辛いものをたって願をかけるとんがらし地蔵さん(川越市増形) 川越市増形の、あるお大尽の家の近くには昔から稲荷さまと庚申さまとお地蔵さんがありました。その中でもお地蔵さんは「とんがらし地蔵さん」と呼ばれ、たくさんの人から親しまれていたそうです。 むかしのお話です。たいそう辛いものの好きな男がおりまして、とにかく辛いものには目がなく、特にとんがらしが大の好物で、どんなものにでもとんがらしをふりかけて食べていました。そのせいというわけではないのでしょうが、この男、からだ中にいぼができておりまして、それが悩みの種でした。お医者さんにかかり、薬草もつけ、願かけなどもしましたが、いっこうにらちがあきません。最後の神だのみと通りがかりのお地蔵さんに、持っていましたとんがらしを差し出して申しました。「お地蔵さん、おら、このとおりいぼで苦しんでおります。どうしても治りません。このいぼを取ってくれましたら、大好きなとんがらしを断ちます。願いをかなえてくださいまし」そして、とんがらしでからだ中にあるいぼをゴシゴシこすったそうです。すると三、七、二十一日間の満願の日、何と不思議なことに、あんなに頑固だったいぼがすべてコロリと落ちたそうです。男は大喜びで、とんがらしを倍にしましてお地蔵さんに供えました。 これが評判となり、かなり遠方からも、人々がとんがらしを手に願かけにやってきたといいます。そのため、お地蔵さんは赤いとんがらしでいっぱいになり、誰いうとなく「とんがらし地蔵さん」と呼ばれるようになったといいます。(川越の民話より)
※ 写真は山形の「佐藤錦」というさくらんぼ。せっかくいただいたので 写真を添えて礼状を出しました。「おいしかったです」 |