朧月夜−02−
私は、友紀を本当に美しいと思った。 「本当だよ。僕も、今までにたくさんの女性を見て来た中で、君が一番すばらしいよ。君は、僕にとって理想の女性だよ。」 「それより、ウイスキーをお注ぎしましょう。」 話題をそらすようにそう言って、友紀はグラスをとり、水割りを作った。 「ところで、ママさんから僕のこと何か聞いているの?」 「ええ、素敵な男性がいるから付き合ってみないかって、言われたわ。」 「僕のことをどう思う?」 「とても素敵ですわ。」 「じゃあ、付き合ってくれるの?」 「そうね、条件にもよるけど、基本的にはいいですわ。」 「じゃあ、合格なんだね。前祝いに、乾杯だ。」 友紀がもうひとつ自分用の水割りを作る。 「僕達の素敵な出会いに乾杯!」 「よろしくお願いします。」 これで話は基本的にまとまった。 その後、私は響子を仲介に金額の話をして、月に30万円の手当と、マンションの家賃を払うこと、私からの条件として、他に男を作らないこと、男ができた時点で契約は反故にすることで話がまとまった。新宿のマンションに友紀が引っ越して来たのは、春の桜の花が満開の頃だった。 その日、私は早速友紀のマンションに行った。玄関のチャイムを鳴らすと、すぐに友紀が出て来た。 「やあ、今日は仕事は早く終わったの?」 「ええ、受付にいるものですから、残業はなく、いつも定時には帰れるのです。」 「受付嬢だったんだね。どうりできれいなはずだ。」 私は、玄関に上がると、早速友紀にキスをしながら、そう言った。部屋の中はさすがに女性の部屋、きれいに整頓されていて、艶めかしさを感じさせる。 「待って、今、簡単なおつまみを作るわ。さっき、買い物をして来たばかりなの。その間に、シャワーでも浴びていて下さらない?」 私は、途中で買ってきたワインを渡すと、浴室に行ってシャワーを浴びた。浴室から出て来ると、友紀はキッチンでオードブルを盛り合わせているところだった。エプロンの下のミニスカートからすらりとした足が伸びている。それが、とても新鮮で艶めかしく見えた。私は、そっと近寄って背中から友紀を抱き締めた。 ―続く― |