パピーの冒険―04― メリーは、愛想のない返事をします。 「あなたよりは年上だわ。」 「もう飼われて長いの?」 「きっとあなたより長いわ。」 「ねえ、いつもこの辺を散歩しているの?」 「たまによ。」 そんな調子で、話が続きません。僕は、愛想のない女の子だと思いました。仕方なくさっちゃんの足のところに戻ります。 さっちゃんと男の子の方は、話に夢中のようです。 しばらく話していましたが、さっちゃんが「もう帰らなくっちゃ、お母さんが心配するから。」と言いました。 「そうだね、明日もこの辺を散歩するの?」 「ええ、幼稚園から帰ってからね。」 「そっか、僕もその頃来るよ。でもどこの幼稚園に行っているの?」 「ひまわり幼稚園よ。」 「じゃあ、僕とおんなじだ。でも気が付かなかったよ。」 「わたしも、じゃあ、明日幼稚園に行けばわかるね。」 「じゃあね。」 そう言って二人はそれぞれ反対の方向に帰って行きました。僕は、メリーの方を見て挨拶をしようと思いましたが、メリーはこっちを振り向くでもなく男の子にじゃれながら歩いて行きました。 昼間は退屈です。僕は、さっちゃんが帰って来て散歩に連れて行ってくれることを楽しみに待っていました。メリーに会えるからです。でも、どうしてああ愛想がないのか、僕のことを嫌いなのかと気になっていました。 お昼過ぎに、さっちゃんが帰って来ました。僕は、さっちゃんのところに駆けて行って足にじゃれました。さっちゃんは、「待って、カバンを置いて着替えたら、すぐにお散歩に連れて行ってあげるからね。啓太君、来ているかしらね。」と言いました。あの少年の名前は啓太というようです。 さっちゃんは、着替えるとすぐに出て来ました。僕を鎖に繋いで、早速昨日の公園に向かいます。僕は、さっちゃんの前になったり、ときどき草むらのにおいを嗅いだりしながら歩いて行きます。何といっても散歩の時間が一日で一番楽しい時間です。さっちゃんは、ちょっと急ぎ足に歩いていました。 公園に着くと、もう啓太君とメリーは来ていました。 「来てくれたんだね。」 男の子が、さっちゃんに言いました。 ―続く― |