朧月夜−06−
ベッドで裸のまま抱き合ってキスをし、友紀の上になると自分の物に手を添えてひとつになる。まだ少し痛そうなので、ゆっくりゆっくりと入っていく。友紀の部分は窮屈で、痛くないようにしようとするので時間がかかる。少しずつ進んでは戻り、また進むといった調子である。私の物が根元まですっかり友紀の中に入ると、小さくゆっくりと腰を前後させる。友紀の部分は私の物をきつく締め付けてくれているので、大きく動かなくても十分に快感が昂る。私は友紀に早く感じるようになって欲しくて、唇や胸へのキスや愛撫を続けながら、ゆっくりと腰を動かした。私が、友紀の部分から送られてくるあまりの快感に我慢できなくなって、腰の動きを速くした。友紀は少し苦痛の表情をしていたが、私が大きな動きとともに最後を迎えてグッタリしたときには、背中をしっかりと抱き締めてくれていた。 しばらくベッドで休んでから、もう一度ソファに戻り、飲み直す。 「とても良かったよ。」 「恥ずかしいわ。」 「セックスは、決して恥ずかしいものじゃあないよ。それに君は本当に素敵な身体をしている。男を喜ばせる身体だよ。」 「本当?」 「ああ、本当だよ。本当に素敵だよ。」 そんな会話を交わしながら、ゆっくりと楽しい時間を過ごした。 このとき友紀はすっかり打ち解けてくれているようで、ソファに隣あわせに座っていても僕にしなだれかかったり、何かある度に私の体に触れたりした。それからしばらく飲んでいたが、その日は家に帰らなければならない。 私は、玄関を出るとき、友紀にキスをした。最初は軽くするつもりだったが、友紀の方からしっかりと抱いて唇を強く押し付けてきた。私も、それに応じるように強く吸い、やがて舌と舌を絡ませる激しいキスに変わっていた。 帰りのタクシーの中、私は友紀が自分に好意を持ってくれていることを知り、心が軽くなっていた。契約による愛人関係とはいえ、心が全然通じ合っていないのは、いかにも寂しい気がする。二人はあくまでお金で結ばれた仲、お互いの約束は、必要以外に束縛はしないということだった。ただし、友紀に恋人ができたときには、その時点で契約解除という約束である。その他、私が会いたいと言ったときには、友紀に相応の事情がない限り拒否はしない約束にもなっていた。 ―続く― |