夜の訪問者−20−
その夜、光義は幽子と相談をした。幽子が言った。 「あいつは冷酷な奴だから油断をしちゃ駄目よ。お金は、あたしの口座に振り込ませるのよ。天井裏に通帳とカードがあるわ。」 光義が台所の天井裏の小さなパネルを押すとそこが開いた。手を入れてみると通帳とカードが出て来た。通帳を開いて見ると1000万円近い残高があった。 「随分、貯めていたんだなあ。」 「そりゃあ、お金は大事だもの。でも死んじゃったから何にもならかったわ。」 「それもあいつのせいだ。何とか刑務所に入れなければ。」 「あいつの金はこの口座に振り込ませるのよ。あいつもあたしの名前を聞いたら驚くと思うわ。」 「よし、そうしよう。明日、あいつのところに電話をするよ。」 それから二人は、幽子の持って来た料理と酒で飲んだ。今日は和食と日本酒だった。 翌日、光義は利之に電話をした。 「俺だ。金の振込み先を教える。メモの用意はいいか?」 「よし、言え。」 「○○銀行 △△支店 普通預金で口座番号は4494989 名義は菅原裕子だ。以上、メモはちゃんと取れたか?」 「お前、俺を馬鹿にしているのか? 裕子は死んでいるんだぜ。」 「いいから振り込んでみてから言え。明日までに振り込まれていないと、警察に駆け込むぜ。」 光義は、また一方的に電話を切った。 −続く− |