カツマタクラス

 
2025/12/06 8:18:07|その他
教育は愛・・・
びっくりしたことと言えば、公開授業なのに保護者参観率100%のクラスがあった。息子や妻はさっぱりわからなかったが、職場の同僚はほぼ全員が一発で正解した。一年生のクラスではない。圧倒的に参加率は高かったが、100%には程遠く感じた。2年3年と下がって…そう、通常級ではない。特別支援級のクラスである。しかも、知的級の方だ。たった二人の教室。一般教室を半分に区切って、半分を更衣室にし、黒板側に机を並べて授業を行っていた。公開授業のせいもあるのだが、保護者二人(どちらも母親)、指導教員、補助教員、主任とおぼしき先生、そして私。6人に見守られての授業になってしまった。
授業内容は箱の中にランダムに入れられた擬似硬貨を分別してビニールに入れ、金額を表面に書いて、それを整理するというものだった。大変ゆっくりと作業をする生徒と、一生懸命説明をしながら作業をする生徒。どちらもじつに丁寧に行っていた。ただ、片方の生徒の小袋の数が足りなくなって、困惑した時の様子が印象的だった。「ふくろがたりません」と自発的に言うように(いえるように?)わざとしたのかと思えるものだった。それに対して、お母さんが、よこから思わずこうするんでしょと声をかけてしまっていた。まずいなあ、と思いながら、一方で深い愛情を感じて思わずほおが緩んでしまった。教員には誤解されたかもしれない。
情緒級の方も見せてもらったが、生徒の構成は、自閉症的傾向の生徒と感情のコントロールの難しい生徒だということであったが、タブレットでそれぞれの能力に合わせた自習をサポートする形の授業であった。英語だったが、導入の会話では反応できている生徒は一人だった。他児は答えられなかった。しょうがないねという雰囲気から、タブレット学習に移ったのだが、とても静かによどみなく行っていた。通常級もそうだったが、どの学年もどのクラスも素直に従っていて、寝てしまう生徒は、見たクラスすべてで、一年生の一人だけだった。一番後ろの真ん中の席で突っ伏し続けられるのだから、なかなかすごい生徒だ。となりの女子がノートに要点を書いて、意見交換の時間に写すよう一生懸命声をかけていた。
考査クラス平均70点に対して、20〜30点台が5人程度いたと思うのだが、授業の様子から、その子を推定することはできなかった。それほど態度は良好に感じた。逆に言うとその5人への対応は難しいのだろうと思った。
支援級に入らない、入れないレベルの生徒。先生は、情緒級の問題点として、対人対応の難しさから取り分けた形をとっているから、進学については知的級のような配慮がなされないことを気にしていらした。心温かい先生としては、進学先についてのプレッシャーも強いのだなあと思わされた。