男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2021/09/05 23:18:55|エッセイ
息子の成長
 男の子にとって、父親は永遠のライバルです。父親を追い越すことが、ひとつの目標になることが多いです。
 昨日のこと、息子がサザエを持ってやって来ました。「どうして食べたら良いのだろう、やっぱり壺焼きかなあ」などと言っていたら、「生きているから、刺身がいいよ。」と言います。
 サザエの刺身は、旅館やお店では食べたことがありますが、自分ではどう調理をしたら良いかわかりません。まずは、身をどうやって殻から取り出すかもわかりません。
 見ていたら、蓋を金串で取って、「貝柱を外せばいいんだよ」と言いながら、指を突っ込んで器用に身を取り出しています。僕にはとても出来ない技で、驚嘆の目で見ていました。
 不惑を過ぎた息子、確実に父親を追い越しているのでした。







2021/09/05 9:00:10|エッセイ
今日は日曜日だった!
 2年前に仕事を辞めてから、次第に曜日の感覚が薄れて来ました。ふと、「今日は何曜日?」と思うことがしばしばです。
 今朝は、潮の加減も良いとあったので、朝食前に釣りに出掛けました。バケツいっぱい釣って、息子夫婦や妹にも分けてやるともりでした。
 ところが、いくら投げ入れても、一向に反応がありません。何度投げても、餌だけしか針の先にはないのです。1時間半ほど浜辺に立って続けていましたが、ふと気が付きました。今日は日曜日、お魚さん達も休みだったのです。
 結局、水虫の海水浴と、ミミズの水泳訓練で終ってしまい、飼い主さんからは「また坊主だったのか」とバカにされました。
 釣りには、潮や天候だけでなく、曜日も調べて行くことが必要なようです。







2021/09/05 4:54:53|その他
パピーの冒険−07−
パピーの冒険−07−
 
 不安な長い夜が続きます。町でしか過ごした僕にとっては、この静かさがとても怖く感じます。怖くてじっとしていると、近くの木の枝で「ホ〜ッ、ホ〜ッ」という声が聞こえて来ました。その声に余計に怖くなります。ブルブル震えていると、バサバサッという音と共に声の主が飛んで行きました。他にも、何者かが地面をガサゴソと這う音も聞こえて来ます。結局、ほとんど眠れないまま朝がやって来ました。
 あたりを見ると、どうやらかなり高い山の上まで来ているようです。とにかくここから降りて行かなければなりません。麓の景色が見えるところまで登って、昨日やって来た方向はどっちかと見回すのですが、わかりません。必死で野良犬から逃げていたので、あたりを見るゆとりがなかったのです。
 仕方なく遠くに町の見える方向にと歩いて行きました。その頃、さっちゃんや両親が必死に僕を探していることなど考えてもいませんでした。
 しばらく歩いていると、山道に出て、更に歩くと人の住んでいる家が見えて来ました。庭には、犬がいます。僕のことがにおいでわかったのか、ワンワンと大きな声で吠えました。親しみを覚える鳴き方ではありません。僕は、道路を避けて遠回りをしながら、更に坂道を下って行きました。でもさっちゃん達のいるペンションの景色とは随分違います。どうやら、違う方向に来てしまったようです。
 かと言って、引き返したとしても、どっちに行けば良いかわからないので、そのまま町の方に向かって歩いて行きました。道はだんだん広くなって、家の数も少しずつですが多くなってきます。
 そのとき、お腹がペコペコであることに気が付きました。昨日の夕方から何も食べていないのです。今まで食べ物は家族がくれるものだと思っていたのですが、それがないとどんなに不安になることでしょう。太陽が真上に見えるようになると、いよいよお腹が空いて来ました。人間がいるところでないと食べ物は無いと思い、ある家の庭に入って行きました。庭には、切った大根が干してありました。空腹に勝てず、口に入れてみますが、美味しくありません。そうしているうちに、おじさんが棒を持って飛んで来ました。
「こらっ、悪戯犬め。あっちへ行け。」
僕は、急いで逃げました。走ればまたお腹が空いてきます。僕は、トボトボと道を歩いて行きました。
                  ―続く―







2021/09/04 5:42:15|小説「パピーの冒険」
パピーの冒険−06−
パピーの冒険−06−
 
 途中のパーキングエリアで休憩を取ります。さっちゃんが、お母さんからお団子を買ってもらって、そのひとつを僕にくれました。いつもドッグフードなので、とても美味しく感じます。もっと欲しくて尻尾を振るのですが、それ以上はくれませんでした。
 更に3時間ほど走って、那須の町に入りました。駐車場に車が止まると、目の前に那須岳が見えています。町では散ってしまった桜も、こちらでは満開です。車を降りるとみんなで歩いて山の方に登って行きます。僕は、珍しさもあって嬉しくて仕方がありません。みんなの先になったり後になったりしながら、歩いて行きました。
 展望台のようなところに着くと、ベンチに座り、お母さんが弁当を広げます。おにぎりや、卵焼き、ウインナソーセージなど、美味しそうなものばかりです。さっちゃんのためにはサンドイッチも用意されていました。家族で美味しそうに食べています。僕は、3人から卵焼きやウインナソーセージを貰って食べます。お腹も空いていましたし、とても美味しいのです。
 食事が終ると、また山の方を散歩します。3人には、笑いが絶えませんし、お母さんもさっちゃんもお喋りに夢中です。明るい雰囲気の中、僕はすっかりご機嫌になっていました。
 その日は、温泉に泊まります。ペットも泊まれるペンションです。
 ペンションに着いて部屋に入ると、早速3人は僕を一人残して温泉に行きました。一人取り残された僕は、部屋の中をあちこち歩き回っていましたが、ふと見るとドアが少し開いています。身体を入れると、ドアが開きました。僕は、そのまま外に出て、廊下を通って玄関に出ましたが、人はいません。そのままペンションの外に出ました。山あいの日暮れは早く、薄暗くなっています。庭を通り抜け、ペンションの横の道を歩いてそのまま山の方に向かって歩いて行きます。初めて見る景色が楽しくて、さっちゃんや家族のことなど忘れていました。
 そのとき、1匹の大きな犬に出合いました。僕の姿を見ると、牙を剝き出し、唸り声をあげて追い掛けて来ます。僕は、急いで逃げました。逃げても逃げても追い掛けて来ます。
 どこをどう走ったのか覚えていません。気が付いたときには、ペンションから随分離れた山の中にいました。あたりを見回すのですが、どっちに帰ったら良いかわからなくなっていました。寂しくて、く〜ん、く〜んと鳴くのですが人の気配はありません。麓の方に降りようと思いましたが、さっきの野良犬に出会うのではないかと思うと、怖くてそれもできません。僕は、茂みの中でじっとしていました。
                ―続く―







2021/09/03 6:00:15|小説「パピーの冒険」
パピーの冒険−05−
パピーの冒険−05−
 
 さっちゃんが言います。
「啓太君って、さくら組だったのね。わたしはもも組だから、今まで会わなかったのね。」
「そうみたいだね。隣の教室なのにね。」
二人は、早速話に夢中になります。僕は、メリーの方に興味があるのですが、彼女の方は一向に反応を示してくれません。すり寄って行くのですが、関心のなさそうな顔をしています。
「ねえ、朝ご飯は何だったの?」
「ドッグフードよ。」
「美味しかった?」
「普通よ。」
そんな感じですぐに話が途切れてしまうのです。僕は、メリーに関心があるのに、一向に振り向いてくれません。仕方なく、さっちゃんの足元で座ってしまいました。
 それでも毎日散歩に行っていると、少しずつですが挨拶をしてくれるようになりました。
僕が、話し掛けると会話が長くなって行き、くんくんと匂いを嗅ぐと尻尾を振ってくれます。それからは、散歩に連れて行って貰うのが余計に楽しみになりました。
 月日は過ぎて行き、この家に飼われて1年が過ぎました。さっちゃんも、啓太君も幼稚園の年長さんになっています。僕も、メリーもすっかり大きくなりました。もうすっかり、身体は大人の大きさです。メリーは毛並みもきれいになり、顔つきも可愛くなっています。僕ともすっかり打ち解けて、さっちゃんと啓太君が話をしている足元でじゃれ合ったり、お互いの身体を舐め合ったりする仲になりました。僕の好意が通じているのです。
 春の天気の良い日、お父さんがお母さんとさっちゃんに言いました。
「今度の連休、ドライブにでも行こうか。那須あたりは、まだ桜が咲いているんじゃないかなあ。」
お母さんも、さっちゃんも、すぐに賛成しました。遠くへドライブをするのはこの家に来て初めてです。
 前の日の散歩のとき、さっちゃんは嬉しそうに啓太君に言いました。
「明日から、ドライブに行くの。啓太君も、どこかに行くの?」
「僕のうちは、商売をしているから連休と言ってもどこにも行けないんだ。」
「そうなの。お土産を買って来てあげるわね。」
「うん、ありがとう。楽しみにしているよ。」
そんな話をした後、それぞれに帰って行きました。
 土曜日の朝になりました。外は良い天気です。
お父さんは、早起きして車の手入れをしていますし、お母さんはお弁当作りに忙しくしています。さっちゃんも、そんな雰囲気の中で嬉しそうです。
 支度ができると、すぐに出発です。お父さんが運転をし、お母さんは助手席、さっちゃんと僕は後ろの席です。車が郊外に出ると、緑がきれいです。車は、早いスピードで走っています。僕は、どこまで行くのだろうと思いながらさっちゃんの膝の上で外の景色を眺めていました。
                 ―続く―







<< 前の5件 [ 1186 - 1190 件 / 2751 件中 ] 次の5件 >>  << 最新の記事へ >>