赤い糸・白い糸-79-
「困りましたねえ。もう時間がないというのに、こう男が優柔不断じゃあねえ。」 「そうですねえ、もう時間がないのにね。」 雲の上では、鹿島神宮の神様が苛立ちを隠せない様子だった。回りには、1ヶ月の仕事を終えた神様達がたくさん集まって注目している。鹿島神宮の神様は、今更引くに引けない状態になった。 「よっしゃ、非常手段だ。これしかない。」 鹿島神宮の神様は、そう言うと毅然とした目をした。 その頃、地上では・・・・・
シャワーを終えた二人は、居間のテーブルに向かい合って座っていた。 「ねえ、お酒にする?それともコーヒー?」 「どっちでもいいよ。」 「じゃあ、お酒にしましょうよ。ビールが冷えているわ。」 「うん。」 美知恵はすぐに冷蔵庫からビールを出して来た。 「明日は休みだし、今日は酔いましょう。」 「でも、僕・・・・・」 「家にはメールを送っておけば良いわ。今日は、友達の家に泊まると言っておくのよ。」 「でもバレたら・・・・・」 「大丈夫よ。学生時代の友達に会ってたとか、何とか言い訳はどうでもできるわ。」 「うん。」 それから美知恵は洋介に飲ませた。ビールの後ではウィスキーに変えて飲んだ。美知恵も酒は強い。洋介も弱い方ではなかったが、さすがに量が多かったためか、しばらくすると眠くなった。 -続く- |