男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2021/06/13 7:14:53|エッセイ
犬と男
 僕の床屋は1,100円、先日聞いたら犬の床屋が1万円だと言っていました。







2021/06/13 5:17:30|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−06−
晩秋の歌−06−
 
 試合形式のゲームに入ると、彼女はなかなかの動きを見せた。女性だから力はないものの、こっちの動きを冷静に判断してボールを返してくる。ゲームは、実力トントンといった感じだった。30分ほどゲームをして、ベンチで休憩をした。
「美紀さんは、随分上手ですね。どこで習ったのですか。」
「別れた夫がテニスをしていたものですから、随分前のことですがスクールに通いました。」
「どおりでフォームがきれいなはずだ。僕のは我流だからいけない。」
「そんなことはありませんわ。ストロークがとても力強いですもの。」
 その後、何回かゲームをしてテニスコートを引き上げ、私の家に向かった。
 家に着くと、彼女にシャワーを勧めた。その間、私は鍋の準備をした。シャワールームから出て来た彼女は、スカートにピンクのセーター姿だった。私は、交代でシャワーを浴びると、早速ビールで乾杯をした。
 鍋は水炊きである。その他にも、生ハムや刺身などいくつか酒の肴になるようなものを準備しておいた。前に聞いていたとおり、彼女は食べ物や飲み物の好き嫌いはないようだった。水炊きを美味しそうに食べ、ビールはゆっくりと飲んでいる。
 二人きりで飲みながらのお喋りは楽しかった。
「美紀さんは、食べ方が上品ですね。」
「あらっ、そうでしょうか。子供の頃から、母にうるさくは言われましたの。」
「こうして食べてもらえると、こんな物でも美味しそうに思える。」
「いえ、美味しいですわ。私、一人暮らしですから、なかなか鍋を食べることなどないんです。」
「そうですね、僕も美紀さんがいてくれるから、とても美味しいです。」
「そうですね。食事は、どんなに美味しい物を食べるかより、誰と食べるかですわね。」
「ほんとにそうですね。いつも一人なので、実感します。それに、美紀さんのようなきれいな人が一緒なら、特に美味しく感じます。」
「あらっ、光栄ですわ。」
彼女は、そう言って素直にほほ笑んだ。
 30分もすると、彼女の頬がほんのりピン色になってきていた。運動後の渇きが落ち着いたので、日本酒にすることにした。彼女は、細身のわりにはよく食べた。食べても太らない体質なのだろう。日本酒にかえても、彼女はビールと同じペースで飲んでいた。
 食べている彼女を見ていると、食べている唇が実に艶めかしい。私は、ふと性的欲望を覚えた。こうして二人きりになるのだから、彼女を誘って拒むとも思えない。しかし、それは食事が終わってからである。それから私は酒を飲むペースを抑えた。いざとなったとき、役に立たなくなったら困るからである。
                 ―続く―







2021/06/12 5:32:15|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−05−
晩秋の歌−05−
 
 美紀は、ゆっくりと飲みながら、食事をしていた。箸やグラスを扱う仕草がいかにも上品だった。ゆっくりと食べ物や飲み物を口に運んでいる。酒も、最初は強いのか弱いのかわからなかった。ビールさえも、ゆっくり少しずつ飲んでいる。それからしばらくして、日本酒になった。しかし日本酒さえも、ビールと同じペースで飲んでいる。僅かに頬がピンク色になっているが、言葉も態度も実にしっかりしていた。
 お酒と共に、美紀と私の晩餐は進んだ。梅さんは、黙々と料理や酒を運んでいる。
私は、彼女の猪口が空くと酒を注いだ。彼女は、ときどき気が付いたように私の猪口に酒を注ぐ。細かいところに気が付くといった感じではないが、親切であることはよくわかる。
 話は、とりとめのないことが多かった。美紀の方はそうでもないようだが、私は梅さんの存在が気になった。美紀にしてみれば長い間の二人暮らしでしかも召使であるが、私にしてみれば他人で、しかも一個の人格を持った人間だった。本当はもっと立ち入った話もしたかったのだが、それは憚られた。それでも、趣味でテニスをしていることがわかり、共通の話題が見つかった。
 その日は、結局3時間ほど食事をして、私は家に帰った。帰るとすぐにお礼のメールを入れた。そして最後に、次回はうちに来ませんかと付け加えた。彼女からは、来てくれたことに対する感謝と次回を楽しみにしている旨の返事が届いた。
 翌日から、彼女とのメール交換が続いた。彼女も、こまめにメールを寄越した。日々あったこと、あるいは身の上のことなどをお互いに書いた。彼女の家では、梅さんがいるので話せなかったことも、メールであれば誰憚ることもなかった。私は、聞きたいことが聞けたし、また彼女に好意を持っていることも自由に書けた。彼女も、私に好意を持っていると書いてくれた。
 彼女は、平日の夕方には子供達にピアノを、週末には若い女性達に生け花を教えていて、それは生活の足しにもなれば、時間を有効に使うことにも役立っていると言った。テニスのお手合わせをお願いしたいと言うと、しばらくしていないので心配だが、やってみたいと言う。私が、テニスをした後、我が家で夕食はどうかと提案すると、すぐにいいですねと言って来た。
 結局、彼女のピアノのレッスンがない日に私は休みを取ることにし、市営のテニスコートを予約した。私は、料理が得意でなかったので、鍋にすることにし、前日に野菜や肉、魚などを買って来ておいた。
 当日、私は車で彼女を迎えに行った。彼女は、テニスウエアで待っていた。コートに着くと、早速軽い練習をする。最初は、二人ともぎこちないラケット捌きだったが、すぐに感覚を取り戻して行った。
                 ―続く―







2021/06/11 4:31:32|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−04−
晩秋の歌−04−
 
 美紀が老婆を紹介した。
「ばあやの、梅さんです。私が小さい頃から面倒を見てくれていますの。」
「三橋です。お世話になります。」
私は、梅という女中に簡単な挨拶をした。梅さんは、黙って奥に引っ込んでいった。
 テーブルには、既に皿やグラスなどが並べられていた。私達が席に着くと、すぐに梅さんがビールと料理を運んで来た。
「これは、お嬢さんがお作りになったんですよ。」
梅さんは、そう言いながらテーブルに料理を並べていく。吸い物、刺身、魚の煮つけ、季節の野菜の煮物など日本食を中心としたものが次々と出された。
「昨日は、ありがとうございました。サッ、乾杯しましょう。」
美紀の言葉に、私はグラスを手にした。
「ご招待、ありがとうございます。」
しかし、私は気後れしていた。広い屋敷、家政婦の存在、およそ私とは違う生活なのである。梅さんがいなければ、もうちょっとリラックスできたのだろうが、どうしてもかしこまらなければならない雰囲気だった。そんな私の気持ちを察したのか、彼女が言った。
「ばあやのことなら心配なさらなくても良いんですよ。彼女は、決して私達のことを気にしていませんから。高校生の頃、ボーイフレンドを連れて来ても、厳しかった親に言わなかったくらいですから、私が一番信頼できる人なのです。」
 私も美紀も、飲みながらの食事をした。料理は美味しかった。見た目はシンプルだが、出汁が十分にきいている。喉を通った後から、うまみが感じられる。
「これは、美味しい。プロ並みの料理ですねえ。本当に美紀さんが作ったのですか。」
「もちろんですとも。私がお手伝いしましょうかと言っても、させていただけなかったんですよ。」
今まで無口だった梅さんが、突然本気で美紀を庇うのが、ちょっと滑稽なくらいだった。
 私は、料理に舌鼓を打った。テーブルが大きいので、彼女のグラスにビールを注ごうとすると手が届かない。立ち上がって彼女のグラスにビールを注いだ。彼女は、私の動作にちょっと驚いたようだったが、すぐにグラスにビールを受けると、梅さんを呼んだ。
「御用でしょうか?」
「ええ、三橋さんに、私の隣に座っていただきますから、テーブルの物をこちらに運んでください。」
梅さんは、すぐに私の皿やグラスを移し始めた。しかし私はどうして良いかわからず、自分の椅子に座っていた。
「ねえ、こちらにいらしてください。その方が、ビールを注いで差し上げるのに便利ですから。」
 彼女は、そう言って私の方に微笑んだ。私は、彼女の隣に席を移った。
                 ―続く―







2021/06/10 5:11:24|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−03−
晩秋の歌−03−
 
 彼女からは、すぐに返事が来た。
「おはようございます。
お誘い、ありがとうございます。私も、昨夜は一人家で食事をしました。一人暮らしの侘しさは、食事のときと風邪などの病気のときは堪えますね。いくら長くなっても、決して寂しさに慣れることはありません。もしよろしければ、私の家にいらっしゃいませんか。大した物は作れませんが、ご一緒に食事ができることがご馳走になればと思います。 
   美紀」
 
「ありがとうございます。図々しいですが、お言葉に甘えたいと思います。お誘いいただいて嬉しいです。 光一」
 
 話がまとまり、私は4時に美紀の家に行くことにした。
昼前から駅の近くのデパートに行き、彼女の家に持って行くためのワインを買った。彼女の作る料理が何かわからなかったので、ワインは白と赤の両方にした。
美紀の家までは、車であれば10分で行く。私は、それまでの時間が待ち遠しかった。そわそわした気分で4時前まで過ごした。新聞やテレビを見ていても、全然頭に入って来なかった。4時前に、タクシーを呼んで彼女の家に向かった。運転手に彼女の住所を言うと、「ああ、あの大きなお屋敷ですね」と言って、車を走らせた。今まで何度となく通った道であるが、全く違った新鮮さを覚える。
「お客さん、ここでよろしいですね。」
 運転手に言われて自信はなかったが、私は「ああ、ありがとう。」と言った。目の前には、大きな白い洋館があった。ここが彼女の家だという自信はなかったが、取り敢えず門の前に立った。小さい表札があり、そこに「白鳥」とあったので、ホッとして呼び鈴を押して、「三橋です」と言った。すぐにインターフォンの声が聞こえた。「開いています。どうぞお入りください」
 私は、門扉を空けると玄関に向かった。庭も、かなり広い。
玄関に近付いた時、ドアが開けられた。
「お待ちしておりました。昨日は、ありがとうございました。」
「すみません。図々しくお邪魔しました。」
「いいえ、お出でいただいて嬉しいですわ。」
 私は、ダイニングに通された。20畳はあると思われる、広い大きなダイニングルームだった。天井には、デザインは古いものの、大きなシャンデリアがあった。そこには老婆が待っていて、私が入ると無言でお辞儀をした。
                 ―続く―







<< 前の5件 [ 1266 - 1270 件 / 2751 件中 ] 次の5件 >>  << 最新の記事へ >>