救済会 憩の園在日協力会

1958年、ブラジル社会福祉法人救済会「憩の園 (いこいのその)」は、主に日系人のお年寄りを対象とした老人ホームとしてサンパウロ市に開園し、その役割を担って参りました。 しかし、ブラジルの国状および日系人を対象とする施設の性格上、「憩の園」運営の現状は、近年大変厳しいものとなっています。 余儀ない事情で「憩の園」に老後を託した在園者の方たちへ、日本から温かい支援をお届けし、余生の日々に懐かしさと喜びを味わっていただけたらと、日々願っています。
 
2025/07/05 15:17:00|その他
憩の園のフェスタ・ジュニーナ

以前にも紹介しましたが、ブラジルには、カーニバルに並ぶほど大切にされている伝統行事があります。
それが6月祭り「フェスタ・ジュニーナ(Festa Junina)」です。
もともとはヨーロッパから伝わったキリスト教の行事で、聖ヨハネをはじめとする聖人を祝ったり、農作物の豊作を祈願するお祭りとして始まりました。

このお祭りの魅力は、何といっても地域の人々の温かい交流です。
会場には田舎風の装飾が施され、チェックのシャツや麦わら帽子など可愛らしい衣装を着た子どもたちや大人が集まります。
屋台では、トウモロコシを使った郷土料理やホットドリンクが並び、みんなで焚き火を囲み、伝統舞踊「クアドリーリャ(Quadrilha)」を踊って楽しみます。

憩の園のフェスタ・ジュニーナは、この伝統行事の温かさと地域交流の意義を大切にしながら、近年は「Instituto Educacional Coração de Maria(IECM:コラソン・デ・マリア教育機関)」 の皆さまとのパートナーシップに支えられ、より活気のある、心温まる催しになっています。

子どもたちと保護者の皆さまが見せてくださる元気な笑顔とエネルギー、そしてご高齢の方々の人生経験が交わり、世代を超えたふれあいの時間が生まれます。
その中で、子どもたちが地域社会への思いやりを学び、食品や日用品を寄付してくださるなど、素晴らしい連帯の輪が広がっています。

参加してくださったすべての皆さまに、心より御礼を申し上げます。


https://iecoracaodemaria.com.br/festa-junina-2025/










秋篠宮佳子内親王殿下、憩の園ご訪問

6月4日よりブラジルを公式訪問されている秋篠宮佳子内親王殿下(以下、佳子さま)が、7日(現地時間)に「憩の園」をご訪問くださり、入居者の方々とご交流いただきました。

本年は、日伯修好通商航海条約の締結から130周年という節目の年にあたります。
佳子さまは首都ブラジリアにて、外交関係樹立130周年を記念する式典や昼食会にご出席されるほか、10日間で8都市をご訪問になり、各地で日系人や日本にゆかりのある方々とご接見されるご予定です。

「憩の園」には、2015年に秋篠宮ご夫妻がご来園くださいました。
今回、佳子さまをお迎えすることができましたのは、「憩の園」にとって誠に光栄なことであり、忘れがたい出来事となりました。



Oct.29. 秋篠宮ご夫妻 憩の園ご訪問(☚click)
Dec.05. 秋篠宮ご夫妻 憩の園ご訪問(10/29)A(☚click)










伝統と笑顔があふれる、憩の園の運動会!

ブラジルの日系社会に根付く「日本式の運動会」。もちろん、ここ憩の園でも毎年恒例の一大イベントとして開催されています!今年も、入居者の皆さま、ご家族、職員、そしてそのお子さまたちまで、なんと100人以上が集結。笑顔と笑い声に包まれながら、大盛り上がりの一日となりました。

勝ち負けを超えて、自然と生まれる会話と笑顔。体を動かす楽しさだけでなく、人と人とのつながりを改めて感じられる、それが日本の運動会のよいところですね!

フィナーレは、皆さまお待ちかねの「炭坑節」!輪になって踊るその光景は、まるで日本のお祭りのようで、会場中が一体に。

来年も、またこの笑顔がたくさん見られますように。












調理師の公平千鶴子さん、任期満了でご帰国

憩の園ではこのたび、国際協力機構(JICA)の海外協力隊員として2年間にわたりご尽力くださった調理師・公平千鶴子さんが、4月に任期を終え日本へ帰国されました。

すでにご紹介のとおり、公平さんは日本食および介護食の調理・指導をご担当され、着任当初には「入居者の皆さんに、健康的で美味しく、食べやすい料理を届けたい」と熱意を語ってくださいました。

中でも、日本ではゲル化剤を使用する「ソフト食(介護サラダ)」のレシピを、現地で手に入るゼラチンを使って再現するなど、創意工夫を凝らして現地化。
わずか1年で、入居者向けの約30品目に及ぶレシピを完成させ、ポルトガル語に翻訳するなど、憩の園に大きな功績を残されました。

公平さんが残された和食メニューは、入居者の皆さまの強いご要望を受け、今後も後任の方によって、週1回の提供が継続される予定です。
また、これらのレシピはサンパウロの他の日系施設とも共有されており、さらなる活用と定着が期待されています。

さらに、公平さんは喫茶活動にも精力的に取り組まれました。
喫茶活動は、認知症予防や脳の活性化にもつながるとされており、公平さんはメニューを一律2レアルに設定。
入居者が自由にメニューを選べるスタイルにすることで、カフェとしての楽しみに加え、入居者同士の交流や情報交換の場としても喜ばれました。

公平さんは、入居者やスタッフから厚い信頼を寄せられ、多くの感謝の言葉とともに、惜しまれつつのご帰国となりました。

2年間のあたたかいご支援に、心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。








憩の園 最近の出来事 〜感謝と笑顔にあふれた日々〜

憩の園では、日々多くの支援や温かい交流に支えられながら、入居者の皆さまが安心して穏やかに過ごされています。今回は、2月から3月にかけて行われた印象的な出来事をご紹介いたします。
 

2月9日:チャリティカットの日

この日は、ボランティアの美容師の方々が憩の園を訪れ、入居者のヘアカットをしてくださいました。それぞれお気に入りの髪型に整えていただき、鏡の前でにっこり微笑まれる姿が目に浮かびます。清々しい気持ちで新たな一歩を踏み出せる、そんな素敵な一日となりました。


 

2月28日:憩の園のカーニバル

「カーニバル」と聞くとリオの華やかなパレードを思い浮かべますが、ここ憩の園でも地域の方々と一緒にカーニバルが開催されました。カラフルな仮面をまとい、陽気なサンバのリズムに包まれ、入居者の皆さまも一緒に手をたたき、踊り、笑顔が絶えないひとときとなりました。


 

3月15日:救済会 第73回定例総会

憩の園を運営する「救済会」(本田イズム会長)の定例総会が開催されました。この一年間の活動報告、会計報告などが行われ、支援者や関係者の皆さまとの連携が再確認される貴重な機会となりました。


 

「ゼゼの庭園」誕生

長年にわたり憩の園に多大なご支援をくださったゼゼ様のご遺志により、教会前の庭園が美しく整備されました。感謝を込めて、この庭園は「ゼゼの庭園」と命名されました。色とりどりの花々が咲くこの場所は、入居者の皆さまの憩いの場となり、ゼゼ様の温かな想いがいつまでも息づくことでしょう。