夜の釣り友−8−
浴室から出て来た彼女は、白いワンピースに着替えていた。まだ乾き切っていない髪が黒く光っていて、ワンピースの白と対照的だった。 「お待たせしました。今、ご飯をお持ちします。」 「すみませんね。余計な手間暇をかけて。」 「いいえ、とんでもありません。いつも一人で食べているのですが、一人の食事なんて侘しくてつまりません。こうして一緒にお食事ができるだけで嬉しいのです。」 「迷惑じゃなければ、良いのですが。」 「迷惑だなんて。私は、一緒に食事をしていただけることが嬉しいのです。さあ、召し上がってください。」 彼女は、そう言ってご飯をよそおった。 ご飯とみそ汁、それに漬け物とキスの天婦羅だけの食事だったが、とても美味しかった。彼女の言う通り、食事はただ食べれば良いというものではない。好きな人、気の合う人と、語らいながら食べるのがどんな料理をも美味しく感じさせる。勿論、彼女の作ってくれたものは、美味しかった。 私は彼女とテーブルを挟んで向かい合わせに座っていたが、私はしばしば彼女の顔を見詰めていた。それほど彼女は美しい上に風呂上りで肌が輝いていた。 「私の顔に何かついていまして?」 「い、いえ、あなたがとても美しいものですから。」 「マア、そんなことを。」 「いえ、本当です。僕は、今までにあなたほどきれいな人を見たことがありません。」 「本当にお上手ですこと。」 彼女は、笑いながらそう言った。 ―続く― |