学校の怪談−10−(最終回)
その日の夜も、次の日の夜も、由美子はやって来た。人が眠ってしまう時間にやって来ては楽しい時間を過ごし、巡回のときは光山と一緒に校内を回ったりした。そして朝早く夜が明ける前には帰って行った。 宿直の日の最後はお盆が開けた夜であったが、由美子は来なかった。夏休みが終わる前に一度宿直があったが、そのときも由美子は来なかった。光山は、あの夜のことは誰にも言えなかったが、しかし由美子のことは知りたかった。 登校日の日に、光山は瀬戸山に「内藤由美子って生徒がいたのを知っていますか。」と聞いてみた。瀬戸山は、なぜ内藤を知っているのかと聞いた後で、話し始めた。 「内藤は、まだ在学中に死にました。ある教師との不倫の恋が原因でした。好きになったのは内藤の方だったようですが、それが親に知れてしまってひどく責められました。親は校長のところに怒鳴り込んで来たようでしたが、穏便に済ませたい校長は男性教師を、すぐに転勤させました。しかしそのことを嘆いた内藤は、自殺をしました。それも学校の体育館で睡眠薬を飲んで死んでいたのです。その後、男の教諭の方も、転勤先で交通事故に遭って亡くなったとのことです。」 「で、彼女が死んだのはいつ頃なんですか?」 「そうですねえ、もう7、8年前になりますかねえ。お墓も学校の裏のあの墓地なんですよ。」 「そうですか。」 そこまで聞くと急に寒気を覚え、その日はそのまま早退した。その夜は、かなりうなされていた。体温を測ってみると40度もあった。翌日は、学校に連絡して休みをとった。そしてその翌日、出勤するとすぐに準備していた辞表を校長に差し出した。 −終り− |