男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2021/06/23 4:48:22|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−21−
晩秋の歌−21−
 
 季節は春、その日は良い天気だった。私が迎えに行くと、彼女は春らしいブラウスに淡いピンクのカーディガンを羽織っていた。彼女が乗り込むと、早速車を走らせる。常磐高速から首都高を抜けて東名高速へと走って行く。その間、彼女は本当に楽しそうにしていた。
 伊豆高原に入ったとき、富士山が見えた。
「まあ、あんなに大きく見えるのですねえ。」
美紀が、驚いたように言った。私は、道路脇に車を止めた。車から出ると、高原の風が冷たい。
「まあ、寒い。」
私は、そう言って寒そうにしている美紀の肩を抱いた。そんな姿勢のまま、二人はしばらく富士山を眺めていた。そんな私達に気付いてか気付かないでか、どんどん車が通り過ぎていくが、二人とも少しも気にならなかった。
 再び、新緑の伊豆スカイラインを走って行く。途中、昼食を取りながら、浄蓮の滝、天城越などを見ながら、伊豆の最南端の町下田へと向かった。
 下田に入ると、まず爪木岬で水仙を見た。海岸に一面の水仙の花が咲き、良い香りを漂わせている。さすがに南伊豆は暖かいのだろう。私達は、水仙の丘を、手を繋いで歩いた。下田の町中に入ると、さすがに開港の歴史を持つ町で、いろいろな名所がある。中でも歴史の舞台となったいくつかのお寺を見て回ったが、その中に長楽寺や宝福寺など唐人お吉にまつわるお寺がある。
 お吉は、下田一の人気芸者だった。あるとき、ハリスが体調を崩し日本に看護婦を派遣するよう要請する。しかし幕府は、妾を斡旋されたのだと思い、お吉に白羽の矢を当てた。お吉には、婚約者がいて断るが、幕府に許してはもらえなかった。そんなお吉に地元の人の目は冷たかった。ハリスが回復し、お吉は3か月で解雇され芸者に戻るが、地元の人の彼女を見る目は変わらない。やがて彼女は酒に溺れ、物乞いまでするようになり、最後は自ら命を絶ってしまう。お吉48年の生涯であった。
 そんなお吉の生涯の説明書きを見ながら、美紀は目に涙を浮かべている。私は、彼女の肩を抱いて歩いた。
 下田を出ると、宿泊地の土肥に向かう。西伊豆の道路は狭く、車も少ない。私は、急ぐことなく車を走らせた。土肥のホテルに着いたときは、4時になっていた。西伊豆は、日が沈む方向だけに夕方も明るい。私達は、チェックインのとき、フロントで「今から行くと露天風呂から沈む夕陽がきれいだ」と聞かされていたので、早速露天風呂に行くことにした。
 露天風呂は、長い廊下をわたって海に突き出た小高い丘のようなところにあった。男湯が手前にあり、その先の小高いところに女湯があった。温泉に入ると、確かに、駿河湾がすぐ下に見下ろせ、その先に沈む夕陽が見事だった。右手には、富士山も夕陽に輝いてきれいである。
 おそらく美紀もその景色を眺めているのだろう。私は、気になって女湯の方を見上げたが、彼女の姿は見えなかった。
                 ―続く―







2021/06/22 15:12:47|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−20−
晩秋の歌−20−

 私は、美紀の背中から両の乳房を愛撫した。彼女の口から、喘ぎ声が漏れた。夜は長い。今、ここで焦る必要はない。私は、彼女の石鹸を流すと、浴槽に入れた。彼女が浴槽を出てから、交代で私が風呂に入った。
 入浴が終ると、前回と同じように、2人の宴が始まる。美紀は、ブイヤベースなどの料理を美味しそうに食べてくれた。
「光一さんって、料理がお上手ですわね。」
「いえ、インターネットでレシピを見て、見様見真似で作っているだけです。一人暮らしをしていて外食ばかりもしていられませんから、どうしても自分で作るようになりますね。」
「このブイヤベース、とても美味しいです。」
「ありがとう。昔、スペインに行ったとき食べて美味しかったものですから、勉強しました。勉強と言っても、オリーブオイルとトマト、それに塩胡椒で味付けするだけですから。」
「いえ、とても美味しいです。梅さんは、和食が主なので、こういうのは外でしか食べられないのですが、それさえも一人ではなかなか食べられません。」
 私は、美紀がそう言ってくれるのが嬉しかった。彼女は、本当に美味しそうに食べていた。食べ物を口に運ぶ様子がとても艶かしい。そんな彼女の姿を見て、私は、ふと言われない欲情を覚えた。
 食事も、あらかた終わったとき、私は彼女を寝室に誘おうとした。そのとき、電話が鳴った。この前のこともあるのでドキッとしたが、聞いてみると金融商品の勧誘の電話だった。私は、怒って電話を切ると、そのまま彼女の手を取って寝室に導いた。
 すぐに抱き合ってキスを交わす。彼女も、積極的に応じてくれる。二人は、抱き合ったままベッドに倒れ込んだ。
 私は、彼女に覆い被さるようにしてキスをする。彼女も、積極的に受けてくれる。舌を差し入れて絡ませると、彼女も私の舌に絡ませた。美紀の家には梅さんがいたが、うちでは誰もいないので心理的にも自由である。さっきの浴室でのこともあったし、それも手伝って彼女を奔放にさせているのかも知れないと思った。私は、キスを続けながらも、彼女のセーターの下から手を差し入れて乳房に這わせた。彼女の息が荒くなる。
 セーターを脱がせると、その下には何も着けていなかった。更に、乳房への愛撫を続けながら、スカートの中に手を入れて敏感な部分に触れてみた。彼女は、すっかり受け入れる態勢が整っているようである。無論、私も十分に態勢ができていた。私は、彼女とひとつになった。二人は、あっという間に上り詰めた。
 ベッドの中で二度愛し合ってから、二人はベッドの上で裸のままブランデーを飲んだ。
「こうして、ベッドでお酒を飲むなんて、初めてです。」
「僕もです。でも、美紀さんとこうしていられるのって幸せです。」
「私も・・・」
 二人は、ベッドに横たわったままブランデーを飲み、キスを交わして時間を過ごした。 
 その後も、しばしばテニスをして、その後で一緒に食事の時間を過ごした。無論、それが終ると愛し合った。それが美紀の家のこともあれば、私の家のこともあった。梅さんも、すっかり公認の仲になっていた。
 そんな逢瀬の日々が半年も続いた頃のことである。私は、美紀の魅力に飽きることはなかったが、それでも変化が欲しいと思った。
 ある日、私が、泊りがけでドライブを兼ねた旅行に行きませんかと提案すると、彼女はすぐに賛成してくれた。相談の上、伊豆に行くことにした。
                 ―続く―







2021/06/22 4:56:16|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−19−
晩秋の歌−19−

 朝食は和食だった。味噌汁の良いにおいがしている。
「美紀さんは、いつも和食ですか?」
「ええ、子供の頃からずっと和食でした。学生時代、寮にいるときはパン食のこともありましたが、結婚してからまた和食になりました。」
「どおりできれいなのですね。ある有名な女性に、どうしていつまでもきれいなのですかと聞いたら、お米を食べていますと答えたんですよ。日本人には、米の食事が合っているのですね。」
「まあ、そうなのですか。」
「はい、美紀さんがそれを証明していますよ。」
「まあ・・・」
「ところで、今度はうちに来ませんか。梅さんほどの料理はできませんけど。」
「お言葉に甘えますわ。」
「楽しみにしています。テニスのコートも取っておきます。来週の金曜日あたりはいかがでしょうか?」
「いいですわ。」
話がまとまって、私は家に帰ることにした。美紀は、車のところまで見送りに来た。
 次の週の明日はテニスという日、私は早めに仕事から帰り、ブイヤベースを作る材料の魚介や野菜と他に生ハムやチーズなどの買出しをした。
 翌朝、下拵えをしてから冷蔵庫に入れ、美紀を迎えに行く。彼女は、テニスウエア姿で待っていた。
 この日は、小春日和でテニスは快適だった。終ったときは、二人とも心地良い汗をかいていた。テニスが終って家に帰ると、私は彼女にシャワーを勧めてから、テーブルに鍋の支度をした。私は、支度が終ると、浴室に行った。中では、彼女が身体を洗っている音が聞こえる。私は、裸になると、シャワー室のドアをノックした。
 私のノックの音に、美紀のいるシャワー室のお湯の流れる音が止まった。
「僕です。」
「・・・・・・」
「入りますよ。」
 私は、彼女の返事を待たずにシャワー室に入って行った。彼女は、驚いたような顔をしたが、何も言わなかった。
「背中を流しましょう。」
 私は、スポンジに石鹸をつけると、彼女の背中を洗った。最初は戸惑っていたようであったが、すぐに気持ち良さそうにした。私は、背中を流しながらも、ときどき彼女の乳房にも触れた。
「きゃッ、くすぐったいです。」
そう言いながらも、拒む様子はなかった。
                 ―続く―







2021/06/21 15:21:16|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−18−
晩秋の歌−18−
 
 寝室に入ると、私達はベッドで再び抱き合った。長いまったりとした時間が流れていった。私は、彼女を抱いて額や頬、唇への軽いキスを繰り返す。そして掌で乳房を撫でては、揉んだ。彼女も、私にキスをし、私の物を掌で掴んで、先程までひとつになっていたところを確認したりしていた。
 いつしか二人は眠りに落ちていた。私は、腕の中の美紀の動きで目覚めた。時計を見ると、12時を過ぎたところである。
「私、自分の部屋に行きます。おやすみなさい。」
「おやすみ。」
私は、彼女を引き寄せてキスをすると、ベッドの中にいたまま彼女を見送った。
 翌朝、私は早く目が覚めたが、しばらくベッドの中にいた。物音を立てたくなかったし、昨夜の夢のような時間を忘れたくなかった。亜希子は、まだ隣の部屋で寝ているのだろう、物音ひとつしない。外からは、僅かに新聞配達のバイクの音が聞こえている。30分ほどベッドにいたとき、階下で梅さんが朝食を作るための包丁の音が聞こえた。しばらくすると味噌汁や焼き魚のにおいもしてきた。
 私は、起き上がって着替えると階下に降りて行き、梅さんに挨拶をした。
「おはようございます。」
「おはようございます。よくお休みになれましたか?」
「ええ、お陰様で。」
 梅さんは、昨夜のことは知っているはずであるが、そんなことはおくびにも出さなかった。男と女が一つ屋根の下にいれば当然のことである。
「洗面の用意がしてあります。どうぞ、顔を洗っていらしてください。」
 そう言われて洗面所に行った。顔を洗って出て来ると、ちょうど亜希子が2階から降りて来たところだった。既に、薄い化粧を済ませていた。
「おはようございます。」
 美紀が、やや頬を染めながら挨拶をした。
                 ―続く―







2021/06/21 4:52:22|小説「晩秋の歌」
晩秋の歌−17−
晩秋の歌−17−
 
 美紀は、抗うことなく私の胸に身体を預けた。立ったまま抱き合ってキスを交わす。
「好きです。」
「私も・・・」
2人は、お互いに強く抱きしめ合ったまま、キスを続けていた。
 2人は抱き合ったまま長い間キスを続けていた。しばらくして私が彼女をソファに導いた。私が先に座り、膝の上に彼女を横抱きに座らせて、更にキスを続けた
 私は、セーターの下から彼女の胸に手を差し入れた。ブラジャーをしていないので、直接彼女の肌に触れる。柔らかい肌だった。離婚して10年、その間、女性らしい女性の肌に触れたことはなかった。その新鮮さに、私は全身が燃え上がるのを感じていた。
 私の掌が、乳房に触れると、彼女の身体がビクッと震えた。彼女もまた、十分に燃え上がっているようだった。私は、躊躇しなかった。セーターを押し上げると、乳房にキスをした。大きくはないが、形の良い乳房である。先端には、ピンク色の小さな乳首があった。私は、そこを唇で挟んで舌を転がした。彼女の口から喘ぎ声が聞こえた。
 私は、更にスカートの中に手を差し入れた。彼女は、それを拒むではなく、むしろやや脚の力を緩めているように思えた。私の指先が、彼女の敏感な部分に届いた。彼女のそこが十分に濡れているのが感じられた。
 私は、彼女をソファに座らせたまま立ち上がると、彼女の脚の間に身体を進めた。彼女のパンティを逃がせると、自分も衣服を脱いでひとつになった。瞬間、彼女の口から喘ぎ声が漏れた。私は、勇気を得たように、唇や乳首にキスをしながら、腰を前後させる。彼女の口から洩れる声が次第に大きくなっていく。私は、声が階下にいる梅さんに聞こえるのではないかと気になった。しかし、美紀はそんなことは意識していないように次第に声を大きくしていった。そんな彼女の声にひるんだ私は、腰の動きを止めた。彼女は、フーッと息をつくと、私の顔を恨めしそうに睨んだ。私は、再び彼女の中で動いた。
 2人が絶頂を迎えるのに時間はかからなかった。お互いに10年ほどの孤閨の後で、しかも今回も2回もチャンスを邪魔された後だった。絶頂を迎える直前、私は妊娠をさせないようにと身体を離した。
 裸のまま、ゆっくりとした時間が流れる。暖房がきいている部屋は、裸でいても快適だった。私達は、抱き合ったまま、しばしの時間を過ごした。
 しかしいつまでもこうしていることはできなかった。ここは寝室ではない。我に返った美紀が、「隣に寝室を用意しています。」と言った。衣服を付けようとする彼女の手を取ると、廊下を覗いて梅さんがいないのを確かめ、私も裸のままで寝室に導いた。
                 ―続く―







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