男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2026/08/31 11:58:50|小説「人妻」
人妻−30−(最終回)
人妻−30−(最終回)

 社内の資料庫でのキスのとき「続きは今宵・・・」と言ったことで、仕事の後でデートすることが決まった。
 私は、先に会社を出ると恵比寿のレストランで洋子を待った。30分ほど遅れて洋子がやって来た。
「今日は、とても刺激的だったよ。社内でキスをするだけで、あんなに興奮するものだね。」
「私も、この時間が待ち遠しかったです。」
「じゃあ、急ごう。」
 私達は、ビールを1本飲んだだけで急いで食事を済ませると、そのままラブホテルに向かった。
 部屋に入ると、すぐに抱き合ってキスをする。お互い背中に回した手に力が入り、舌を絡ませた濃厚なキスをしながらも、私は彼女のブラウスのボタンを外して行った。彼女も、私のワイシャツのボタンを外す。
 二人とも裸になると、ベッドに入って抱き合った。彼女の身体に愛撫を加えると、すぐに彼女は燃え上がった。
「早く来てください!」
叫ぶように彼女が言った。
 私は、十分にいきり立っていた物に手を添えて、彼女の中に入って行った。肉体をぶつけ合うような激しい愛の行為が続いた。
 その後も、通勤は一緒のことが多かったし、公園で逢うこともあった。公園で逢ったときは、大きな木の陰でキスを交わした。
 彼女の夫が出張の時、家に呼ばれたことがあった。そのときは、居間のソファで愛し合った。
 ある日、公園で逢ったとき、彼女が言った。
「私、赤ちゃんができたようです。」
「ふ〜ん、おめでとう。君もお母さんか。」
「あなたの子供かも知れません。」
「えっ、それでどうするの?」
「もちろん産みます。」
「でも・・・・・」
「大丈夫です。夫も、あなたと同じ血液型です。まさかDNA鑑定をすることもないでしょうから、バレることはありませんわ。」
 私は、彼女の度胸に驚かされ、何も言えなかった。
 妊娠してしばらくしてから、彼女は退職した。半年後、彼女は女の子を出産した。
 それから5年の歳月が流れた。私は、子会社の社長になっていた。その間、彼女と逢うのはもっぱら休日の公園だった。女の子の手を引いた彼女は、すっかり母親になっていた。彼女によると、娘が私に似ていると言う。どうやら、戸籍上は彼女の夫の子供であるが、血は私の子供のようである。
 淡々と言う彼女に、私は複雑な気持ちで、言うべき言葉が見付からなかった。
 彼女が、娘に言った。
「さあ、おうちに帰りましょう。おじさんにご挨拶して。」
「おじさん、さようなら。」
「さようなら。」
 私は、帰って行く二人の後姿をしばらく見送ってから、家路に就いた。
          ―完―







2026/08/30 14:00:08|小説「人妻」
人妻−29−
人妻−29−
 
 洋子と逢った次の日、私は週末の日課のようにしている公園の散歩に出た。歩いて30分ほどだし、公園は広いので、日頃ほとんど歩くことが無い私にとって良い運動になる。
 公園には、家族連れや恋人らしいカップル、一人者など、たくさんの人が来ていた。
 しばらくすると、一組のカップルがすぐ目の前を歩いているのが目に入った。何となく見たことがあるよう気がしてよく見ると、女は洋子だった。男は、後ろ姿で確認はできなかったが彼女の夫だろう。彼女は夫の肩に頭を寄せるようにして歩いている。それは、いかにも仲の良い夫婦だった。
 私は、彼等に気付かれないよう、そっとその場を離れた。
 私と逢っているときの彼女からは考えられない姿だった。今日の彼女と、私と逢っているときの彼女は、どっちが本当なのだろうかと疑った。
 どっちも本当なのかも知れない。家庭生活では良い夫で、夜の生活以外は満足していることも考えられる。いずれにしても、私は複雑な気持ちだった。
 月曜日、電車で一緒になったとき、洋子はいつものように明るい笑顔で挨拶をした。私は、公園で見掛けたことを話そうかと思ったが、話してどうなるものでもないので止めて、月並みな会話を交わしていた。
 しばらくしたとき、私はある会社との過去の契約資料が見たくなり、地下の資料庫に行こうとした。私の動きに気付いた洋子が、どこに行くのかと聞くので、「資料庫に行く」と言うと、「お手伝いします。」と言った。
 資料庫は、古い資料がスチール製の棚に山積みにされていて、探すのが大変だった。洋子は、昔、資料整理をしていたことがあるので、ある程度詳しいはずである。
 私が、契約年度と契約相手方の名前を言うと、彼女は手際よく探し始めた。そして30分もしないうちに、目的の資料を探し出した。
「常務、これでよろしいでしょうか。」
「うん、これだ、これだ。これを探していたんだ。僕一人じゃ、とても見付からなかったよ。ありがとう。」
「じゃあ、ご褒美にキスして下さい。」
「・・・・・」
「ネッ、いいでしょう。」
 そう言うと、彼女は抱き着いてキスをせがんだ。私は、彼女を抱き寄せて唇を合わせた。
 社内でのキスは、異様な興奮を呼び起こした。私は、思わずブラウスの上から彼女の胸を撫で、彼女は私の股間に手を伸ばしていた。
 しばらくそうしていたが、二人が長く席を外しているのは不自然である。
「続きは、今宵・・・」
 私がそう言うと、二人は身体を離してオフィスに戻った。
         ―続く−







2026/08/29 13:57:50|小説「人妻」
人妻−28−
人妻−28−

 ホテルに入ると、すぐに抱き合ってキスをした。この日、洋子は最初から積極的だった。
 私は、キスを続けたまま彼女のブラウスのボタンを外して行った。ブラウスの下から、まだ新しい淡いブルーのブラジャーが現れた。更にスカートのホックを外すと床に落ちた。現れたのはブラジャーとお揃いのパンティだった。いわゆる勝負下着で、彼女の今日に賭ける意気込みが伝わって来る。
 私は、下着姿のままの彼女を抱き上げて、ベッドに運び、覆い被さるようにキスをした。洋子も、情熱的なキスを返している。焼き肉を食べたばかりだが、お互い気にはならない。
 私は、唇を首筋から胸に這わせていき、このとき初めてブラジャーを外して、乳首を含んだ。舌で転がすようにすると、洋子の口から喘ぎ声が漏れる。それから徐々に下半身に向かって唇を移動させる。下着を脱がせると、彼女の秘密の部分は既に潤っている。
 5年前、初めての時も彼女は積極的だったが、初心さがあった。人妻となった今は、どっちかと言うと奔放的である。
 時間をかけた愛撫の後で、彼女が言った。
「お願いです。来てください。」
私は、彼女の中に入って行った。
「あゝ、いいです。常務、素敵です。」
「君も、とても素敵だ。柔らかくて温かい。」
 私は、大きく動いた。あっという間に、二人は絶頂を迎えた。
 終わった後で、彼女が言った。
「こうしてお逢いしたかったです。」
「僕も逢いたかったけど、でも何だかご主人に悪くて。」
「いいのです。彼、セックスにあまり興味が無いようなのです。」
「君がこんなに魅力的なのに?」
「と言うか、彼はマザコンなのです。もう40歳になろうというのに、お母さんが、お母さんっておかしいでしょう。」
「ふ〜ん、そうなのか。」
「常務の力強さとは、比べ物になりません。」
「ところで、常務ってのはやめてくれないか。社内はともかく、プライベートでは、三宅でも光宏でもいいからそう呼んでくれないか。僕も、君を洋子って呼ぶから。」
「わかりました、常務、いえ光宏さん。」
「アハハッ、物分かりが良いね、洋子。」
 そう言うと、二人は抱き合ってキスをした。そしてそのまま、愛の行為に没頭した。
 その日、私達は三度身体を交えた。洋子も私を求めて来たし、私も洋子の魅力に力を得ていた。私の下で歓びに喘ぐ彼女を見ていると、本当に愛おしいと思う。そのことで、私は元気を得ていた。
 帰る前に、二人はシャワーを浴びることにした。石鹸を塗り、お互いの身体を愛撫でもするように洗い合ったが、お湯は温めにし、髪を濡らさないように気を付けた。お互いに家庭があることを意識した行動だった。
         ―続く−







2026/08/28 18:12:55|小説「人妻」
人妻−27−
人妻−27−

 次の日から、私は洋子と一緒に電車で通勤した。昔から出勤は早い方であったから妻も会社の人間も、不自然とは思わなかったようであった。
 彼女と話をしながらの通勤は楽しかった。電車は相変わらず混んでいたが、それも苦痛にはならなかった。
 社内ではずっと一緒にいるのだが、面と向かってプライベートな話をすることはできない。電車の中の方が、話ができた。
「ご主人とは、仲良くやっているの?」
「えゝ、優しい人ですけど、夜が・・・・・」
「えっ、夜がどうなの?」
「以前の常務のように力強くありません。」
「だって、まだ若いんだろう。」
「もうすぐ40歳になります。」
「40歳じゃ若いよ。」
「でも元気がありません。」
「立派な体格をしていたから、何かスポーツをしていたんだろう?」
「えゝ、学生時代はラグビーをしていたようです。」
「じゃあ、体力は十分な筈だよねえ。」
「淡白なのです。性格です。」
「そうか、夫婦もいろいろあるからねえ。」
「常務のところはいかがですか。」
「僕だって、若い頃はそれなりにあったけど、さすがに最近はねえ。」
「そんなものですか。」
「そんなものだよ。」
「私、以前、常務に抱かれたときのことが忘れられません。」
「・・・・・」
「ねっ、またいいでしょう?」
「・・・・・」
 私は返事を躊躇したが、彼女がこれを言うには相当の覚悟があった筈である。拒めば、恥をかかせることになる。結局、小さく頷いた。
 金曜日、私は洋子と仕事が終わった後で食事をすることにした。
 会社は、相変わらず金曜日を定時退社日にしていたから、6時には会社を出ることができた。
 会社を出たところで、私が聞いた。
「焼肉はどう?無性に食べたくなってね。」
「私も、焼き肉は大好きです。女同士のときは、よく行きます。それに、今日は常務にも元気を付けていただきたいです。」
 その言葉で、彼女が既にその後の私とのことを期待していることがわかった。こういう誘い方をするのも、彼女の心遣いだった。
 私は、駅まで行ったところでタクシーを拾うと、六本木に向かった。昔行ったことがある焼き肉屋である。
 洋子は、よく食べた。スレンダーな体格のわりには食欲は旺盛である。これでは、夫はパワーが追い付かないのかも知れないと思った。
 1時間ほどで食べ終わると、すぐ近くのホテルに入った。
         ―続く−







2026/08/27 3:58:44|小説「人妻」
人妻−26−
人妻−26−

 その後も祥とのメールのやり取りは続けていた。お互いが、逢えない切なさを嘆くような内容が多かったが、夜などセクシャルな内容でお互いの孤閨を慰め合うこともあった。
 しばらくして、彼女からメールがあった。夫と離婚し、アメリカに行くという内容のものだった。アメリカの企業から誘いがあり、自分は仕事に打ち込みたいので、行くことにしたと言う。
 私は、彼女との本当の別れが来たことを悟り、今までの愛情に感謝し、成功を祈ると返事を送った。それから3か月後、彼女はアメリカに発って行った。
 1年が過ぎたとき、洋子から結婚式の日取りが決まったことを連絡して来た。招待状を送るので、参列をお願いしたいとあった。
 結婚式の日、私は上京した。
 白いウェディングドレス姿の洋子は美しかった。新郎は、彼女より10歳年上だった。私とベッドを共にしたことがある彼女の花嫁姿を目の当たりにした私の気持ちは複雑だった。
 キャンドルサービスで、私の席に来たとき、彼女は「その節はありがとうございました。」と言った。私が、「こちらこそお世話になりました。」と言うと、次の席に移って行った。
 それから1年後の春、私は本社に戻るよう辞令を受けた。営業担当の常務だった。洋子も、結婚を機に社長秘書から営業部に戻っていた。
 そして私の秘書のような役割をしていた。
 ある日家にいるとき、電話があった。
「梅沢です。」と言う声に、瞬間、誰かと思ったが、声は洋子の声である。洋子が姓を梅沢に変えていたことを思い出した。
 挨拶に来たいと言うので、私は待っていると返事をした。
 日曜日、彼女が一人でやって来た。結婚後、しばらくは夫の実家に住んでいたが、最近、隣のマンションに引っ越して来たので挨拶に来たのだと言う。
 隣にいた妻も、仕事上彼女の世話になっていることを知っているので、にこやかに話を聞いている。
 30分ほど話をして、彼女は帰って行った。
 妻が言った。
「彼女、賢そうな人ね。」
「うん、社長秘書をしていただけあって、細かいところにも気が付くし、素晴らしい女性だよ。」
「そうでしょうねえ。昔は、あなたのところにいたのでしょう。あなたも、彼女に随分、助けられたんじゃない?」
「そうなんだ。部の中の事情にも詳しくて、いろいろアドバイスをしてくれたよ。仕事にも詳しいけど、人情の機微にも通じているところがあるんだ。」
「彼女のご主人は幸せね。」
「うん、彼女は、気配りのできる人だから大丈夫だと思うよ。でも旦那さんはどんな人だろうね。結婚式で見ただけだけど、かなり年上みたいだよ。」
 妻としばし洋子の話をした後、私達はそれぞれの部屋に戻った。
         ―続く−