カツマタクラス

 
2025/06/30 8:08:18|その他
説得は難しい
こうだと思っている人に、反対意見を納得してもらうことは、実に難しい。だからといって、君には論理が通じないから話しても無駄だと突っぱねるのは、最も愚かな行為だ。
ジブリの「ハウルの動く城」は夢物語としても、あの姿勢はびっくりさせられる。最後の場面で、どこまでもかたくなにハウルの魂を離そうとしない老婆から、それでも力で奪おうとしないヒロインの姿勢だ。
「心を込めて会話で取り戻す」
2000年前の年前のイエス・キリストの布教活動でも、非暴力が全てに優先しているように見えるのだが、どうなのだろう。マグダラのマリアだったろうか。娼婦(しょうふ 姓を売り物にしていた女性)に石を投げる民衆に対し、罪なきものが石を投げよといったという話だ。こんな人、こんな人、と罪あることを自覚させ、説得しつづけたらしい。その意味では、ジブリの映画にキリスト教的なものを、強く感じている。ただ、そんな理想論を通せる国の元首が今存在するのか。
話を戻そう。結論から言えば、よってたつ前提が違う人間に、譲れないものを理解させるのは、とてつもなく難しい。いやかぎりなく不可能なのではないか、ということだ。
欲望を抑える自我を確立させる過程の子どもでさえとてつもなく難しい。わかりかけている子どもでも、衝動の行動はまず止まらない。動きを止めて、あるいはその場を引き離して、落ち着かせてから話をするのだが、国家間の戦争ではそうはいかない。最高責任者を選ぶ段階から準備対応するしかないのだろうが、それには選ぶ人間のたゆまない勉強が必要なのだが・・・ことが起こってしまった今、どうすればいいのか。今するべきことはなにか。
手を出した側の、心ある部分を説得し、自らを抑えてもらうしかないのではないか。戦前日本ではできなかったことなのであるけれど。