蛍―05―
その日も良い天気だった、私はコンビニでお握りやお茶、おやつなどを買って、リュックに詰め込むと山に向かった。山に登る途中では、蝉が賑やかに鳴いている。 1時間半ほどで山頂に着いた。時間を約束していたわけではないので、彼女いつ来るかはわからない。私は、木陰の岩の上で、持って行った本を広げて待った。 1時間ほど待ったところで彼女がやって来た。この日、彼女はライトブルーのシャツを着ていた。この季節は虫が多いので半袖は避けている。 「こんにちは。今日は、お揃いになりましたね。」 私も同じ色のシャツを着ていたのである。 「三嶋さんが、この色のシャツを着ていたので、買って来ました。」 「早速ですが、昼食にしませんか。」 彼女を私の隣に座らせ、そう言ってリュックからお握りを取り出すと、彼女もリュックから包みを取り出した。やはりお握りだった。沢庵や卵焼きが添えてあった。 「アハハッ、ここでも意見が合いましたね。」 私達は、先に彼女が作って来たお握りから先に食べることにした。 山で食べる食事は美味しかった。ましてや彼女と一緒に食べる味は格別である。 いつもは家で、一人で食べている。たまにはステーキや刺身など贅沢なものを買って来ることもあったが、山の上で彼女と食べるお握りの味にはとても及ばないと思う。 1時間ほどお喋りをしながらの食事を終えたところで、私が言った。 「この間のところに泳ぎに行きましょうか。」 「いいですね。暑いですものね。」 話が決まると、急いで下山の準備をした。谷あいにある滝は、陽が沈むのが早いので、陽が照っているうちに行きたかったのである。下りるとき彼女も思いは同じようで速足だったし、私も必死で後に着いて行った。 急いで下りたせいで、40分ほどで滝に着いた。 早速、二人は衣類を脱いだ。彼女は恥ずかしがる様子もなく滝の方を見ながら衣類を脱いでいった。私も、彼女に引かれるように来ているものを脱いだ。 裸になった彼女は、勢いよく水に飛び込んだ。私も、彼女の後ろから水に飛び込むと、彼女の後ろを追うように泳いだ。 相変わらず彼女は泳ぎが上手で、私は必死に後をついて行った。同じところをグルグル回るだけなので、いつしか彼女が私の後ろに来ていた。 30分ほど泳いだところで、私が先に水から出てリュックから自分が持ってきたお握りとお茶を取り出して彼女を呼んだ。 「ねえ、おやつの時間にしましょう。」 彼女は、前を隠すでもなく水から上がると私のところに歩いて来て横に座った。 ―続く― |