サンパウロ青年図書館とニッケイ新聞が共同で発行している「日本文化(Culutura Japonesa)」(深沢正雪編集長)の第2巻が発行された。
今回は、救済会「憩の園」の創設者、渡辺トミ・マルガリーダ氏の生涯と功績に大きく焦点を当てている。渡辺氏は少女時代、構成家族の一員としてブラジルへ移住。奉公先のブラジル上流階級の家庭で働き、行儀作法や上流階級のポルトガル語を学んだ。洗礼を受け、クリスチャンとなっていた渡辺氏は第2次世界大戦中、ブラジル国内での迫害やサントスから強制立ち退きを迫られていた日本人移民の援助に奔走。同胞からの批判を受けながらも、それらの活動が後の「憩の園」の設立へとつながっていく。
ほかにも「日本料理の秘密1、2」、「山下泰裕・柔の道の人作り」、「伊勢神宮を支えた千数百年」、教育勅語などを収録。すべて日本語とポルトガル語の2カ国語で同時収録されている。
深沢編集長は「渡辺さんの話は戦時中の大切な歴史なので、日系人に思い出してほしいし、覚えていてもらいたい。この本を普段は日本に興味を持たないお子さんやお孫さんに読んでもらって下さい。本書がきっかけとなり日本への興味が湧き、日本語学習などを始めてもらえたら。勉強もできて中身も面白い本になっています」と話した。
1冊40レアル。2000部を印刷。太陽堂、フォノマギ竹内書店、高野書店、日本語センター、ニッケイ新聞などで取り扱っている。
問い合わせはニッケイ新聞(電話11・3340・6060)まで。
〜 2016年6月17日付 サンパウロ新聞より 〜http://saopauloshimbun.com/archives/54377