人妻−30−(最終回)
社内の資料庫でのキスのとき「続きは今宵・・・」と言ったことで、仕事の後でデートすることが決まった。 私は、先に会社を出ると恵比寿のレストランで洋子を待った。30分ほど遅れて洋子がやって来た。 「今日は、とても刺激的だったよ。社内でキスをするだけで、あんなに興奮するものだね。」 「私も、この時間が待ち遠しかったです。」 「じゃあ、急ごう。」 私達は、ビールを1本飲んだだけで急いで食事を済ませると、そのままラブホテルに向かった。 部屋に入ると、すぐに抱き合ってキスをする。お互い背中に回した手に力が入り、舌を絡ませた濃厚なキスをしながらも、私は彼女のブラウスのボタンを外して行った。彼女も、私のワイシャツのボタンを外す。 二人とも裸になると、ベッドに入って抱き合った。彼女の身体に愛撫を加えると、すぐに彼女は燃え上がった。 「早く来てください!」 叫ぶように彼女が言った。 私は、十分にいきり立っていた物に手を添えて、彼女の中に入って行った。肉体をぶつけ合うような激しい愛の行為が続いた。 その後も、通勤は一緒のことが多かったし、公園で逢うこともあった。公園で逢ったときは、大きな木の陰でキスを交わした。 彼女の夫が出張の時、家に呼ばれたことがあった。そのときは、居間のソファで愛し合った。 ある日、公園で逢ったとき、彼女が言った。 「私、赤ちゃんができたようです。」 「ふ〜ん、おめでとう。君もお母さんか。」 「あなたの子供かも知れません。」 「えっ、それでどうするの?」 「もちろん産みます。」 「でも・・・・・」 「大丈夫です。夫も、あなたと同じ血液型です。まさかDNA鑑定をすることもないでしょうから、バレることはありませんわ。」 私は、彼女の度胸に驚かされ、何も言えなかった。 妊娠してしばらくしてから、彼女は退職した。半年後、彼女は女の子を出産した。 それから5年の歳月が流れた。私は、子会社の社長になっていた。その間、彼女と逢うのはもっぱら休日の公園だった。女の子の手を引いた彼女は、すっかり母親になっていた。彼女によると、娘が私に似ていると言う。どうやら、戸籍上は彼女の夫の子供であるが、血は私の子供のようである。 淡々と言う彼女に、私は複雑な気持ちで、言うべき言葉が見付からなかった。 彼女が、娘に言った。 「さあ、おうちに帰りましょう。おじさんにご挨拶して。」 「おじさん、さようなら。」 「さようなら。」 私は、帰って行く二人の後姿をしばらく見送ってから、家路に就いた。 ―完― |