男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2026/08/06 12:20:10|小説「人妻」
人妻−05−
人妻−05−

 私は、祥に連絡を取りたいと思った。幸い携帯電話があるので手段には困らない。しかし、タイミングが難しい。彼女の迷惑なってはいけないから、無秩序に電話するわけにはいかない。
 その日、私は外出の日だった。前回、仕事を取れなかった会社に挨拶に行くためだった。
 私は、2台のスマホを持っていた。ひとつは会社から支給されたもので、もうひとつはプライベートのものである。行きのタクシーの中で、思い切って自分用のスマホを取り出すと、彼女にメールを送った。
「昨日は、ありがとう。とても素敵な時間でした。また逢いたいです。光造」
 タクシーが相手方の会社に着き、相手の部長と話をしているとき、ポケットのスマホが振動した。プライベートの方だったから、祥からのものかも知れないと思った。挨拶のためだけだったから、早々に引き上げることにした。
 帰りのタクシーの中でスマホを開いてみると、案の定、祥からのメールだった。
「こちらこそ、ありがとうございました。とても素敵な時間でした。私も、また是非お会いしたいです、祥」
 その日から、彼女とのメール交換が始まった。メールは、朝夕の通勤時間が多かった。今までは、経済新聞を読んでいることが多かったが、満員の電車の中で新聞を読むのは大変だった。しかし携帯だと場所を取らないのであまり苦労せずにメールを打つことができたし、何と言っても祥とのメールが楽しかった。その日も、私は電車の中からメールを送った。
「おはよう。今電車に乗ったところです。祥さんは、もう出勤ですか?」
 すぐに彼女から返事が来た。
「おはようございます。メール、ありがとうございます。今、武蔵境駅の近くです。電車が混んでいて大変ですね。」
 彼女は、私より15分ばかり先の電車に乗っているのだった。一緒に通勤出来たらどんなに楽しいだろうかと思い、メールを送った。
「できれば一緒に通勤したいのですが、いつも同じ電車ですか?」
「はい、西国分寺駅7時15分の電車に乗るようにしています。立川始発なので、少しだけですが混み方が少ないものですから。」
「じゃあ、僕もその時間に合わせたいと思います。一緒に通えたら、どんなに楽しいでしょう。」
「私も、楽しみにしています。」
次の朝、私はいつもより15分早く家を出た。妻が、「あらっ、今日はいつもより早いのね。」と言ったが、「うん、この時間の方が立川始発なので、電車が空いているみたいなんだよ。」と言った。無論、誰から聞いたかは言わなかった。
 実際に彼女と出会えたのは3日後だった。7号車の一番前にいると、彼女が乗って来た。この前会ったときと同じようなスーツに身を包んでいる。
 キョロキョロ辺りを見ていたが、手招きをする私を見付けると、人をかき分けるようにしてやって来た。
         ―続く−







2026/08/05 15:10:10|小説「人妻」
人妻−04−
人妻−04−

 愛の行為が終わった後の静かな時間が過ぎていく。二人は、私の腕枕で静かな会話を交わしていた。
「君は、とても情熱的で素敵だった。」
「あなたも力強かったですわ。」
「こんな魅力的な奥さんを持っている旦那さんが羨ましいよ。」
「でも、私達はもうずっとしていません。」
「なぜだろう?君はこんなに魅力的だし、セックスだって素晴らしいのに。」
「主人は、私より一回りも年上なのです。歳のせいかも知れません。」
「僕だって、50歳だよ。君よりは、ずっと年上のはずだ。」
「でも、あなたはとても力強くてエネルギッシュです。私、虜になりそうです。」
「僕だって、君を好きになった。また逢いたい。」
そう言ってキスをすると、また彼女に挑んで行った。
 その後の会話で、彼女の名前は祥と言い、歳は35歳だと言った。そして、携帯の電話番号とメールアドレスを交換した。
 時計を見ると11時近くになっていた。私は、彼女のことを考え帰ることにした。何より彼女の家庭のことが気になったし、女性の場合は同じ洋服を次の日に着て行くと会社で疑われると女の子達が話しているのを聞いたことがあったから泊まるわけにはいかない。
 ホテルを出て駅まで歩き、そこでタクシーを拾い、一緒に乗った。祥は国分寺のマンションに住み、私の家は国立にあったので隣町である。最寄り駅も隣になる。
 タクシーの中では、二人は無言で手を握り合っていた。
 タクシーは、1時間ほどで彼女のマンションに着いた。かなり大きなマンションであることから、彼女の夫はそれなりの地位にあるものと思われた。
 彼女のマンションから15分で私の家である。
 家に帰ると、妻は起きていた。残業の多い私だったから、先に寝ていることもあったが、この日はパジャマに着替えながらもまだ起きていた。
「今日も、遅かったのね。」
「うん、いろいろあってね。僕は風呂に入って寝るから、先におやすみ。」
 私はそう言うと、そそくさと風呂場に向かった。祥とのことを感付かれるのを恐れたからである。
 風呂に入ると、今日の出来事を思い出していた。
いつの頃からか、私は妻と寝室を別にしていた。ベッドに入ってから彼女にメールを打とうかと思ったが、彼女の迷惑になってはと考えて思い留まった。疲れもあってか、いつしか深い眠りに落ちていた。
 翌日から、彼女のことが頭から離れなかった。食事をしているときも、電車で通勤しているときも、仕事の間さえ彼女のことを思い出していた。
         ―続く−







2026/08/04 15:48:51|小説「人妻」
人妻−03−
人妻−03−

 彼女は、先に浴室に入り、シャワーを浴びていた。後ろから見る彼女の肢体は美しかった。色白で、やや筋肉質だが均整がとれていて、乳房は大きくはないがきれいな形をしていた。子供を産んでいないせいか、乳首は小さくてピンクのままだった。
 この間、お湯が注がれていて次第に浴槽を満たしていた。
 私は、彼女の後ろから近付いて、両手で彼女の胸を抱いた。その瞬間、彼女はビクッと身体を震わせたが、そのまま私のなすがままにさせていた。
 私は、手で彼女の乳房を撫でながら、うなじにキスをした。彼女は、シャワーのお湯を浴び続けていた。
 私は、ボディソープを手に取って、彼女の身体に塗った。背中から肩、お尻に塗って行き、手を前に回して乳房にも塗った。そして石鹸の泡を撫でるように掌で彼女の身体を洗った。
 彼女の口から喘ぎ声が漏れた。乳首を摘んで撫でたとき、彼女の声が更に大きくなった。
 私は、彼女の手を取ると、既にお湯がいっぱいになっている浴槽に誘った。二人が同時に浴槽に入ると、ザーッと音を立ててお湯が溢れ出た。私は、彼女を自分の膝に乗せて後ろから抱き、再びうなじにキスをしながら、両の乳房を掴んで指先で乳首を転がした。
 私の緊張した物が、彼女のお尻に触れて動いた。彼女は、それに刺激されたようにビクッと身体を震わせた。更に、彼女の秘密の部分に手を伸ばすと、そこにはお湯とは違うぬめりが感じられた。
 それに勇気を得たように、私は自分の物に手を添えると彼女の中に入って行こうとした。彼女の喘ぎ声が聞こえた。喘ぎ声をあげながら彼女が言った。
「ここではダメ、ベッドで、ベッドで・・・」
彼女が切なそうな声で言う。
 私は、彼女を抱き上げて浴槽から出し、バスタオルで身体を拭いた。彼女は、立っているのがやっとといった感じで、私がするままに身を任せていた。
 彼女の身体を拭き終えると、裸のまま抱き上げてベッドに運んだ。覆いかぶさるように彼女にキスをすると、唇と手で彼女の全身を愛撫していった。乳首を軽く噛み、秘密の部分に手を伸ばす。彼女の口から、喘ぎ声が漏れた。秘密の部分に指を入れると、そこはすっかり潤っていた。
 そのとき彼女の手が、私の物を掴み、軽くしごくようにした。私の物も、いきり立っていた。私は、時間をかけてゆっくりと愛撫を続けるつもりでいたが、我慢できずに荒々しく彼女の中に入っていった。
         ―続く−







2026/08/03 14:20:21|小説「人妻」
人妻−02−
人妻−02−

 彼女の指輪が外されていることに気が付いた私は、思い切って誘ってみることにして、バーテンに気付かれないように耳元でささやいた。
「今日は、もうちょっとゆっくりして行きませんか。」
「そうですね、私も今日はすぐには帰りたくないです。」
 私は、勘定を払うと彼女の腕を取って店を出、タクシーを拾うと運転手に「恵比寿の駅」と告げた。
 恵比寿の駅の近くにラブホテルがあるのを知っていたし、渋谷では知っている人間に出会う恐れがあったので恵比寿にしたのである。
 タクシーに乗ると、私は彼女の手を握った。彼女も、握り返した。運転手に気付かれないように、彼女の手の甲にキスをした。
 恵比寿に近付いたとき、私は不安になった。今までにラブホテルなどに入ったことがなかったので、入るところを人に見られたらどうしようかとか、受付がどうなっているのかわからないので受付の人間に顔を見られたくもなかった。
 そうは言っても今更引き返す気はさらさらなく、私は彼女の手を握っていた。
 ホテルに着いて、今までの心配が杞憂であることがわかった。ホテルの入り口は、裏の人通りのない狭い路地にあったし、受付けに人はいなくて大きなタッチパネルがあって、空いている部屋にタッチすれば自動的に案内してくれるようなシステムになっていた。
 私は、彼女の肩を抱くようにして部屋に入った。
 部屋は広かった。手前にはソファあり、その奥には大きなベッドがあった。反対側は浴室になっている。
 私は、部屋に入ると彼女を抱き寄せてキスをした。彼女も、待っていたように応じた。彼女のキスは上手だった。私が舌を差し入れると、彼女も絡ませてきた。しばし私達は、抱き合ってキスを交わしていた。
 私は、彼女のスーツを脱がせると、自分も上着を脱いでネクタイを外した。そしてソファに移ると、再びキスを続けた。この間、二人はずっと無言だった。
 私が、彼女のスカートに手を入れようとしたとき、彼女が言った。
「待って、先にお風呂に入りましょう。」
 私は、逸る心を抑えて頷いた。
 彼女は、さっさと浴室へ行くと、着ている物を脱いでいる。脱いだものは下着も含めてきれいに畳んで籠に入れていた。
 私も追い掛けるように、浴室に行くと着ている物を脱いで、彼女の後から風呂場に入って行った。
         ―続く−







2026/08/02 15:42:05|小説「人妻」
人妻−01−
人妻−01−
 年度末のその日、私は落ち込んでいた。ある大きな商談がライバル会社に奪われて、社長に叱責されたばかりだった。そのまま家に帰る気にもなれず、一人で渋谷のスナックに飲みに行った。
 時間が早いせいかその店には他に客はおらず、カウンターの奥の端に座ってウィスキーのロックをゆっくりと飲んでいた。
 私は、電機メーカー本社の営業部長をしていた。これまで業績が順調に来ていただけに、今回の敗北のショックは大きかった。飲みながらも、相手の会社の部長が大きな声で笑っている姿が浮かび、余計に気が沈んだ。
 2杯目のウィスキーを頼んだとき、入り口のドアが開いて、バーテンが「いらっしゃいませ。」と言った。入り口の方を見ると女だった。年齢は30歳を超えているだろうか、知的で端正な顔をしていた。眉が濃く、切れ長な目をしている。濃紺のスーツに身を包んでいることから、見るからにOLである。
 私の横に来て、「ご一緒していいですか?」と言った。私がどうぞと言うと、私の横に座った。ふと見ると、左手の薬指に指輪をしていた。
 彼女は、ハイボールを注文すると、私に言った。
「今日は、無性に飲みたくて来ました。」
「そうですか。僕もそうです。」
「お仕事帰りなのですね。」
「えゝ、仕事でちょっと嫌なことがあって、真っ直ぐ家に帰る気がしなくて、こうしてここに立ち寄りました。」
「あらっ、私もですわ。」
「仕事もうまく行っているときは張り合いもあるし楽しいけど、失敗するとがっかりしますね。」
「私、今日、提案した企画を上司に散々文句を言われ、結局潰されてしまいました。」
「そうですか、僕もライバル会社に商売を取られ、社長から散々絞られたところです。」
「お互いの残念会で、乾杯しましょうか。」
私達は、グラスを合わせて乾杯した。
「三宅と言います。」
「私、富士埼です。ふじは花の藤ではなくて、富士山の富士です。ちょっと珍しいでしょう。」
「そういう点では、僕の名前などとても単純だ。間違えようがない。」
「そうですわね。でも、一々説明しなくて良いだけいいですわ。」
彼女は、そう言ってオホホと笑った。
 彼女は、仕事で失敗したというわりには、あっけらかんとしていた。酒がそうさせているのか、彼女本来の性格かはわからないが、陽気な性格であるのは間違いないと思った。そんな彼女と話をしていると、私まで今日の仕事の失敗を忘れていた。
 しばらくしてトイレに立ち、帰って来たときに見ると、彼女の指から指輪が外されていた。
         ―続く−