サンパウロ市東部郊外のイタケーラ区に、日系人の知的障害児を対象とした
「子どもの園(こどものその)」という福祉施設があります。
1958年、日本の近代社会事業創始者の1人と言われる長谷川良信先生が、
浄土宗日伯寺学園内に「子どもの園」の前身となる精神薄弱児治療・教育部を
設立したのが始まりです。
施設名称の通り、元々は子どもを対象として設立されましたが、
18歳まで訓練しても全員が家庭や社会に復帰できるとは限りません。
知的障害を有する成人が、保護なしで厳しい社会生活を送ることは
大変困難なことから、「子どもの園」は成人のための更生授産施設としての
役割も担ってきました。
開設から半世紀が過ぎましたが、現在の園生は明らかに成人が多く、
「おとなの園(その)」といったほうが相応しいでしょうか・・・(^^ゞ
「子どもの園」では、いくつかの作業を行っていますが、
その収益は施設運営経費の一部となっています。
作業には、陶芸・手芸・養鶏・鶏糞を使った培養土作りなどがあり、
園生の適性に応じて行っています。
外部者は施設の内外を見学させてもらえますが、鶏舎だけには近づけません。
養鶏は、日頃見慣れない人を見ると警戒して卵を産まなくなるからだそうです。
憩の園もそうですが、ブラジルの福祉施設の運営は大変厳しいのが現状です。
施設長の大事な仕事は、運営費を支援してもらえる企業・個人・団体等に、
常に顔を出して、継続的な支援をお願いすることです。
それはまるで企業の営業活動のようです。
日本の福祉施設の施設長はこんな営業活動はしませんね(^J^)
ところで、NHKが開催しているハート展に、ブラジルからも応募していることを
皆さんはご存知でしょうか?
「子どもの園」には資料館があって、今までの応募作品が展示されています。
詩はポルトガル語なので意味は良くわかりませんが、
添えられたイラストはとても素敵ですね。
日本からエールを送りましょう!
〜在日協力会事務局前掲示板 8月号より〜