男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2023/06/15 4:22:13|その他
客は人に集まる
 居酒屋「かぼちゃ」のママさんは、とても気風の良い人でした。話していても、お客さんをポンポンとやり込めています。
 ママさんは、若い頃、旦那さんが宮崎市内で経営するキャバレーのママとして店に出ていました。あるとき、拳銃を持った男が警察に追われて逃げて来て、ママさんに「預かってくれ。」と言って拳銃を渡しました。ママさんは、これをスカートの中に隠して、その男を逃がしました。その後、その男は「姉御、姉御」と言って慕って来たと言います。
 そんなママさんが体調を崩し、店を休むようになりました。店にはチイママがいるのですが、客は激減しました。料理は美味しいのですが、会話が面白くないのです。
 客は、店ではなく、人に集まって来るのですね。







2023/06/14 4:27:17|エッセイ
意見の一致
 居酒屋「かぼちゃ」のママさんは、若い頃、夫の浮気が原因で離婚しました。相手の女を見たとき、「亭主は、こんな女と浮気をしていたのか」とがく然として、離婚を決意したと言います。
 あるとき、飼い主さんを「かぼちゃ」に連れて行きました。そのとき、ママさんと飼い主さんの意見が、妙に一致しました。
「亭主が浮気をするのなら、自分よりいい女として欲しい」と言うのです。変な女と浮気をされたのでは、プライドが許さないのでしょう。逆に言えば、女房よりいい女が相手なら浮気をしても大丈夫なのです。
 ということで、僕も頑張りたいと思います。飼い主さんよりひどい女性は、世の中にそんなにはいないでしょうからチャンスは多いはずです。







2023/06/13 5:26:15|エッセイ
安いわけ
 居酒屋「かぼちゃ」では、カウンターの前に野菜や魚の煮つけ、芋の煮っころがしなどが並べてあって、僕は適当にそれをとって肴にしながら焼酎のお湯割りを飲んでいました。毎日のように通うのに月に1万円しか払っていないので、ビールなどは高くて飲むのに気が引けるからです。
 ある日見ると、僕の前に立派な刺身が置かれていたので聞きました。
「どうしたの、こんな立派なものを。随分、高いだろうに。」
 するとママさんが言いました。
「後ろの座敷を見な。今日は、10人ほどの宴会があって、その中から、みんな平等に一切れずつ失敬して盛ったらこうなったんだよ。」
 見ると、彼等の皿の刺身より、僕に出されたものの方が、数も多いし立派です。
 僕が安く飲めた理由は、こういうところにあったのです。







2023/06/12 5:47:21|エッセイ
蛍
 小学校の頃まではたくさんいたホタルですが、中学校の頃になるとすっかりいなくなりました。農薬のせいで、川の生き物がほとんどいなくなってしまったのです。
 ところが、最近になって近くでもホタルが見られると言うので、見に行くことにしました。
 昼間、事前偵察で場所を確認するとともに、ホタルの情報を収集しました。この辺でホタルは出ますという僕の質問におばさんが言いました。
「多いですよ。たくさん出ます。夜の8時頃が一番多いです。」
 そこで僕は、7時半に家を出ました。現場まで歩いておよそ30分です。
 現場に着いたとき、ゴミ捨てに来ていたおばさんに、ホタルが出るのはこの辺ですかと聞きました。するとおばさんが言いました。
「そうですね、この前まではたくさん出ていましたが、先日は1匹しかいなかったので、もういないと思います。」
 時期的に遅かったようです。仕方なく持って行った缶ビールを飲んで帰って来ました。
 結局、夕暮れの1時間のウォーキングに終わった昨夕の蛍狩りでした。







2023/06/12 5:41:54|エッセイ
そんなことはできません!
 単身赴任して最初に連れて行かれた高鍋町の居酒屋「かぼちゃ」のママさんが、威勢よく言いました。
「半年1万円で良いから、うちに飲みに来い。」
僕は、言いました。
「俺だって面子がある。半年1万円なんてことはできないから、月に1万円にしてくれ。」
これで契約成立です。
 翌日から、僕は毎日のようにバスで「かぼちゃ」に通いました。毎日のことなので、回数券を買いましたが、けっこうお金がかかります。そこで会計隊長に言いました。
「おい、俺は自衛隊への通勤手当はいらないから、高鍋の町までの通勤手当を支給してくれないか。」
 自衛隊には車で通勤していたので、僅かしか通勤手当が出なかったのです。
 彼は、断固として言いました。
「そんなことはできません!」
 会計屋には融通の利かない人が多いのですが、彼もその一人でした。