パピーの冒険−21−
おじさんは、奥さんの剣幕に、言い訳のように言います。 「でもこいつは可哀相に野良犬に襲われていたんだぜ。俺が助けてやったんだ。お腹も空いているらしいから、何か食べさせてやってくれよ。」 「あんた、まだわかっていないのね。そんなことを言うんなら、あんたのご飯だってないわよ。」 「でも・・・・」 僕は、居たたまれなくなって、その場を離れました。しばらく歩いていたら、後ろから「お〜い、待てよ。」という声がしました。見るとさっきのおじさんです。僕が立ち止まると、近付いて来て言いました。 「さっきはすまなかったなあ。俺は、犬が大好きなんだけど、女房が駄目なんだ。罪滅ぼしに、これでも食べてくれよ。」 おじさんは、ポケットからソーセージを出してくれました。 食べる僕に、おじさんが言いました。 「お前も、女には気をつけろよ。変なのと一緒になると、一生後悔するからな。」 僕には、その意味がよくわかりませんでした。 ソーセージを食べ終えると、僕はおじさんを後ろにしてまた歩き始めました。 僕は、今自分がどこにいるのかがはっきりとはわかりませんでしたが、直感で向かっている方向が間違ってはいないと思いました。でも、あとどのくらい歩かなければならないのかがわかりませんでした。 町には、それぞれの町の雰囲気があります。今いるところが、自分の町でないことはわかります。昼前には、また町をひとつ通り過ぎました。 昼には、田んぼの横にある小屋で休み、一休みするとまた歩き続け、夜には次の町に入っていました。家々からは、お母さん達が夕食の支度をしているのでしょう、台所あたりから良いにおいがして来ます。僕は、またお腹が空いているのに気付きました。 それでもしばらく歩いて行きましたが、いよいよお腹が空いて来ます。一軒のレストランの裏に行くと、良いにおいがしていました。料理の余ったものがゴミ箱に捨てられているのです。僕がゴミ箱の横でどうしたらふたを開けられるかと思案していたら、一人のおじさんがやって来てゴミ箱のふたを開けて中からお酒のビンや余った料理を拾い始めました。そして僕の姿に気が付くと、「おやっ、お前もお腹が空いているのかい。」と言って、食べ物を分けてくれました。僕が食べ終わると、「お前も、一人なのか。それじゃあ、一緒に来なよ。」と言って、荷物の中から紐を取り出し、僕の首輪に繋いでしまいました。 ―続く― |