男と女

「男と女」について、本当にあったことをエッセイに、夢や希望を小説にしてみました。 そして趣味の花の写真なども載せています。 何でもありのブログですが、良かったら覗いて行ってください。
 
2026/06/12 2:09:27|小説「春の行方」
春の行方−26−
春の行方−26−

 光太郎は、久恵の言葉の意味がわからず、しばらく目を見つめていたが、やがて話を聞いて欲しいのが光太郎だと言っているのに気付いた。愛を告白しているようでもある。しかし光太郎は、何と言って良いかわからなかった。何かを話せば、野暮なような気がした。
 不自然な空気が流れる。光太郎は、立ち上がって久恵のところに行くと、彼女の頬に手を添えて額にキスをした。久恵が顔を上げた。光太郎は、唇にキスをした。二人には長い時間が過ぎたように思えたが、実際はそんなに長い時間ではなかったのであろう。
 次にビールのグラスを手に取ったとき、二人は横に並んで座っていた。
「私、三永君のことを最初から好きだった。」
「僕もだ。」
「でもキスしてくれたのは初めてだわね。」
「そうだね、東京に出て来て最初に知り合った仲なのにね。」
「しかも、部屋はお隣さんなのに。」
「不思議だね。」
「ホント、不思議だわ。」
 そのとき、光太郎の心の中に、佳津枝の存在が浮かんだ。
 もしこのまま久恵の手を取れば、ベッドに行くことも拒まないだろう。むしろ、それを望んでいるのかも知れない。体の関係で言えば一恵ともことあるのだが、それはドライな関係、はっきり言って体だけの関係だった。しかし、久恵とは違う。心を伴っている。それが、光太郎を躊躇させていた。
 光太郎は自分の心を抑え、情熱の世界からビールと会話の世界に戻って行った。
 結局、翌日からの仕事もあるので、光太郎は11時過ぎには帰ると言った。玄関まで送りに来た久恵にキスをした。キスを終えるのが勿体ないような気がして、二人はしばらく抱き合っていた。久恵の玄関のドアを開ける時、廊下に誰かがいないか耳をすませた。今までに、何度か久恵を訪ねて来たことはあったが、こんな用心をしたのは初めてだった。
 自分の部屋に戻った光太郎は、シャワーを浴びてからベッドに入ったが、なかなか寝付けなかった。久恵の唇の感触が忘れられなくて、身体が興奮している。久恵をベッドに誘わなかったことさえ後悔のような気がしていた。そのとき、一恵が、光太郎の恋人を守るために寝ているのだと言った言葉を思い出した。
 一恵との関係は月に一度程度続いていたが、光太郎から求めることはほとんどなく、大抵は一恵の方から誘って来た。しかし、このときは、体の高ぶりを抑えることができず、夜遅くになって「逢いたい。」というメモを書いて、玄関の一恵の郵便受けに入れた。
 一恵と会うには、金曜日まで待たなければならなかった。平日は残業があり、時間の約束ができないからである。一恵は、金曜日にはスナック「再会」に行っている。そこで仕事の帰りに寄れば良いのである。
 二人は、「再会」で会い、しばらく飲んでから、いつものようにホテルに入った。部屋に入るとすぐに一恵が言った。
「あなたから誘ってくれるなんて初めてよね。何かあったのね。」
            −続く−







2026/06/11 22:22:19|エッセイ
ミサって何・・・
 スペインのサグラダ・ファミリアのイエスの塔の完成で、ローマ教皇がミサを行うと言っていました。
 ミサは、キリスト教行事でよく聞く言葉ですが、よく意味を知らないので調べてみました。
 キリストの最後の晩餐を再現する行事ですが、要は、次のようです。
@ カトリック(旧教)の行事である。
A 聖職者による説教が行われ、パンとワインが配られる
 僕は、日本のお坊さんが行う説教と同じようなものだと思っていましたが、かなりニュアンスが違うようです。
 カトリック信者にとっては極めて当たり前のことでしょうけど、曹洞宗の僕は知りませんでした。
 写真は、16年前にスペインに行ったときのサグラダ・ファミリアで、まだ工事中でした。







2026/06/11 13:25:50|男の手料理
今日の昼食と昼酌

 茶臼山トレッキングから帰って来ての今日の昼食は肉蕎麦、昼酌はビール&鶏レバーの煮物でした。喉が渇いていたし、お腹も空いていたので、どっちも美味しかったです。
 これからの季節、山歩きで汗をかいた後のビールは何とも言えませんね。








2026/06/11 0:55:34|その他
春の行方−25−
春の行方−25−

 電車が走り佳津枝の姿が見えなくなると、光太郎は空虚な世界に落ちたような気がした。今まで、佳津枝のことをこんなに意識したことはなかった。今回は、スキーに行ったため滞在できたのは正味3日、その中で佳津枝と一緒にゆっくりできたのはほんの数時間だけだった。そのことが、未練を大きくしたのであろうと思った。
 しかし、電車が東京に着いて寮に戻ったとき、光太郎の心はすっかり東京モードに戻っていた。部屋に荷物を置くと、そのままお土産を持って久恵の部屋のチャイムを鳴らした。部屋の明かりが見えるから帰って来ているはずである。久恵はすぐに出てきた。
「俺、今帰って来たんだ。これ、故郷のお土産、大した物じゃないけど。」
 光太郎は、そう言いながら買ってきた土産を差し出した。
「あっ、三永君も帰って来てくれたのね。わたしも、お土産があるの。ところで三永君のって、かまぼこじゃない。私のは、浜名湖のうなぎの白焼きなのよ。明日からの仕事の予定がわからないし、私の部屋で一緒に食べちゃわない?」
「うん、そうだね。じゃあ、俺、部屋からビールを持って来るよ。」
「ねえ、大室君にも声を掛けましょうか。」
「僕達二人だけで、いいんじゃない。」
「そうね・・・・・」
 そこまで聞いた光太郎は、部屋に戻って冷蔵庫から冷えているだけのビールを腕に抱えて、久恵の部屋に戻った。
 光太郎が戻ってきたとき、久恵は、自分で持ってきた鰻の白焼きと光太郎の持ってきた蒲鉾を切って皿に盛り付けていた。
 1年半が過ぎるが、久恵の部屋に入ったのは引っ越しのとき以来二度目である。部屋の雰囲気は、光太郎の部屋とは随分違うが、居間には小さなテーブルがあるだけだった。
 そこで、鰻の白焼きと蒲鉾でパーティーである。二人は、光太郎の持ってきたビールを飲みながら食べたが、どっちも地域の名産だけあって、美味しかった。
「三永君は、お正月楽しく過ごした?」
「うん。お陰さまで。久恵さんはどうだった?」
「ええ、ずっと家族と一緒だったの。でも、最初は良いけど、正月ってある意味退屈ね。だって、みんな忙しそうだし、ゆっくり話もできないでしょう。」
「そうだねえ、どんなに離れていても、家族で話し合わなければならないことなんて、そんなにたくさんある訳じゃないしね。」
「男の人って、特にそうみたいね。でも、女の気持ちって、ちょっと違うのよ。」
「どう違うんだろうねえ。」
 光太郎は、つまみを食べ、ビールを飲みながら聞いた。
「そうねえ、私だって女だからお喋りは好きよ。でもそのお喋りも、聞いて欲しい人の前で喋りたいわ。今は、その人が私の家族じゃないの。」
 光太郎には、久恵の言っている言葉の意味がわからなかった。
「ふ〜ん・・・・・」
 光太郎は、意味がわからないままに生返事をしていた。
              ―続く―







2026/06/10 7:52:16|茶臼山
山歩き1572回目

 今日はテニスの日なので、朝一で茶臼山の手前にある標高268mの懸山に登って来ました。ここにはNTTドコモのアンテナがあり、そこを目標に登ります。
 家を出るときは濃い霧に包まれていましたが、標高100mちょっと登ったところで陽が差し、そこから上は青空が広がりとても良い天気です。
 山頂から麓を見ると、雲海に包まれていました。年に一度か二度しか見られない壮観です。







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