| 天然記念物には「種指定」と「生育地指定」の2つがあります。 埼玉県羽生市の宝蔵寺沼はムジナモ自生地として国指定の天然記念物になっています。つまり宝蔵寺沼のムジナモは後者の「生息地指定」の天然記念物に当たります。希少な植物であるムジナモが生育する地域として宝蔵寺沼が天然記念物に指定されているのです。 だから、私が栽培して宝蔵寺沼に放流したので天然記念物を造ったことになります。うれしい。昨日の題名は「種指定」になり誤りなので直します。 「種指定」は種類そのものが天然記念物として日本全国どこでも保護されます。ムジナモ(貉藻)はモウセンゴケ科ムジナモ属の多年草の水性植物であり、1属1種の食虫植物です。 金魚鉢に浮かせる浮き草と違いますか? そうですね,共通点は葉緑体があり光合成をしてデンプンを合成します。違う点は、ムジナモがハマグリのように口を開いて(捕虫器(一番下))ミジンコを捕虫することです。そこで葉の消化腺からタンパク質を分解する酵素を分泌し、獲物を消化します。上から二番目図ようなものは英語では“Waterwheel Plant”つまり「水車のような植物」と呼ばれています。これはムジナモの葉が、茎を中心に放射状に輪生している事から、それを水車に見立てたものです。 埼玉県版のレッドデータブックではムジナモは“野生絶滅(EW)”となっています。宝蔵寺沼のムジナモは野生種が絶滅した後に人為増殖した物を毎年放流しており、自然状態での繁殖には至っていないのが現状なのです。 |