救済会 憩の園在日協力会

1958年、ブラジル社会福祉法人救済会「憩の園 (いこいのその)」は、主に日系人のお年寄りを対象とした老人ホームとしてサンパウロ市に開園し、その役割を担って参りました。 しかし、ブラジルの国状および日系人を対象とする施設の性格上、「憩の園」運営の現状は、近年大変厳しいものとなっています。 余儀ない事情で「憩の園」に老後を託した在園者の方たちへ、日本から温かい支援をお届けし、余生の日々に懐かしさと喜びを味わっていただけたらと、日々願っています。
 
残暑お見舞い申し上げます
二百十日を迎え、日毎早まる日没や虫の鳴き声に、
季節のうつろいを感じる今日この頃です。

新型コロナの猛威と記録的な暑さに見舞われた夏でしたが、
皆様お変わりありませんか。

まだしばらくは暑さも続く気配、
くれぐれもご自愛下さいますようお願い申し上げます。


憩の園在日協力会一同


 







憩の園 感謝ライブと日本食販売
さる8月15−16日、救済会憩の園では、コロナ禍の中で多くの皆様よりいただきましたご寄付やご支援に感謝の意を込めまして、Youtubeによるオンライン「感謝ライブ」および「日本食販売(デリバリー)」を行いました。

感謝ライブは、歌手のイチムラ・マモルさんが司会進行を務めて下さり、過去に撮影された平田ジョエ、伊藤カレン、ダラン&ブエノ、祭り太鼓などのライブ映像を、5時間半にわたり配信いたしました。

また、日本食販売は、サンパウロ市のニッケイパラセホテルとサンベルナルド・ド・カンポ市のレストランの2か所で、デリバリーまたは持ち帰りで購入していただく形で行いましたが、2日間でなんと3200食ものお買い上げをいただきました。

皆様、本当にありがとうございました。
感謝ライブなどの映像は、以下からご覧下さい‼










多くの困難を乗り越えたブラジル日系社会
大航海時代に連れて来られた黒人奴隷と共に、アメリカ大陸に持ち込まれた病気の一つに、寄生虫の一種ネカトール・アメリカーノがありました。
この寄生虫をはじめ多くの伝染病には、ブラジルへ渡った日本人も大いに苦しめられました。

戦前の日系人開拓地のほとんどが無医村地帯。
苦しむ同胞を助けようと、日本の医師たちがブラジルへと向かいました。
その中に岐阜県下呂市出身の細江静男先生(慶應大学医学部卒)もいました。
のちに「ブラジルのシュバイツァー」と呼ばれるようになった偉人です。

ブラジルの大地を踏んだ細江先生は、日系人のための病院建設業務、アマゾン奥地への巡回、サンパウロ市における夜間無料診療所開設などに従事するかたわら、ブラジルでの医師免許を取得するためにサンパウロ大学医学部へ通い、まさに三人前以上の仕事をやり抜きました。
朝は5時起床、6時半には家を出て通学、診療を終わって帰宅するのは午後11時、これを6年間。
今の時代では過重労働と言われるような生活です。

そのようにしてブラジルで根を張った日本人医師たちは、無医村地帯を交代で巡回するだけでなく、現在のサンタクルス日伯慈善協会サンタクルス病院、サンパウロ日伯援護協会の基盤作りに大きな貢献を果たしました。

「過去を振り返れば、日系社会はこの新型コロナウイルスの問題以上の多くの困難を乗り越え、今日に至っております」
<ブラジル日本都道府県人会連合会 山田康夫会長 ニッケイ新聞より>

憩の園の経営状態は依然苦しい状況にありますが、多くの方々のご支援を受けて運営を続けています。
ブラジル日系社会の団結力は、細江先生がブラジルへ渡った頃から脈々と受け継がれていることを感じる今日この頃です。


さて、掲載している写真は、憩の園に迷い込んだ犬と猫です。
3匹の犬は「大吾」「小吾」「チビ」、2匹の猫には「ミーコ」「ミャンカ」というかわいい名前がつけられ、施設内で面倒をみているそうです。
不安な日々が続く中、この動物たちが入所者やスタッフの方々の癒しになっていることは間違いありません。







STOP COVID-19

ブラジルの新型コロナウイルスによる被害は甚大です。
7/5時点(日本時間)での感染者数は157万7004人、死者数は6万4265人に達しており、いずれも世界で2番目に多い数となっています。

最大の感染震源地は「憩の園」の所在地であるサンパウロです。
現在、憩の園では、入所される高齢者を守るために、職員の方々が感染対策に細心の注意を払いながら、懸命に介護をしています。
介護に不可欠な物資や資金の不足には、多くの皆様(個人や企業)よりご支援を賜り、なんとか凌いでいるのが現状です。

引き続き、趣旨ご賛同の上、ご支援をいただきますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

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新型コロナウイルス(COVID-19)の甚大な影響

世界中の人々の生活を一変させた新型コロナウイルス。
日本では全国で緊急事態宣言が解除されましたが、感染のリスクは依然残っており、安心できない日はしばらく続きそうです。

ブラジルの状況はかなり深刻で、感染拡大の勢いは衰える兆しが見えず、6/6時点で感染者数614,941人、死者数は34,021人に上っています。この死者数は世界で3番目に多く、亡くなられた方の25%がサンパウロに集中しています。

「救済会 憩の園」(所在地:サンパウロ)には、67名の高齢者の方がいらっしゃいましたが、可能な方はご家族宅での隔離をお願いしました。ただし、自宅でお世話をしたくとも難しい方も40名弱いらっしゃいます。現在、施設では、その方々を守るために、衛生面への細心の注意を払い、訪問者の制限をするなどして、懸命に対応しています。
このような中で、物資や資金支援をしていただいた皆様に深く感謝を申し上げます。

憩の園は、新型コロナの影響によるイベントの中止、寄付金の減少などで経営危機に直面しています。日本からの支援を続けている私たち在日協力会でも、参加予定でしたバザーなどの中止が相次ぐなど、今年度は計画通りの支援が厳しくなってまいりました。

どうか皆様、趣旨ご賛同の上、何卒ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

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