赤い糸・白い糸−31−
ジョージは、アメリカから中学校の英語教師として岐阜の学校に赴任していた。背が高く、ハンサムで、ユーモアたっぷりの授業は生徒の間でも人気だった。同じ英語教師の池島由佳は、教育のことでわからないことがあったりすると、よくジョージに質問をした。
そんなことから、いつしかジョージに好意を持つようになり、ジョージの方にもその気持ちは伝わっていた。生徒の手前、公然とデートをするのは差し控えたが、インターネットのメールのやり取りなどで自分の気持ちを伝えるようになっていた。
ある日、由佳はジョージを諏訪湖にドライブに誘った。遠くなら生徒達に見られることもないし、日本を案内するという大義名分も成り立つからである。そのとき自分の気持ちを打ち明け、ジョージも結婚を前提に付き合うことを約束した。
家に帰ると、両親に話したが、父親は激怒した。
「俺は、お前を外人にやるために大学まで出したんじゃない。」
「だって、私、彼のことを好きだし、彼だって好きだと言ってくれているのよ。」
「でも、いずれはアメリカに帰って行くんだろう。」
「それは・・・・・」
「孫の顔を見るにも、アメリカまで行かなくちゃならないのか?」
「・・・・・」
「そうだろう。そんなの許せると思うのか。」
結局、父親は譲らなかった。母親も黙ったままである。その日、口をきかないまま寝床に就いた。母親も、言葉は同情的だったが、二人の結婚には反対だった。理由は父親と同じである。
その頃、雲の上では・・・・・
−続く−