晩秋の歌−36− 私は、考えながら言った。 「う〜ん、だけどそれはみんなを裏切っているようで、どうなのかなあ。」 「テニスの日はダメだけど、他の日に私だけで来ればどうでしょう。内緒にしておけばわからないわ。」 「そうだねえ・・・・・」 私は、納得はしなかったが、奈々枝は独り決めしているようだった。 しばらく飲んでいるうちに、美紀と美香が寝室から出て来た。4人は、再び飲み直した。 ある日の夕方、私の携帯に奈々枝から電話があった。 「今から伺っていいですか。」 単刀直入に彼女が言った。 「う〜ん・・・・・」 私が、ろくに返事をしないうちに「じゃあ、30分後に伺います。」と言って、一方的に電話を切った。 それからぴったり30分後に、玄関のチャイムが鳴った。 「来ちゃいました。」 ニコッと笑っている。 「まあ、上がって。」 私は、彼女のあどけない笑顔に釣られて、そう言った。 「飲みません?ワインを買って来ました。」 「うん・・・・・」 私は、美紀への遠慮があって、歯切れの悪い返事をしていた。それを察したように奈々枝が言う。 「大丈夫です、三橋さん。美紀先生には、内緒にしておけばわからないですから。」 「うん、でも・・・・・」 「私、三橋さんのことを好きになりました。とても優しいんですもの。」 「でも、君と僕では親子ほども歳が違うんだよ。」 「だって、この前はあんなことをしたじゃないですか。」 「・・・・・」 「ネッ、またしてください。今日は二人だけで。」 「・・・・・」 煮え切れない態度の私に、奈々枝は立ち上がって私のところにやって来ると、いきなり抱き着いてキスをした。 ―続く― |