1997年「地球温暖化防止会議」が 京都で採択され国際条約となりました。 しかし、その具体的な取組みがあまり進んでいないのが現状のようです。
大企業は勿論ですが私たち個人でもエネルギー削減に向かって努力しなければなりません。
これからは住まいも「魔法瓶」のように完全断熱、ダブル断熱にして化石燃料の削減に向かわなければなりません。
住宅の断熱化に対して大切なポイントがいくつかあります。
@それは空気を完全に遮断することなのです。
断熱をいくらしても空気が移動していると断熱効果がないばかりか、阪神の地震で倒壊した家にみられるように、壁の内部がカビだらけで腐敗菌まで発生していて家の耐力が減少し、むしろ逆効果になってしまっている例が残念ながら多いのが現状です。
例えが適切でないかもしれませんが「オーバーコートやガウンを着ていて、ズボンをはいていない」ような状態なのです。
空気は水分を含んでいますから温度差によって結露し、結露するから断熱材は水分を含み重くなって落下してしまっている例がたくさんあります。
空気が移動すると、そこにまた新しく冷たい空気がたえず進入し、これが結露の増加の原因となるのです。
断熱工事は通常外壁まわりきりしていません。内部(間仕切り壁)の壁は両面から暖められますから、新しい空気が進入し、さらに結露が多く家の耐力を奪い劣化させるのです。
結露は腐敗菌の発生増幅させカビ、ダニのもとになり、それらがいやな臭いとなり人や家に害をおよぼします。
腐敗菌は急速に家を劣化させ、壁の中が濡れているから木材が傷み釘もだんだんと錆びて細くなっていきます。
これでは地震に弱い家となってしまい、空気が進入するから火災にも弱いです。
断熱工事をする前に、壁の中の空気を完全に遮断しなければなりません。
このことは空気移動の原理をよく理解していないと大変ですが可能なのです。
なぜ大変かといいますと空気には気温による圧力差が出るからです。風船に針で穴をあけたほどではないですが、それに近い現象が家にもおこっているのです。
暖まった空気が逃げると、そこに新しい外部からの冷たい空気が進入してしまうから、暖まった空気を決して逃がしてはなりません。
Aエアータイト、ペア又はトリプルガラス、樹脂サッシ
1、次に大切なことは窓やドアーをエアータイト化することです。
せっかく断熱した家に窓やドアーの隙間から空気を進入させない。 しかし、現実はサッシの上下の隙間から、たえず空気が進入しているのがいまでも大半なのです。 これからはエアータイト化されたサッシを選定するようにしましょう。
このことは防音対策にもつながることです。 外部の騒音も気にならず大変静かになります。
2、ペア又はトリプルガラス
最近はペアガラスが増えてきました。 しかし、ガラスとガラスの間の寸法が問題なのです。
同じペアガラスでも隙間が少ないと断熱効果が半減します。
ガラスとガラスが合わさってしまっては、まったく効果がないはずです。間隔が大きいのではじめて効果が生まれるのです。 その差が大きいほど効果が大ですので、選定に注意しましょう。
寒い地方ではガラスとガラスの間に熱を伝えにくいアルゴンガス が入っていたり、透明な断熱フィルムを入れていますのでガラスが曇ることは、まったくないのです。
3、樹脂サッシ
アルミは木材よりも220倍の熱伝道率が高いのです。
ですから、人が居住しない倉庫や納屋などには安価ですので使用されていますが、寒い地方では人間の住むところには、まったくアルミサッシを使用しません。
窓枠が結露して濡れているのが熱が逃げている証拠なのです。
一方の樹脂サッシは熱伝道率が低く、枠を丈夫にするため中にもいくつものコアが有り、空気接触がありませんので枠から熱が逃げにくいのです。 したがって窓枠が濡れることもないし、内部の温度も下がりにくいので、一度暖めた空気を長時間利用が可能なのです。
北欧、カナダ、北米など寒い地方では、すでに常識ですが日本では残念ながら初期の状態と言っても過言ではないでしょう。 早急に改善したいものです。
関心の有る方はメール下さい、詳細をお教えします。
備考、 完全に断熱された家は「ツララ」がないはずです。
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