男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2025/05/06 2:32:49|エッセイ
上手な叱られ方
 M子さんは、大学を出てすぐ事務官として自衛隊に入り、僕の職場に配属されたばかりでした。庶務の仕事で、毎朝、僕のところにその日の書類を持って来てくれていました。
 ある日、彼女が持ってきた書類を見ていると、既に期限が切れた古いものがありました。僕は、彼女を呼んで叱りました。
「庶務だって、一通り書類に目を通して、どんな内容か確認しないとダメじゃないか。これが大事な書類だったら、大変なことになるんだよ。」
 すると彼女が、ニコッと笑って言いました。
「あらっ、部長。ありがとうございます。私、そうやって叱られたのは初めてです。嬉しいです。」
 それを聞いた僕は、思わずデレーッとなって言いました。
「気にしないでいいんだよ。君は、まだ自衛隊に入ったばかりなんだからねえ。」
 世の中で上手な叱り方を説く人は多いですが、彼女からは上手な叱られ方を教えられました。







2025/05/05 4:30:12|その他
自信ある仕事
 自分の仕事に自信を持つことは大事です。
 ある夏の日のこと、飼い主さんが僕に言いました。
「あんた、車のエアコンが、急に効かなくなったわ。昨日までは調子が良かったのに、どうしてくれるのよ。」
ずっと車を使っていたのは飼い主さんなのに、あたかも僕のせいだと言わんばかりです。
 僕は、仕方なくガソリンスタンドに行きました。スタンドでは、若い店員が、「多分、ガスが抜けているのでしょうが、他の原因かも知れません。」などと、自信のないことを言います。別のスタンドに行っても、同じでした。
 それで、僕は、自動車修理工場に行きました。そこの親父は、いかにも自信に満ちた様子で言いました。
「これは、ガスが抜けているんだ。それも、少しずつ抜けたものだから、ガスを充填すれば直るよ。」
 ガスを充填すると、エアコンの調子は元に戻りました。値段は、ガソリンスタンドよりは高かったけど、自信のある故障診断に、僕はすっかり満足していました。
 仕事も男女の道も同じです。自信を持った態度で生きていくことが大事なのです。
 でも3日ほどして、飼い主さんが言いました。
「あんた、やっぱり、エアコンの調子がおかしいわよ。」







2025/05/05 1:04:08|エッセイ
立夏
 今日は、子供の日ですが、併せて24節気のひとつ立夏です。山野に新緑が目立ち、風が爽やかになり、夏の気配が感じられる頃です。
 今日は山友のNさん達と、山口市の亀尾山に登って来ますが、新緑がきれいでしょう。
 海にも夏が来て、そろそろキスが釣れ始める頃ではないかと期待しています。次の大潮のとき(13日前後)には、調査釣行に行ってみたいと思っています。







2025/05/04 17:12:13|エッセイ
蛇の目傘にご用心
 若い頃、職場の慰安旅行で伊香保温泉に行ったときのことです。
 宿での飲み会が終って、僕は先輩のMさんと2人で夜の町を歩いていました。すると振袖のような着物を着た若い美人が、蛇の目傘を挿しかけて、「一緒に飲みませんか」と誘いました。先輩も僕も、ついフラフラと後を付いて行ってしまいました。店に入ると、頼んでもいないのに立派な果物のオードブルが出されていました。こちらは、宴会の後なので飲む気も食べる気もしません。
 しばし飲んだ後で、かなりの金額を請求されました。
 男性の皆さん、蛇の目傘を挿し掛けて来る美人には気を付けましょう。







2025/05/04 2:48:24|エッセイ
プロは自信を持って
 僕は、音痴で歌が下手です。小学校の頃から、通信簿は2とか良くても3で、すっかり自信を失っていました。社会に出てから、付き合いでカラオケに行くようになりましたが、なるべく後ろの方でおとなしくしていました。
 ある日のこと、六本木のクラブ風の店に飲みに行くと、ピアノが置いてありました。客たちは、ピアノの伴奏で歌を歌っています。いわゆる生オケです。
 一緒に行った仲間が、お前も歌えと言います。歌は苦手なので、最初は断っていましたが、しつこく勧められて、仕方なくステージにあがりました。
 ところがいけません。ピアノの方は、僕に合わせようとし、僕はピアノに合わせようとします。お互いが、相手に合わせようとして堂々巡り、益々おかしくなって行きました。
 これがカラオケなら、僕は伴奏にひたすら着いて行けば良いのですが、生オケなので奏者が僕に合わせようとします。音痴の僕に合わせようとするのですから大変、ピアノのテンポもリズムも全く狂ってしまいます。
 その道の専門家は、素人に惑わされることなく、自信を持って堂々と自分の道を歩んで欲しいと思いました。