おしゃれなパッケージに包まれたいちごカンパニーの「越後姫」
新潟県胎内市の建設業者などが設立した「いちごカンパニー」が同市内の廃校舎を利用した植物工場で、1粒あたり500円(税抜き)と高価格帯のイチゴ栽培に乗り出した。
発光ダイオード(LED)の光の当て方や室内の温度調節などを工夫した栽培方法を確立。無農薬で糖度が高く、通年栽培できるのがセールスポイントという。昨年12月からインターネット販売を始めたが、贈答用などに注文が相次いでいる。
小野社長(44)は建設会社「小野組」の社長でもある。今後、増加が予想される空き店舗などの有効活用と建設会社の新たな可能性を探る中、農業に携わっている知人とイチゴ栽培に取り組むことを決意し、2013年5月、イチゴカンパニーを設立した。)
廃校になった同市の旧鼓岡小の校舎を借り、同9月に教務室だった約55平方メートルの部屋に約3000万円かけてLEDが取り付けられた栽培用の棚などを整備した。太陽光を使わない「閉鎖型」植物工場で、LEDの光量や波長、温度などを調整し、県産ブランドイチゴ「越後姫」を栽培しており、1年に複数回の収穫が可能だ。
これまで試験栽培を繰り返して改良に取り組み、糖度が高く、赤い色の濃いイチゴを安定して栽培できるようになった。県農業総合研究所によると、越後姫の糖度は平均で10〜11度だが、同社によると、工場で作られたイチゴの糖度は平均11〜13度という。
大粒で軟らかな果肉が特徴の越後姫は衝撃に弱いため、一粒ずつパッケージに包んで昨年12月から販売しているが、次々に注文が舞い込み、3か月待ちの状態という。
小野社長は、「食べた上で『値段が高い』といわれたことはない。低価格の商品は世界中から出てくる。高付加価値なものでどれだけ市場が開けるか。可能性の扉を開きたい」と意気込む。今後、遊休施設を抱える民間企業などに栽培システムを販売するビジネスも模索していく考えだ。