我々は、しばしば事実の一部だけを見て物事を判断しがちですが、それが誤りであることがあります。 ライオンもハイエナも、どちらもアフリカの草原に棲んでいる肉食の動物です。縄張りが一緒なので、いつも獲物をめぐる激しい争いをします。 ライオンは百獣の王と言われ極めて勇敢な動物で、ハイエナは屍肉を漁る下等な動物であると思われていました。人間が、ライオンやハイエナを観察するとき、ライオンが食べ残した獲物をハイエナが漁っていたからです。 ところが、よく観察してみると、どうもそうばかりではないようです。実際に猟をするのはハイエナで、シマウマやヌーなどの獲物を、見事なチームプレイで捕らえます。そして仲間で食べようとしたときにライオンがやって来て、横取りするケースがけっこう多いのです。ハイエナも、最初は戦いますが、結局ライオンに負けて、獲物を取られてしまうのです。そして満腹になったライオンが行ってしまった後で、残りの肉を食べるのです。人間は、その最後のところだけ見て、ハイエナはライオンの余り物を漁っていると思い込んでいたのです。 これは動物の例ですが、人間にもあります。飼い主さんは、振り込まれた給料を素早く引き出して、子供達に小遣いを与えていました。子供達は、小遣いをくれるのは母親だと思っていたようですが、あれだって本当は僕が働いて得たお金なのです。 |