男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/03/02 12:28:54|小説「朧月夜」
朧月夜−01−
朧月夜−01−

 「うん、いいねえ。素晴らしいよ。あんなに素晴らしい娘を一体どこで見つけたの?」
「そうでしょう。偶然なのよ。私が喫茶店にいたら、彼女の方から声を掛けてきたの。それで、前からあなたに頼まれていたでしょう。彼女ならと思って、誘ってみたら、このとおり、この店で働いてくれることになったのよ。」
「じゃあ、彼女とは話はついているのだね。」
「いいえ、それはあなたがすることよ。でも、脈は十分にあるわ。やって見てよ。」
「じゃあ、取り敢えず半額の50万、明日渡すよ。そして見事口説くのに成功したら残りの半分も持ってくるよ。」
 私は、以前から赤坂でクラブのママをしている響子に、自分の女になってくれる若い娘はいないかと相談していた。家に帰れば女房はいるのだが更年期で、碌々口もきかない状態が続いていたし、二人の子供は既に結婚しているので、時間とお金を持て余していた。
幸い、自分の事業も成功していて、お金には不自由していない。 
今まで真面目に事業にだけ精力を注ぎ込んでいたのだが、50歳を過ぎたとき、ふと自分の人生はこのまま終わっていいのだろうかと疑問に思った。
 人生は苦労して業績を残すことも大事だが、それだけでは虚しいような気がした。それとともに、人生を楽しむことも必要である。だからと言って、今更、芸術や趣味を持つほどの下地はない。そうこう考えた末に行き着いたのが女だった。
 自分の人生があとどのくらい残っているのかはわからないが、妻以外の女性と仲良くなれる期間は短いと思う。60歳、70歳になれば、精神的にも肉体的にもそんな元気はなくなるであろう。そういう焦りも手伝っていたように思う。
 「じゃあ、これからはあなたの腕次第よ。今日この店でもいいし、別なところでもいいわ。彼女には、ある程度言い含めておきますから。」
 響子は、そう言うと席を立ち、入れ替わりに友紀がやって来た。
「こんばんは!」
 ミニのワンピースに身を包んだ友紀は、スタイルも抜群だし、色白で鼻筋の通った美人だった。美人に特有の険の強さはなく、やや憂いがかった目はいつも優しい笑みを湛えている。昼間は、ある大手の会社に勤めているのだが、お金が必要なことがあって、夜はこのクラブに手伝いに来ているとのことだった。
「やあ、友紀さんだね。ママさんが、とても美人の女の子が入ったって自慢していたけど、本当にきれいだね。」
「まあ、ママはそんなこと言っていたのですか。恥ずかしいですわ。」
 友紀はそう言って、本当に恥ずかしそうにした。
                ―続く―







2025/03/02 8:53:09|その他
クーリッジ効果
 アメリカの第30代大統領クーリッジの夫人が、養鶏場を視察しました。そのとき、雄鶏が雌鶏としきりに交尾していました。それを見た夫人が、農場主に聞きました。
「ここの雄鶏は、いつもこんなにするの?」
「はい、一日に何十回とします。」
それを聞いた夫人が言いました。
「今度、うちの主人が来たら、このことをよく言っといて。」
 しばらくして、今度は大統領が視察に来ました。農場主が、そのことを話すと、大統領が質問しました。
「ところで、雄鶏の相手は、いつも同じ雌鶏かね?」
「いいえ、いつも相手は違います。」
「そのことを、よく女房に言っておいてくれないか。」
 相手が変われば男が元気になることを、心理学では大統領の名前を取ってクーリッジ効果と言っています。







2025/03/01 5:24:06|エッセイ
バイアグラ
 強壮薬のバイアグラは、けっこう効き目があるようです。飲んだことのある人に聞くと、みんなが、「よく効いて2回でも3回でもできる」と言います。
 ある先輩が、医師の処方を受けてバイアグラを飲みました。ところが一向に効き目がありません。それで医師に効かないと言いました。すると医師が言いました。
「あなた、まさか奥さんを相手に使ったんじゃないでしょうね。」
 暗に奥さんが相手じゃ、バイアグラも効かないと言っているのです。
 その先輩がポツンと言いました。
「女房が相手じゃなきゃ、バイアグラなんかなくても大丈夫だよなあ。」







2025/02/28 5:46:13|エッセイ
セクハラ
 人間は、不公平な扱いを受けると不快な思いをします。ラーメン屋で、先に注文して、後から来た人に先に出されただけで不愉快です。
 セクハラの定義は、@性的、差別的な言動により、A不快な思いをさせることです。差別的な言動で不快を覚えたら、そのままセクハラになってしまいます。
 昔、職場で、女性にはみんな「今日もきれいだね」などと声を掛けていました。声を掛けた人から、セクハラと言われることはありませんでしたが、声を掛けない人から、セクハラだという噂が立ちました。その人達は、よく知らないので声を掛けなかったのですが、それがいけなかったようです。セクハラと言われないためには、女性には平等に接することが必要なのです。
 ただし、妻の座という特権を持った女性は別です。これを他の女性と平等に扱うと、酷い目に遭いますので気を付けましょう。







2025/02/27 4:24:31|その他
ちょっと違う
 十条から浜松に転勤が決まったとき、先に浜松に転勤した事務官のSさんから電話があり、何か準備することがあるでしょうかと言ってくれました。そこで僕が言いました。
「Sさんは、テレビではぐれ刑事純情派の中で、最後に藤田まことが行く真野あずさがやっている店があるでしょう。あんなママさんのいる店で安いところを探しておいて欲しい。」
 しばらくして勇躍、浜松に赴任しました。すると、すぐにSさんが浜松市内の店に連れて行ってくれました。店に入ると、随分高齢の女性が一人いるだけです。聞けば、数年前に定年退官したM事務官のお姉さんだと言います。事務官の定年は60歳ですから、もう70歳に近いと思われます。真野あずさの倍の年齢でしょう。
 いくら年齢が倍だと言っても、真野あずさが二人いる心境にはなれませんでした。