男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
プレイガール自伝−15−
プレイガール自伝−15−

 私は、寂しくなると、スナック「寄り道」に行きました。セックスで、心の空虚さを埋めていたのです。
 「寄り道」のママさんは、客とは注文を聞いたりするだけで、ほとんど身の上を聞いたり、客のプライベートに関することは聞きませんでしたし、話すこともありませんでした。それが、この店を特徴付けて、いつの間にかボーイハント、ガールハントの場にしていたのです。
 客には、男性客だけでなく、女性客もけっこういました。OL風の女性、主婦のような女性、いかにもその道風の女性もいましたし、若い女性や年配の女性もいました。男性や女性が一人でやって来て、カウンターで隣に座った相手に話し掛け、意気投合すればしばらく飲んでから連れだって店を出る、そんな光景を幾つ見たでしょう。彼等カップルの多くは、その場限りのセックスを楽しんでいるようでした。そうでなければ、全くの赤の他人がその場で意気投合するはずはありません。彼等の目的は、あくまでセックスだったのです。たまに見る商売人風の女性を除けば、みんな素人の女性でした。OL、人妻、未亡人などもいたのでしょう、玄人か素人かは一目でわかりました。中には、学生ではないかと思われる男性や女性もいました。どういうルートからかはわかりませんが、人伝えにこの店の評判が伝わっていたのだと思います。
 大抵の場合、こういう店だと男性が多くて女性が少ないのですが、なぜかこの店では少し男性が多いだけで、けっこう多くの女性が来ていました。
 私は、スナック「寄り道」の常連になりました。しかし、曜日や時間を変えて、なるべく前に会った人とは会わないようにしました。セックスは、あくまで私の心の寂しさを紛らわすためだけにしたかったのです。愛情は、決して求めていませんでしたし、店に来る男性達も結婚を望んでいるわけではなく、あくまで遊びだったのです。
 中には、私ともう一度逢いたいという男性もいましたが、それは硬く拒みました。
 あるとき、「寄り道」で飲んでいたら、最初のときに逢った男が店に入って来ました。気が付いた私は、すぐに隣に座っていた男に話し掛けました。それまで口説かれながらつれなくしていた私に話し掛けられて、隣の男は驚いたようでしたが、元々私に気があっただけにすぐに話に乗ってくれました。
 最初のときの男も私に気付いたようですが、既に別な男と仲良く話をしている私を見て諦めたのか、一人カウンターの端で飲んでいました。
            −続く−







プレイガール自伝−14−
プレイガール自伝−14−
 
 彼は、私を裸にすると、自分も裸になり、手を取って浴室に向かいます。お湯を張ると、シャワーで私の身体を洗い始めました。全身に石鹸を塗って、丁寧に洗っています。その間、「きれいだ。」とか「本当に色が白いね。」、「形の良いおっぱいだ。」などと、しきりに私を褒めています。
 お湯が張られると、一緒に浴槽に入りました。彼は、私を抱くように座らせると、私の乳房を愛撫します。彼の物が、既に十分に硬くなっているのがわかります。私も、彼の愛撫によって次第に陶酔の世界に入って行きました。
 彼が、私を抱き上げてベッドに連れて行きます。そして乳房を愛撫しながら、私の中に入って来ました。吉沢さんが転勤して行って以来男性との交わりの無かった私は、すぐに絶頂に達していました。
 終わった後で、彼が言います。
「君は、本当に素敵だ。素晴らしかったよ。こんなに気持ちが良かったのは初めてだ。」
私は、微笑みながら彼の言葉を聞いていました。
 その後、二度彼は私を求めて来ました。私も応じて、すっかり性的に満たされていました。
彼は、別れ際に「また会いたい。君は、本当に素晴らしい。僕は、君が好きになった。」と言いながら、メモを渡しました。そこには、電話番号とメルアドが書かれていました。しかし、私から連絡することはありませんでした。二度会えば、情が移るかも知れません。それが嫌でした。結局、彼は、名前はおろか、私についてほとんど何も知らないままだと思います。それで良かったのです。
 一度見知らぬ男に身体を許した私は、そのときから度胸がついたように思います。それから、寂しくなるとスナック「寄り道」に行くようになりました。しかし、この前の彼と会いたくはありませんでしたから、行く曜日をずらせました。
 スナック「寄り道」で次に会ったのは、中年の男性でした。背が高く、がっちりとした体格をしています。色が黒く、いかにもスポーツマンといった感じでした。
 私は、誘われるまま彼に着いて行きました。彼も多くは喋りません。彼が連れて行ったのは、道玄坂の先にあるシティホテルでした。あらかじめ予約してあったのか、ロビーで部屋のキーを受け取ると、そのままエレベーターに乗って部屋に行きました。
 彼はパワフルで、女を愛することに手慣れていました。何度も求めて来る彼に、私はすっかり疲労感を覚えていましたが、それは決して嫌なものではありませんでした。
            −続く−







プレイガール自伝−13−
プレイガール自伝−13−

 隣に座った男は、私に話し掛けて来ました。
「きれいな方ですね。お一人ですか?」
「この店にはよく来るのですか?」
「僕は、新宿に勤めているのですが、あなたは?」
などと、しきりに話しています。
私は、返事をすることなく、ただ笑顔で彼の方を見ていました。そうすることで、彼を拒否する意思がないことを伝えたかったのです。
 私のグラスが空きそうになっているのを見た彼が言いました。
「ウィスキーですか?」
私が黙って頷くと、彼は、ママさんに自分のボトルから水割りを作るように頼みました。
「乾杯しましょう、乾杯!」
私もグラスを合わせました。
 彼は、私がほとんど喋らないので、自分のことを話し始めました。
 山村と名乗り、出身が千葉県であるとか、新宿に勤めているのだと大手の会社の名前をあげています。そして仕事の憂さを晴らすために、ときどきここに来るのだと言いました。
 1時間ほど飲んでいたとき、彼が言いました。
「今日は、これから何か予定があるのですか?」
私は、首を横に振りました。
「この店を出て、もうちょっと僕に付き合ってくれませんか。」
私は黙っていました。
 彼は、私の腕をとって立ち上がりました。私も立ちました。彼は、私の分も勘定を払うと、再び手を取って店を出ました。店を出て通りに出ると、タクシーを拾って「恵比寿」と言いました。着いたのは、恵比寿の駅の近くのラブホテルでした。
 彼は、黙ってホテルに入って行きました。私も、無言のまま彼の後ろから着いて行きました。
 部屋に入ると、彼がキスをして来ましたが、私は顔を背けました。キスは愛情の証し、私は彼を愛しているのではないことを主張したかったのです。
 キスを断念した彼は、「風呂に入る?」と聞きます。私は、黙って頷きました。彼は、私の洋服を脱がせ始めました。私は、彼のなすがままにしていました。
 ブラウスを脱がせ、ブラジャーを外すと、私のおっぱいが現れます。「きれいだ。」と言うと、彼はそこにキスをして来ました。私の身体に、思わず快感が走りました。
            −続く−







プレイガール自伝−12−
プレイガール自伝−12−

 店には、まだ客は誰もいません。
「いらっしゃい、お一人?」
その女性が聞くので、私は黙って頷きました。
 私は、しばらく一人でウィスキーの水割りを飲んでいました。最近では、ビールの他にウィスキーも飲むようになっていました。
 そのうちに、若い女性が一人でやって来ました。ボトルを出してくれるように言うと、私と同じようにウィスキーの水割りを飲んでいます。
 しばらくすると、今度は中年の男性が入って来ました。女性の近くに座ってビールを飲んでいましたが、やがて女性と話をするようになりました。話の内容からすると、初対面のようです。私は、興味深く二人の様子を観察していました。
 二人は、1時間ほど飲んで、一緒に店を出て行きました。勘定は男が払いましたから、きっと何かの約束ができたのでしょう。
 その後も、女性客や男性客がやって来ましたが、みんな一人です。男性の中には、私に話し掛けて来る者もいました。
「この店はよく来るの?」とか、「いつも一人なの?」などと聞いて来ます。中には、「これから一緒に夜を過ごさない?」などと、露骨に言うものもいましたが、私は適当にあしらっていました。
 2時間ほどその店にいる間に、2組のカップルが成立したようでした。ここは、男と女の出会いの店だったのです。
 亜美に手ほどきを受け、吉沢さんに教えられた性の悦びは、すっかり私を変えていました。これから一緒に夜を過ごすだろうカップルを見ていると、羨ましいような気分になりました。それは、人恋しいというより、心の空虚さをセックスが埋めてくれるのではないか、そういう気持ちだったように思います。
 私は、次の週もスナック「寄り道」に行きました。ママさんは、私のことを覚えていましたが、淡々と注文に応じるだけで特に感情を表に表すことはありません。それが、この店の方針と言うか、特徴になっていて、そのことによってボーイハント、ガールハントの場になっているのでしょう。
 この日も、早速目の前でカップルが成立して、一緒に店を出て行きました。私が、一人で飲みながら観察しているとき、店に入って来た男性が、「ここ、いいですか?」と言って、私の横に座りました。見ると30歳前後でしょうか、サラリーマン風に半そでのワイシャツを着ています。この店のシステムと言うかしきたりのようなものがわかった私は、敢えて断りませんでした。
            −続く−







プレイガール自伝−11−
プレイガール自伝−11−
 
 半年はあっという間に過ぎて、私は卒業式を迎え、4月に入るとすぐに父がいた会社、すなわち吉沢さんのいる会社に就職しました。
 会社は、大手の建設会社で、丸の内にありました。家が中野でしたから、電車一本で通勤できます。
 配属されたのは、総務課でした。吉沢さんは、技術部ですから所属は違いますが、彼は総務課に来ては、「職場には慣れた?」などと声を掛けてくれました。
 総務課には、10名ほどの社員がいました。みんな親切にはしてくれるのですが、私は相変わらず無口でした。課で歓迎会を開いてくれたのですが、そのときの挨拶も自己紹介をしただけで多くは喋りませんでした。みんな親切に話し掛けてくれたりしたのですが、あまり話さない私に、やがてそれも諦めたようでした。
 普段も、仕事以外に同僚たちと会話をすることはありませんでした。残業は、必要があればしますが、無いときは定時で帰っていました。何人かは、仕事の後で飲みに行く人もいました。最初は誘ってくれましたが、いつも断るので、それもいつしかなくなっていました。
孤独壁というのでしょうか、決して心から人を好きになれなかったのです。
 だからと言って、寂しさが無いわけではありません。家に帰って、一人でお酒を飲んで寂しさを紛らわせていました。
 吉沢さんは、私が入社してからも、ときどき家に来ていました。仕事帰りのときもあれば、休みの日のこともありました。その度に私は彼に抱かれました。
 入社して1年近くが過ぎたある日、家に来た彼が、「僕は、この4月で地方に転勤になるかも知れない。」と言いました。両親が死んでから、親身になって私を助けてくれたのは彼だけです。私は、家族を失うような寂しさを覚えました。その日、私は彼を受け入れるとき、強く抱きしめていました。
 そして4月の異動で、彼は福岡に転勤して行きました。私は、大事な家族を失ったような寂寥感を覚えました。
 吉沢さんが転勤して行ってから半年ほどした初秋のある日、仕事帰りに渋谷に行きました。ウインドウショッピングをした後、道玄坂を歩いていると、通りからちょっと入った路地に、何となく品の良さそうなスナックがあり、看板にはスナック「寄り道」とあります。私は、何気なく入って行きました。
 店は、10人ほどが座れるカウンター席があり、カウンターの中には中年の女性が一人いました。
            −続く−







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