男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2023/07/24 4:47:56|エッセイ
ニアミス
 飛行機のニアミスは、何フィート以内に近付いたとかの明確な定義はなく、他の飛行機の接近にビックリしたらニアミスとして報告することになっています。こん日のように飛行機がたくさん飛んでいる場合、どんなに用心しても起こり得ることです。
 独身の頃、ある女性と都内をデートしていました。上野駅まで帰って来たとき、反対側のホームに学生時代に付き合ったことがある女性の姿がありました。向こうも気付いたらしく、こっちに会釈をし、僕もそっと会釈を返しましたが、隣の彼女は気付いたようで睨まれてしまいました。
 広い東京の雑踏の中で出会うなんて、考えてもいませんでしたから、まさにビックリ、ニアミスそのものです。
 ニアミスの危険はいつどこにあるかわかりません。常々、周囲の監視を怠らないようにしましょう。







2023/07/23 14:24:41|小説「漂流記」
漂流記−5−
 紗智子の笑顔もそれまでだった。食事が終わって、焚き火を挟んで座っているのだが、紗智子は黙っているだけだった。俺も、自分から話し掛ける気になれず、黙っていた。
 夜が明けて、島に来てから3日目の朝を迎えた。俺は食料探しを兼ねて、山の方へ探検に出掛けることにした。紗智子も一人でいるのは嫌なようで、俺の後ろから着いてきたが、途中からジャングルのような険しい道を登って行く頃になると、「待って!」とか、「もうちょっとゆっくり歩いて!」などと命令調で言う。
「嫌なら、来なくていいんだ。小屋に帰ればいい!」
 俺が、ちょっときつい言葉でそう言った。こんな言い方をしたのは、紗智子と出会ってから初めてのことである。紗智子は、ちょっと驚いたような顔をしたが、そのままそっぽを向いて黙ってしまった。俺は、そんな紗智子を無視するように歩いて行った。紗智子は、遅れながらも黙って後ろから着いて来ていた。
 1時間ほど歩くと、開けた湿地のようなところがあって、そこにバナナの木が群生しており、幹にはたくさんの黄色い実がなっていた。
 俺は、そこに駆け寄ってバナナを取って食べてみた。久し振りの果物のような気がして、とてもおいしく感じた。紗智子に渡すと、おいしそうに食べた。
 そこでしばらく休憩し、大きな房を取って、元の道を戻って行った。魚にバナナ、贅沢は言えないまでも、これで取り敢えずの食料の確保はできた。
 その後も、海岸の反対側の方に行ったり、別の方向から山の方に行ったりしたが、探検の回数が増すに従って、ここが無人島であることがはっきりとしてきた。人の住んでいる形跡がまるでないのである。一体、助けは来るのか、自分達のことを捜索してくれているのか、それは全くわからなかった。
 島に着いて一週間ほどした頃から、退屈と倦怠が始まった。日数が過ぎるとともに、我々は捜索されていないのではないかという不安が根強いものになって来たのである。この頃の紗智子は半ば諦めたように、淡々とした態度を取っていた。俺に命令調の口を利くこともなかったが、かと言って打ち解けてくる様子もなかった。
 朝起きて釣りをし、午後はバナナや椰子の実を採ったりしながらの島の生活が続いた。娯楽のない生活は、それなりに退屈を覚える。そして夜になると、焚き火の他は灯りもなく、日没が過ぎてしばらくすると寝なければならない。と言うより、寝る以外にすることがないのである。
 ある晩、寝ていた俺が物音に驚いて目を覚ますと、隣に毛布を持った紗智子がいた。俺が振り向きますと、紗智子が「寂しい。」と言った。こんなにしおらしい紗智子を見たのは、初めてであった。俺がどうしていいか戸惑っていると、「横に寝かせて貰っていいかしら。」と言う。俺が黙って後ろを向いて寝ていると、紗智子は毛布を被って俺の背中に横になった。
 その日から、俺達は同じ小屋で寝るようになった。しかし、紗智子の体に手を触れるようなことはなかった。
                 ―続く―







2023/07/23 3:30:05|エッセイ
ライフルと機関銃
 僕は自衛官でしたから、射撃はいろいろと経験しました。拳銃や、ライフル、機関銃も撃ったことがありますが、けっこう当たっていました。
 これらの中で、狙って一番当たるのはライフルです。拳銃は、銃口が短いので弾が真っ直ぐ飛ばず、なかなか当たりません。機関銃は、弾数は多いのですが、銃身が揺れて、ひとつの目標を狙うには不向きです。銃口が長く、一発ずつ狙い撃ちできるライフルが一番当たるのです。
 結婚してを見付けようとする場合、機関銃で撃つように誰かれ見境なくアタックしたのではだめで、目標の彼女(彼氏)を見付けたら、その人の心をライフルのように狙い撃ちすることが秘訣です。
 射撃では、拳銃でもライフルでも比較的成績が良かった僕ですが、結婚相手の射撃ではとんでもないのに当ててしまいました。







2023/07/22 14:56:59|小説「漂流記」
漂流記−4−
 食事といっても缶詰を食べるだけなので、あっと言う間に終わる。俺は言った。
「さあ、もう寝ましょう。明日からは、しなければならないことがたくさんありますから。」
 しかし、なかなか洞窟に寝るのが怖いのか、紗智子は焚き火の側から離れようとしない。俺は、しばらく一緒にいたが、これでは仕方がないと思い、自分の寝床のある洞窟の方に向かった。
 朝が来た。
「ギャー!」という鳥の鳴き声で驚いて目を覚ました。
 見ると椰子の林の奥の灌木の茂みにオウムのような鳥が鳴いていた。こっちを不思議そうな目で見ている。初夏の太陽は水平線からかなり上の方に上っている。
 紗智子の寝ている洞窟の方に行って見ると、洞窟の中ではなく、もう消えている焚き火の側で横になり、毛布を被って寝ていた。俺は、缶詰を持って来て、紗智子を起こした。
「朝食にしましょう。」
紗智子は、眠そうに目を擦りながら起きた。
 俺が缶を開けて紗智子に差し出したが、「また、缶詰なの。私、嫌いだわ。食べたくない。」と駄々をこねる。
俺は、知らん顔をすることにした。
 焚き火の跡に座りながら、一人で缶詰を食べる。紗智子は、同じように座りながらもそっぽを向いている。
 今日は、洞窟の入り口に小屋を作り、少し居心地良くしたいと思うし、缶詰だけではいずれ食料も底を突くので釣りをするか、島を探検しながら食料を探そうと思っていた。
 幸いヨットにはナイフや鉈、釣り道具などがある。
 まず午前中に、木や椰子の葉っぱを切り出して、昨日寝た洞窟の入り口に小屋を作った。粗末なものだったが、これで日は避けられるし、かなり快適になるはずである。
 それから岬の岩場の方に行って釣りをした。このとき、紗智子も俺の後ろから着いてきて、俺が釣りをするのを見ていた。砂浜で岩に着いた貝や蟹を取り、それを餌にして釣るのであるが、他に人がいないからかすぐに魚は釣れた。問題は、どれが食べられる魚で、どれが食べられないものかがわからないことだった。赤いのや青いの、黄色いのなどがいて、毒でもあったらと思い、けばけばしい色のものはすぐに海に放し、鰺のようなのや白身のようなものだけを木の枝に刺して持って帰った。
 小屋のところまで帰って来てから、焚き火をし、木の串に刺した魚を焼いた。魚の焼ける匂いが空腹のお腹を刺激する。先に焼けた魚を差し出すと、紗智子は無言でそれを受け取って食べ始めた。
「おいしい。」
 このとき、島に着いてから初めて紗智子の笑顔を見た。
                 ―続く―







2023/07/22 4:43:02|エッセイ
彼女の言葉
 六本木で勤務していた頃、女性事務官のAさんは僕の憧れの人でした。彼女は,、独身で30代半ば、女としての色気も魅力もたっぷりです。
 ある日、オフィスの廊下を歩いていたら、向こうから彼女がやって来ました。僕は、胸がときめきました。何か話し掛けた方が良いのだろうか、話すとしたら何を言えば良いのだろうかなどと考えていました。すると彼女の方から僕に近付いて来ます。僕の胸は益々高鳴りました。真横まで来たとき、彼女が僕の耳元でささやきました。
「課長、ズボンの前が開いていますよ。」
 この一言で、僕の胸のときめきはすっかり冷めて、慌ててトイレに駆け込みました。