くさびら紀行

日ごろの興味をもったキノコ・植物・歴史町並み等を書きとめます。
 
2008/10/29 3:48:47|その他
羽生のさいたま水族館「チョウザメ(生きた化石)」

チョウザメと言えばキャビア。この仲間でロシアでキャビアを生産するために品種改良したものが「ペステル」です。アメリカ大陸で最大魚3m以上になるそうです。
 写真はさいたま水族館。餌やりの実演をし、以下のような説明をし、子供達にも餌やりの体験をさせていました。上から二番目と三番目写真が口で餌を吸い取ります。
「チョウザメ」の名前は、体表にある硬くて大きな鱗が「チョウチョ」の羽の形をしていることと、全体的な形が鮫に似ていることに由来しています。エラが存在しなく、うきぶくろがあります。硬骨魚と同じ腎臓があるため肉がアンモニア臭くなく、食べると美味しいです。鮫との相違点が各所に見られます。
 鮫類は約1億年前から、シーラカンスは3億年前から生存していたと言われ、チョウザメはシーラカンスが多く生存していた頃の時代にいた魚の残存種(生きた化石)であるといわれています。現在生存しているチョウザメ類は、鮫の仲間(軟骨魚類)にも、鯛や鯉の仲間(硬骨魚類)にも進化しなかった魚なのです。







2008/10/28 2:24:39|植物
羽生の「宝蔵寺沼のムジナモ」が天然記念物

 天然記念物には「種指定」と「生育地指定」の2つがあります。
埼玉県羽生市の宝蔵寺沼はムジナモ自生地として国指定の天然記念物になっています。つまり宝蔵寺沼のムジナモは後者の「生息地指定」の天然記念物に当たります。希少な植物であるムジナモが生育する地域として宝蔵寺沼が天然記念物に指定されているのです。
だから、私が栽培して宝蔵寺沼に放流したので天然記念物を造ったことになります。うれしい。昨日の題名は「種指定」になり誤りなので直します。
「種指定」は種類そのものが天然記念物として日本全国どこでも保護されます。ムジナモ(貉藻)はモウセンゴケ科ムジナモ属の多年草の水性植物であり、1属1種の食虫植物です。
 金魚鉢に浮かせる浮き草と違いますか?
 そうですね,共通点は葉緑体があり光合成をしてデンプンを合成します。違う点は、ムジナモがハマグリのように口を開いて(捕虫器(一番下))ミジンコを捕虫することです。そこで葉の消化腺からタンパク質を分解する酵素を分泌し、獲物を消化します。上から二番目図ようなものは英語では“Waterwheel Plant”つまり「水車のような植物」と呼ばれています。これはムジナモの葉が、茎を中心に放射状に輪生している事から、それを水車に見立てたものです。
  埼玉県版のレッドデータブックではムジナモは“野生絶滅(EW)”となっています。宝蔵寺沼のムジナモは野生種が絶滅した後に人為増殖した物を毎年放流しており、自然状態での繁殖には至っていないのが現状なのです。
 







2008/10/27 3:31:30|植物
埼玉県唯一の天然記念物「宝蔵寺沼ムジナモ」の放流会

 羽生水郷公園の宝蔵寺沼(さいたま水族館がある)は、日本でただ一つ残った食虫植物「ムジナモ」の自生地です。宝蔵寺沼のムジナモが国の天然記念物で指定されています。
 5/22日、天然記念物「ムジナモ」の栽培管理等の講習会を受け、自宅管理し三倍に増殖しました。昨日、羽生水郷公園の宝蔵寺沼の「ムジナモ」放流会に参加しました。放流すると国の天然記念物。
 一番上はムジナモ、二番目は自宅で管理した写真で、稲わらを入れると自然にミジンコが発生し、それを餌にます。一番下は放流会(主催さいたま水族館)。
 ムジナモは、モウセンゴケ科の多年草で、根を持たない「浮き草」です。葉の先端に補虫器(上から三番目)があり、ミジンコなどの動物性プランクトンが触れると、その微かな刺激にすばやく反応して葉を閉じて捕らえ、窒素養分とします。葉を閉じる速度は極めて早く、私のデジカメカメでは撮影できません。夏の間、まれに米粒大の白い花を咲かせるそうです。
 世界的にも希少な植物であるムジナモの発見者は、明治22年、植物学者の牧野富太郎博士でした。
 以下(さいたま水族館より)。
 そして羽生でのムジナモの発見者は、小説『田舎教師』の中で、主人公の弥勒高等小学校の同僚「関さん」で登場する速水義憲(旧姓関根)氏でした。氏は、弥勒高等小学校を振り出しに、三田ヶ谷小学校、私立埼玉中学校(現不動岡高校)等に勤務、教育者として34年を過ごしました。小説中でも主人公とよく植物採集としたことで知られる速水氏は、昭和2年、平島耕地でムジナモを発見。さらに独力で周辺の分布調査を行い、宝蔵寺、中新田の沼地を中心に、上村下の落とし、中谷落としの中間では水田にまで生えていることを確認。利根川沿岸の沼沢地にムジナモが分布するはずだとの学説を実証しました







2008/10/26 6:16:34|きのこ
天然の「ヒラタケ(平茸)」
ヒラタケ(平茸)は木材腐朽菌で樹木を分解(枯らす)していきます。栽培されているヒラタケよりも天然ものの方が歯応えと味があります。 
 地方ではアワビタケとかカンタケ(寒茸即ち冬にもあり)とも言う。
 平安時代から食べられていた記録があり、あの今昔物語りの神坂峠の中にも出ています。信濃国司 藤原陳忠が、神坂峠の深い谷に転落してしまった。付人家人達大慌てで旅籠を縄で下ろし懸命に引上げると、以外にも国司は居なくて平茸が一杯入っていた。再度籠を下ろすとやっと本人が乗って来たが、両手に尚一杯の平茸を抱きかかえ、まだ取り残しが多くさんあり残念だと悔んでいたと書いてあるそうです。
 柄の傘に対する付きかたは偏心性(右下)、時には無柄。ヒダ(傘の裏面)は柄に対して垂性です(右下)







2008/10/25 0:24:34|植物
奇妙な植物「キバナツノゴマ(黄花角胡麻)」

先日、これは何かわかりますかと聞かれて検討もつきませんでした。一瞬、昆虫だと思いました。友人が畑に植えたキバナツノゴマ(黄花角胡麻)の熟した種だと教えてくれました(一番上)。別名はアクマノツメ(悪魔の爪)、タビビトナカセ(旅人泣かせ)「という。乾燥した果実の先が、山羊の角ように反り返った爪状となっているので、接触した人や野生動物に刺さり、危害を加えることから来ているようです。夏−秋に黄色い花(一番した)を咲かせる食虫植物で、蕗(フキ)に葉や茎が似ており、葉は心臓型をしている一年草です。葉や茎に生えている腺毛がネバネバして虫を捕らえます。この植物が食虫植物として認識されたのは 1989 年になってからということなのでこれも驚き。
 分類はツノゴマ科ツノゴマ属です。
 米国では園芸植物として人気があり、日本でも鑑賞用(ドライフラワー)に栽培されてます。キバナツノゴマは、南アメリカ原産の 1 年草で、アメリカのカルフォルニア、オーストラリアや南アフリカに帰化しているそうです。
 世界の植物が日本に来ていて栽培されている円高日本。本当にこれでいいのですか。