カツマタクラス

 
2025/07/30 7:31:21|その他
胃ろうは延命措置?
母の容態が悪化した。原因不明の高熱となって、食べない。肺のレントゲンを撮ってみてはと勧められて、入院して検査をした。認知症になってしまっていて会話が成立しないので、症状がよくわからないのも要因の一つだった。結果、どうも誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん 肺に異物がたまって炎症をおこすこと)らしいとなった。肺炎が落ち着くまで点滴生活になって、ただでさえきちんと呑み込めないことがあったが、食べ方や飲み方を忘れてしまった。言葉が伝わらないから、ごっくんができない。どうしますか?と何回も聞かれて、胃に穴をあけてそこから栄養を取り込ませる「いろう」措置をすることになった。その際、何度も聞かれたことがもう一つある。「うちには心肺停止の際の延命機材がありませんが、どうしますか」どうするったって、転院してくれということ?と思った。が、どうも延命措置はできないので、そこは我慢してほしいということらしかった。あとで親が胃ろうをした人の話を聞いたら、胃ろうは延命措置だと、「医者は」認識しているということだった。
延命措置、(本来なら死んでいるものを)死を先へ伸ばす行為と理解している。
母が食事を取れなくなったことは、以前にもあった。一日にカップのプリン半分しか食べられなくなって、入院をした。点滴を打ってもらって、回復した。四週間ほど入っていただろうか。元気になって、行きたいといったところに連れて行ったり、ここはどうと提案していった場所もある。ありがとうと言われたこともあった。
あれから三年。あの時は認知症があまり進行していなかった。今は、思い浮かぶことがあっても、言葉にできない。どうしたいかを本人に聞くことはできない。死とは、どういうものか。どういう選択をすればいいのか。答えが出ない。ただ、1つだけ今はこう思っている。胃ろうが延命措置なら、医療のほとんどは延命措置になってしまう。本人の意思が確認できないことが問題になるなら、医療のかなりの部分が否定されるべきものになる。
母に最もいい選択をわたしはできる、あるいはできているのだろうか。