沙千恵の方を向いた。
                     −続く−







2021/04/14 5:49:24|小説「遅かった春」
遅かった春−19−
遅かった春−19−
 
 ふと沙千恵が光治の股間に目をやると、そこはパジャマの下で大きく膨らんでいた。それを見た沙千恵が言った。
「ねえ、私のおっぱいを吸ってみる?」
「エッ!」
「ネッ、赤ちゃんのときお母さんのを飲んだことがあるでしょう。あのとおりで良いのよ。」
「はい。」
光治は、唇を乳首に這わせた。
沙千恵が、悦びの声を出した。
「上手よ、光治ってとても可愛い。」
そう言って、光治のパジャマの上着を脱がせると、抱きついて行った。
 二人がひとつに結ばれたのは、それから30分後だった。光治も沙千恵も初めての経験だったので不器用なセックスだったが、それでも二人は満ち足りていた。終った後も、しばらく二人は抱き合っていた。
 その日から、二人は同じベッドで寝るようになった。二人が寝るにしてはちょっと狭かったが、そんなことは気にならなかった。
 二人は、毎日のように身体を交えた。沙千恵は、本屋に行ってセックスの手引き本を買い、二人で読んだ。本を読みながら、それぞれのテクニックを実際に試してみた。最初は興奮だけのセックスだったのが、次第に快楽を伴うものへと変化して行った。
 「ねえ、最近付き合いが悪いけど、何かあったの?」
会社の昼休み、加代子が沙千恵に聞いた。
「ええ、ちょっとね。」
「でも、今日は逃がさないわよ。帰りに行きましょう!」
今まで何度も断っているので、さすがに沙千恵も断れなかった。光治に連絡したいが、連絡方法がない。家には電話を置いていないし、光治は携帯を持っていなかった。仕方なく、そのまま加代子と飲みに行った。
「ねえ、最近の先輩、変だわ。やけに嬉しそうにニヤニヤしたり、一人で宙を見つめたり。」
「実は、好きな人ができたの。」
最初は光治とのことは喋らないつもりでいたのだが、話したい誘惑に勝てなかった。
「どんな人?」
「とても優しい人だわ。」
「ふ〜ん、今度こそ本物?」
「そうよ、セックスも上手なの。」
「そう、良かったわね。」
「で、いくつくらいの人? 何をしている人なの?」
「うん、年下で、今はパートをしながら仕事を探しているの。」
「結婚するつもりなの?」
そう聞かれたとき、沙千恵は何と答えようかと迷った。
                         −続く−







2021/04/13 6:07:35|小説「遅かった春」
遅かった春−18−
遅かった春−18−
 
 光治は素直だった。沙千恵の言うことをよくきいたし、何か頼んでもこまめに働いた。元々一人暮らしをしていたこともあって、料理なども上手だった。沙千恵を姉のように思っているのか、沙千恵に女を意識しているような素振りは見せない。光治は、気は弱いけど、決して不器用でも頭が悪いわけでもなかった。台所での手際は良かったし、掃除も沙千恵よりよほど器用にこなした。
 昼間は、沙千恵は会社に行き、光治はハローワークに通った。1週間ほどしたとき、光治は近所のコンビニにパートで行くことになった。面接に行くとき、沙千恵が一緒に行って会社の身分証を見せて、私が保証すると言ったのが、功を奏したのだった。
 沙千恵が帰って来ると、部屋は掃除と整頓がされており、洗濯もしてあった。最初は、自分の下着まで洗濯してあったことに抵抗も感じたが、それもすぐに平気になった。光治がいるようになって、沙千恵は仕事が終ると急いで帰るようになった。何度か加代子が飲みましょうと誘ったが、それも断った。
 ある日、仕事から帰って食事、シャワーを終えた沙千恵が首を回していたのを見た光治が「肩が凝っているの?揉んであげましょうか。」と言った。
沙千恵はパジャマのままでベッドにうつ伏せに横たわり、光治が背中に馬乗りになって肩を揉む。光治の按摩は上手で、心地良かった。
「上手なのね。とても気持ちいいわ。」
「子供のころ、お爺ちゃんやおばあちゃんの肩を揉んだことがあるんだ。」
そのとき、沙千恵は光治の物が自分の背中に固い感じで当たるのを感じていた。
「ちょっと腰を上げて!」
沙千恵は、そう言うと、身体を反転させて仰向けになった。
「ねえ、こっちも揉んで。」と言い、自分の胸を両手で抱えた。
光治は一瞬目をパチリとさせたが、すぐにその意味を理解したのか、おずおずと手を沙千恵の大きめの胸に置いた。その手の動きは不器用だった。力を入れたので、沙千恵は「痛い!」と声をあげた。
「優しくね!」
「はい。」
光治は、言われるとおり力を抜くと優しく撫でた。しばらくそうしていたが、やがて沙千恵が「パジャマが邪魔だわね。」と言って、上体を起こしてパジャマの上着を脱いだ。光治はゴクリと唾を呑んだ。
「今度は、もっともっと優しく、ネッ。」
「はい。」
光治は、手のひら全体で沙千恵の乳房を包むようにして揉んでいる。
「ネッ、乳首を指で摘むようにして! そっと優しくよ。」
「はい・・・・・」
光治は、言われるままに乳首を優しく揉んだ。
                    −続く−







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