男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/03/26 6:21:14|エッセイ
腸内細菌
 昨日のNHKの番組「フロンティア」で、人類の食文化について放送していました。
 人類の食文化は、狩猟による肉食から始まったと思われていましたが、考古学の研究の結果最初は炭水化物が多い木の実や植物の根などを食べていたようです。
 パプアニューギニアでは、肉などは食べずサツマイモだけを食べて暮らしている山岳民族がいます。彼等は、筋肉隆々の体格をしています。これには研究者が驚きました。調べた結果、腸内細菌によってたんぱく質と同じ効果が出るようになっていました。腸内細菌によって、食べ物の栄養素の成分が変わっていたのです。
 今、ダイエットのために炭水化物の摂取を控える人がいますが、人によって腸内細菌の種類が違うので、効果がない人もいると言います。自分がどのような腸内細菌を持っているかはわからないので、炭水化物、脂肪、たんぱく質をバランスよく摂ることになります。
 ダイエットを目指している皆さん、僕のような均整の取れた美しい身体を作りたければ、バランスの良い食事をされることをお勧めします。







2025/03/26 4:43:26|エッセイ
続・おとぎ話
 悪い女猟師に捕まった可愛い小鳥は籠に入れられたまま、不自由な日々を送っていました。餌は与えられるものの、籠の外に出ることはできません。外で可愛いメスの鳥が飛んでいても、近付くことさえできないのです。
 しかしあるとき、飼い主の女がちょっと目を離したスキに、籠から飛び出すことができました。小鳥は一生懸命飛んで、遠く遠く日向の国(今の宮崎県)まで逃げました。
 そこは暖かく、冬も雪が降りません。楽園のような国には、たくさんの小鳥がいて、みんな親切にしてくれました。逃げた小鳥は、そこで初めて自由のありがたさを味わいました。優しいメスたちに囲まれてとても幸せでした。
 しかし幸せは長くは続かないものです。小鳥の居場所を見つけた飼い主の猟師が追い掛けて来て再び捕まえてしまったのです。
 小鳥は今日も籠の中、悲しい毎日が続いているのです。







2025/03/25 5:04:21|エッセイ
おとぎ話
 むかし、むかし、周防のくに(今の山口県)で、とても可愛いオスの小鳥が生まれ、家族と一緒に暮らしていました。大きくなって巣立ちはしたものの、やっと飛べる状態で、ちょっと風が吹けば落ちてしまいそうです。まだ世間を知らず、純情で、彼女さえいません。
 ある日、小鳥は風に乗って遠くまで飛んで行きました。見る景色も珍しく、いつしか随分遠くまでやって来たようです。かなり遠くまで来たとき、霞ケ浦という大きな湖の傍に小さな村がありました。
 その村に女の猟師が住んでいて、小鳥を掴まえようとカスミ網を仕掛けました。何も知らない小鳥は、かすみ網に気がつかずに引っ掛かり、がんじがらめになって捕まってしまいました。女猟師は、小鳥があまりに可愛いので籠に入れて飼うことにしました。
 籠の中の小鳥は、今も自由が欲しいと鳴き続けています。







2025/03/23 4:20:47|小説「朧月夜」
朧月夜−22−(最終回)
朧月夜−22−(最終回)

 チャイムを鳴らしても、インターフォンで呼んでも、やはり応答がない。合い鍵を使って部屋に入ってみると、テーブルの上に封筒があった。私は、急いで封筒を開けてみた。

「こんな形でお別れすることをお許しください。
 私は、あれから考えました。あなたと別れることは、本当につらいことでした。でもいずれは別れなければならない。あなたには、奥さんもお子さんもいらっしゃいます。そんなあなたと一生いっしょにいることはできません。
 私もまた故郷の親から結婚を強いられています。年老いて病床にいる母は、私が結婚しないでいることが唯一の心配の種だと言っております。
 私は、彼と結婚することにしました。この前言いましたように、彼は決して素晴らしい人間ではありません。ごく普通の人間です。あなたと比べると、足元にも及ばないでしょう。でも、彼は私を求めてくれています。私が、愛人であったことも承知でプロポーズしてくれたのです。
 そうは言いましても、この先、私があなたのことを忘れられるという自信もまたありません。彼と何回か身体を交えましたが、いつも脳裏にはあなたのことが浮かぶのです。私は、あなたによって女の悦びを知りました。あなたによって女になったと申し上げても言い過ぎではないでしょう。そのくらいあなたは私の中で大きな位置を占めているのです。
 やがてあなたのことが忘れられなくて、連絡をするかも知れませんが、それまでは、彼とのことに全力を尽くしてみたいと思い、取り敢えず今までの契約は反故にして頂きたいと思います。
 あなたのお幸せを心よりお祈り致しております。
             かしこ    
                友紀 」

 私は、その手紙を読んで、大きなショックを受けた。
 今までに何人かの女性と付き合ったことがあり、中にはかなり深く付き合った人もいたが、友紀ほど私の胸に入り込んだ人はなかった。しかし、これ以上何もできない。そのままマンションを出て車を拾うために表に出たが、静かな住宅街のこと、車はなかなか来ない。仕方なく駅の方向に向かって歩き始めた。
 春の宵、空には満月に雲がかかり、ときおり輝いたかと思うとすぐに暗くなっていた。
                −完−







2025/03/22 4:23:21|小説「朧月夜」
朧月夜−21−
朧月夜−21−

 私達は、話を続けた。
「もし、私が彼と恋人になったら、私達の関係はもうおしまいなのでしょう?」
「うん、君に対しても、君の恋人に対しても悪いしね。好きな人がいるのに、いつまでもこんな関係を続けているわけにはいかないよ。」
「でも、あなたのことを忘れられないの。もし彼と恋人になっても、もし結婚しても、付き合って欲しいとお願いしたらいけないかしら。勿論、手当なんかいらないわ。付き合って下さるだけでいいの。」
「それは今結論を出さない方がいいね。君の気持ちもどう変わるかわからないし、それにまずは彼を本当に好きになるように努力することが必要だよ。」
「でも、あなたとも別れたくないの。お金のことではないわ。私、本当にあなたなしではいられない身体になってしまったの。」
「でも、中途半端はいけないよ。それは、君のためにもならないよ。」
「・・・・・」
 友紀は、再び目に大きな涙を浮かべていた。
 私は、そんな友紀が愛おしくなり、肩を抱いて引き寄せた。そして涙を浮かべている友紀瞼に優しくキスをした。しばらく沈黙が続いた後で、私が言った。
「いいんだ。このまま別れるかどうかは、ゆっくり考えてごらん。もし、彼を選んだとしても、君が会いたいなら会ってあげるよ。それはそのときゆっくりと考えればいい。今、結論を出す必要はないしね。」
 その日は、そのまま家に帰った。
 帰りの車に乗ってからしばらくすると、急に寂しさがこみ上げてきた。最初に友紀と知り合ったときは、お金だけで繋がっている関係と割り切っていた。それが1年以上も身体を交えていると、いつしか強い心の結びつきになっていたのである。それは友紀の口から、別れるかもしれないという言葉を聞いて、実感として湧き上がってきたのだった。私の心の中では、このまま友紀を手放したくないという気持ちと、友紀の幸せを奪ってはいけないという気持ちが葛藤していた。
 その次に友紀のマンションに電話をしたとき、いくら呼んでも出なかった。今までにこんなことはなかっただけに、ちょっと心配になった。翌日、もう一度電話をしたが、やはり呼び出しベルが鳴るだけだった。
 私は、友紀のマンションに行ってみることにした。
               ―続く―