さとまつトレヴィア

日常生活を通じて考えたこと、思ったこと、そして感じたことを気軽に綴ります。
 
2006/01/22 12:03:58|その他
【本】「半落ち」(横山秀夫著)を読んで
 映画(寺尾聡主演)にもなった「半落ち」(横山秀夫著)を読んだ。映画が上映された時は日本にいなかったので、観ることが出来ず、ずーっと気になっていた。
 アルツハイマーに苦しむ妻を殺害したと自首してきたW県警の梶警部(49)が主人公。殺害については素直に供述したが、妻を殺害してから自首するまでの2日間の行動については口をつぐむ。その2日間の行動について、警察、検察、新聞記者、弁護士、裁判官、刑務官が真相を突き止めようと努力するが最後の最後まで分からない。
 一番最後になってようやく謎が判明する。(本を読んでいない人のため、ここでは結末は内緒)

 冒頭の部分で、重度のアルツハイマーになった妻を、愛するが故に殺してしまうその運命の罪深さ、悲壮さに心打たれた。そして本全体を通じて、梶の純粋無垢で愛情深い人物像、妻への思い、やさしさに感動した。その一方で、ストーリーとしては、様々な人たちが、その妻殺害後の空白の2日間の行動を調べるが、なかなか判明せず、そのヒントすら出てこないので、読んでいて悶々としてくる。最後の最後まで答えが全く見つからない歯がゆさである。読み終わってみて思ったのは、この長い時間、読者に対して何度も何度も「あなたは誰のために生きているのですか?」「あなたが何としても守りたいのもは何ですか?」「本当の優しさとは何ですか?」と問いかけているのだと思う。
 多少イライラしながら読み続けると、最後は結構あっけない。しかし、すっきりした気分で、何ともいえない満足感が広がった。最後まで我慢したからこそ味わえる満足感だ。そして上述のように、振り返ると、いろいろなことを考えさせられた。
 お勧めの本である。今度DVDを借りてきて、映画も観てみようと思う。

 さあ、次は、昨年来ベストセラーになっている「その日の前に」(重松清著)を読んでいるが、前半の部分であまり涙するシーンがなく、少し不安になってきたところだ。後半が楽しみだ。




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はやっ!
「半落ち」
もう読み終えたのですね。
早いです~。
結末。想像つきませんっ!
早く読まねば!

「その日の前に」」(重松清著)。
後半は電車で読むとやられちゃ
うかも・・・です。
ワタシは"ヒア・カム・ザ・サン"から、涙腺がゆるみっぱなしでした。
ツボはいろいろあるのですが・・・また今度にしまーす。

ほんたまごっち  (2006/01/23 23:19:50) [コメント削除]

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