男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2026/08/21 12:12:54|小説「人妻」
人妻−20−
人妻−20−

 明日は赴任して行く日である。洋子が持って来た書類の中に1枚のメモがあった。
「部長、長い間お世話になりました。私も、社長室勤務になります。部長と二人で送別会をしたかったのですが、お忙しいようなので遠慮致しました。九州に行かれても、どうぞお元気でご躍ください。 川野辺」
 整ったきれいな字でそう書いてあった。私は、サッと目を通すとそれをポケットに仕舞った。自分の席からその様子を見ていた洋子は、こっちを向いてニコッと微笑んだ。
 異動の日がやって来た。私は、妻と一緒に新幹線で九州に向かった。妻は、家財道具や引っ越し後の整理のためにやって来たので、それが終れば帰る予定である。
 会社が社宅として借り上げたマンションは、町から15分ほど走った郊外の山の手にあった。荷物を置くために社宅に寄ると、総務の人間が迎えに来ていた。そのまま妻と共に、会社に行った。
 工場長の部屋は、以前出張で何度も来ていたので、目新しいものはなかった。妻は、総務の人間に「お世話になります。」と言いながら挨拶をしていた。
 2日ほどいて、妻は帰って行った。
 妻を駅まで送って行ってから携帯のメールを開いて見ると、祥と洋子からのメールが届いていた。どっちも着任の祝いの言葉と、新しい任地での感想を問う内容であったが、祥のには私がいなくなってしいと書いてあり、洋子のには社長は厳しい人で仕事は忙しく私と一緒だった頃が懐かしいと書いてあった。
 私は、まず祥に返事を書いた。
「メールをありがとう。
こっちに来て、最初は地域への挨拶回りバタバタして忙しかった。そのうちにゆとりも出て来るだろう。でも夜は退屈で、暇を持て余している。そんな時、君とのことを思い出している。君の、優しさと素敵な身体を思い出しては、悶々とすることがある。君のきれいな胸のふくらみや、僕を包んでくれる秘密の部分を思い出すと、逢いたい想いがつのります。」
 次に、洋子に返事を書く。
「メールをありがとう。
確かに社長は厳しい人で大変だと思うが、辛抱して頑張って欲しい。あの人の下で頑張れば、どんなところに行っても辛抱できるだろう。こっちにも秘書はいるが、君ほど気が利いて仕事ができる人はいない。本当は、君に来て欲しいくらいだ。」
 翌日、祥からメールが来た。朝の電車の中かららしかった。
「一人電車で通っていると、あなたと一緒だったころを思い出します。あなたの息が耳元にかかったときの興奮が忘れられません。そして、あなたとの夜のことが思い出されます。」
「僕も、君との夜を思い出します。君の黒髪、君の瞳、今すぐにでも口づけしたい。」
「してください。あなたの私の身体へのキスが忘れられません。」
 このようなメール交換が始まって、内容は次第に過激なものへなって行った。
「あゝ、早くしてください。あなたが欲しいです。」
「行く、行くよ。君のお姫様が、僕を欲しがっている。さあ、早くひとつになろう。」
「待ってください。お風呂に入ってからにしましょう。」
「そんな、待てないよ。僕をじらすのはやめてくれないか。」
「でも、汗をかいていますから。」
「いいんだ、その方が君の匂いがして好きだよ。」
「じゃあ、一緒に入りましょう。私が、あなたの身体を洗ってあげますから。」
 こんな調子のメール交換が続いた。
         ―続く−







2026/08/20 11:47:51|小説「人妻」
人妻−19−
人妻−19−

 私と祥との逢瀬は月に2、3回の割合で続き、部下の洋子とは2〜3か月に一回の割合で続いていた。
 2年ほどしたとき、私に異動の内示があった。北九州の工場へ、工場長としての赴任である。この人事は重役へのステップであるから、みんな喜んでくれたが、私は複雑な気持ちだった。祥とも洋子ともこれまでのようには逢えなくなる。本社への出張はできるが、長く工場を空けることはできないし、本社の人間も放っておかないだろうから自由はほとんどないと言ってよいだろう。
 次の朝、出勤の電車の中で、そのことを祥に告げた。
「寂しいです。」
「僕も寂しいよ。宮仕えの辛いところだ。」
「でも、出張で帰って来ることはあるのでしょう。」
「うん、それはあると思うけど、帰って来ても、どこまで自由な時間が取れるかどうかわからないんだよ。」
「でも、メールがあるわ。メールで連絡を取り合えば何とかなるわよ。」
「うん、なるべくそうしようね。」
「ねっ、行く前に二人で壮行会をしましょう。」
「うん、そうしよう。」
 そうは言ったものの、転勤までの日々は忙しかった。後任者の紹介を兼ねた得意先への挨拶は多かったし、相手の会社から送別会と称しての飲み会の誘いも多かった。
 やっと祥と逢えたのは、転勤の3日前だった。連日の飲み会で、私は少々疲れ気味だったが、彼女と逢えるのは嬉しかった。
 私達は、恵比寿の焼き肉屋で逢った。祥が、疲れているだろうからと気を使ってくれたのだった。
「連日、お忙しいのでしょう。」
「うん、酒も嫌いじゃないけど、こうも飲み会が続くとねえ。」
「お疲れ様です。今日は、ゆっくり飲んでください。」
 そう言って、潤んだ目で私を見詰めた。その目は、言葉とは裏腹にこの後のことを期待しているようだった。私は、酒を飲むのを控えた。
 私達は早めに店を出て、早速、恵比寿のホテルに向かった。
部屋に入ると、早速抱き合ってキスをする。それは舌を絡ませる濃厚なものだった。次回、いつ逢えるかわからないと思うと、祥も私も余計に情熱的になっていた。
 その日、私は疲れているにもかかわらず、3度身体を交えた。
「次は、いつ逢えるのでしょうね。」
「うん、当面の予定はわからないけど、連絡するよ。」
「早く逢いたいです。」
「今は、遠くにいても携帯のメールで連絡できるから便利だね。なるべく連絡をするよ。」
「九州へは、奥様もご一緒?」
「いや、単身赴任だよ。」
「そう、じゃあ私が九州へ行ってもいいわね。高校の修学旅行で行ったけど、その後行っていないのです。」
「それはいいね。その頃には、僕も地元の地理にも慣れているだろうから、君を案内できると思うよ。」
 その日、タクシーで帰る間、二人は手を繋ぎ合っていた。
         ―続く−







2026/08/19 12:44:25|小説「人妻」
人妻−18−
人妻−18−

 もちろん、私も祥の家に来たときから、そのことを期待していた。私は、グラスを置くと、彼女を抱き寄せた。熱いキスが交わされる。手は、T―シャツの上から彼女の乳房を撫でている。
「逢えて嬉しい。」
「私も!」
 私は、彼女を膝の上に載せて抱くと、キスをしながらT−シャツの裾から手を入れて乳首に触れた。彼女の口から喘ぎ声が漏れる。
 私は、彼女をソファに横たえて、T−シャツを脱がせた。大きくはないが、形の良い乳房が現れた。これまでに何度も見慣れた乳房だが、いつ見ても美しいと思う。私は、唇を這わせた。乳首を舌で転がすようにすると、再び彼女の口から喘ぎ声が漏れた。
 彼女のジーンズに手をかけると、彼女は僅かに腰を浮かせて脱がせやすいようにした。彼女の美しい脚が現れる。私は、お腹から彼女の秘密の部分に舌を這わせて行った。彼女の声が次第に大きくなった。
「ねえ、来て!」
もう我慢できないというように、私の物に手を添えて言った。
 私は、彼女の脚を大きく開いて腰を進めて、彼女とひとつになった。彼女の秘密の部分が、私の物を優しく包んだ。
「いい、いい。気持ちいい。相変わらず光宏さんは素敵です。」
「僕もいいよ。祥さんは、とても素敵だ。」
 秘密の突起を撫でながら、激しい律動を繰り返した。彼女の声がだんだん大きくなっていく。私は、隣に聞こえるのはないかと心配になるくらいだった。
 しばらくして、私は果てた。彼女も私も、荒い息をしていた。
 その後で、私は心配になった。彼女を妊娠させては大変だからである。そのことを言うと、彼女は、今日は安全日だから大丈夫だと言う。私は、その言葉に安心したが、考えてみれば人妻の彼女だから、その辺には十分に気を配っているはずだった。
 終わった後で、彼女が言った。
「ねえ、シャワーを浴びません?」
「そうだね。」
 彼女が、浴室に案内をした。私は、彼女の手を取ると、一緒に入ろうと言った。二人で、そのまま浴室に入ると、ぬるい湯のシャワーを浴びる。私は、彼女の身体に石鹼を塗ると、背中を流した。背中が終ると、向き合って彼女の乳房に石鹸を塗って洗って行く。指先で乳首を転がすようにすると、彼女は私の物に手を添えた。私の物は屹立している。彼女は、クスリと笑って言った。
「まあ、もうこんなになって!」
愛おしそうに撫でている。
 私は、椅子に座ると、彼女を膝の上に座らせて、ひとつになった。
 彼女の秘密の部分が、私を優しく包んでいる。動きはないが、それだけで二人は静かな快感に浸っていた。
 愛の行為の後で、ビールを飲み直す。二人とも裸のままで、グラスを傾ける合間にキスを交わす。満ち足りた時間が過ぎて行った。
 私はゆっくりしたかったが、散歩に行って来ると言って家を出た手前、そうもいかない。私は、帰ることにした。
 家に帰ると、妻はいなかった。どうやら買い物に出掛けているようである。私は、酔いを醒まそうと早々に風呂に入った。
         ―続く−







2026/08/18 15:44:08|小説「人妻」
人妻−17−
人妻−17−

 私は、次の週末も祥がいるのではないかと思って公園に行った。広い公園であるから、いても逢えるものではないと思ったが、それでもかすかな希望を抱いていた。
 1時間ほど中を歩いていて、そろそろ帰ろうと思って出口に向かったときに、入って来る祥の姿が見えた。今日は、ジーンズにピンクのT−シャツ姿だった。彼女も私に気が付いたらしく、こちらに向かって手を振っている。どうやら一人で来たらしい。
「今日は一人?」
「えゝ、主人は出張ですの。光宏さんもお一人?」
「うん、もしかしたら君に逢えるのではないかと思って来てみたんだ。」
「お花がきれいだったでしょう。」
「それが、君がいないかと思って人ばかり見ていたので、花はあまり見なかったよ。」
「じゃあ、もう一度ゆっくり見ましょうよ。」
 私は、祥と一緒に元の道を引き返した。
 まだ向日葵が咲いていた。時期をずらして植えてあるらしく、もう終わりに近い花もあれば、これから咲く花もあった。
「私、向日葵が好きです。あの元気に咲いている姿を見ると、元気を貰えますのよ。あの元気さは、光宏さんみたい。」
 そう言って、ウィンクをした。
 1時間ほど公園を歩いた後で、私が彼女に食事に行こうと誘うと彼女が言った。
「ねえ、うちにいらっしゃらない?何か作りますわ。」
「いいの?面倒じゃない?」
「いいえ、家の方が落ち着くわ。」
 彼女の家は、公園から歩いて30分のところにあった。以前、タクシーで送ったときに見たマンションである。
 部屋は大きかった。ダイニングだけでも3〜40平米はありそうである。テーブルが置かれ、その向こうにはソファがあった。部屋には、余分なものはなくきれいに整頓されていた。
 彼女は、私をソファに座らせると、冷蔵庫からビールと、チーズや生ハム、サラミなどのオードブルを持って来て、私の前に置いて、隣に座った。
「逢えて良かった。僕が帰るのがもうちょっと早いか、君が来るのが遅かったら逢えなかったね。」
「これも運命でしょうか。」
「二人は、出会えるようになっているのかも知れないね。」
 そんな会話を交わしながら、ビールで乾杯をする。
 今までは外の店で逢っていたので、彼女の家で飲んでいるとまた雰囲気が違った。私は、飲むのを控えた。家に帰ったときに、あまり酔っていたのでは言い訳に困るからだった。
「ご主人は、どちらに出張?」
「アメリカです。ニューヨークに視察旅行とかで、一昨日行きましたから、1週間は帰って来ません。」
「そうか、お役人も大変だね。」
「いえ、本人は喜んで行きましたわ。」
 彼女はそう言うと、私に身体を摺り寄せて来た。
         ―続く−







2026/08/17 15:52:44|小説「人妻」
人妻−16−
人妻−16−

 祥が、大きな声で絶頂を迎えた後、静かな時間が過ぎていく。彼女の額に汗で髪の毛が張り付いていた。それが歓びの大きさを物語っているようだった。
「相変わらず、光宏さんは力強くて素敵です。」
「君が、とても魅力的だからさ。」
「いつまでもこうしていたいわ。」
「僕だってそうだよ。」
 二人は、キスを交わしながら、余韻を楽しんでいた。結局、その日も3度身体を交えた後で、ホテルを出た。
 翌日、出社をすると、洋子がコーヒーを持って来た。私の表情を見た洋子が言った。
「昨日の会合は、上手く行きましたか。」
「うん、お陰様で。そうだ、常務のところに行かなくちゃいけなかったね。」
「はい、今朝一番で伺いますと言っておきましたから、よろしくお願いします。」
 常務の話は、今後の営業方針についてのもので、さほど急ぐものではなかった。
 洋子との逢う瀬は月に一度ほどで、大抵は金曜日だった。彼女は、私の行動予定を把握していて、それを見ながらメールで逢いたいと言って来た。私は、拒むことができなかった。無論、彼女に魅力を感じていないわけではない。むしろ楽しみだったが、祥に対する背徳感のようなものを感じていた。
 洋子のセックスは、経験が少ないだけに受け身で素直だった。私の愛撫に、素直に反応していた。濃厚な祥とのセックスとは違った新鮮味を感じていたのは確かである。洋子もまた、これまでの若い男とのセックスとの違いを感じていたのかも知れなかった。
 週末のある日、この日は接待ゴルフもなく久し振りに近くの公園に散歩に出掛けた。天気も良く、公園は家族連れで賑わっていた。広い花畑にはたくさんの向日葵が咲いていて、人々は感心したように見入っていた。
 私は、その中に祥がいるのを見付けた。半袖の淡い空色のワンピースを着ていて、私と同年配の男と一緒である。白髪交じりの頭で、恰幅が良い。彼女の夫だろうと思った。
 私は、彼女に見付からないように距離を置いて後をつけた。いかにも長年一緒にいる夫婦といった感じで、何かを話しながら歩いている。その様子を見ていた私は、軽い嫉妬のような感覚を覚えていた。
 月曜日の朝の通勤のとき、電車で乗り合わせた私は、彼女の耳元で囁いた。
「一昨日は、ご主人と公園にいたでしょう。」
「あらっ、光宏さんもいらしたの?」
「ご主人と、いかにも仲が良さそうだったね。」
「それは夫婦ですから、仕方がありませんわ。あなたは、一人でいらしたの?」
「うん。女房は、一緒に来るような女じゃないよ。」
「そうですか、夫婦にもいろいろな形があるのですね。」
「君は、優しいよ。御主人が羨ましい。」
「夫婦も、内情はわかりませんわ。外から見た目と、内側から見たのでは違うことが多いですから。」
「確かにねえ。我が家だって、外から見れば仲の良い夫婦に見えるかも知れないね。」
 そんな話をしている間に、電車は新宿を経由して渋谷に着いた。二人は、お互いに「また逢いましょう。」と言って、それぞれの会社に向かって歩いて行った。
         ―続く−